04話 居候:カプセルホテル 前編
注意:ハレンチ描写ナシ。
前回のあらすじ
ょぅι゛ょ「クスッ 小っさ」
onz
そしてアレから3週間の時が過ぎていた。
結局俺は彼女達の好意に甘えてそのままずるずるとここに居着いている。
ここ毎日は俺の部屋にはリオの奴が遊びに来たり、我が守護天使リティちゃんが様子を見に来てくれたり、リアがお茶しに来たりと、まさにモテモテである。
俺モテ期襲来。
ちなみに長女のテリアス嬢の事を 『リア』、
次女のリオシティーを 『リオ』、
末っ子のリティールちゃんの事は 『リティ』、
と呼んでいる。
随分と親しくなったモノだ。
ああ、いろいろと苦労したかいがあったというものだ。
そう、あれからいろいろあったのだ!
* * *
- 話は遡る。
出会ってから数日、しばらく客室で過ごしているとリアの奴がやってきて、
「離れた場所の客室より自分たちの部屋の近場の方が暮らしに良いでしょ?」
とか、
「実は居住区画でいくらでも部屋が空いているから好きに選んでくれて構わないのよ」
と言って個室を一つまるまる戴いたのだが……元は家族部屋だったらしいが所詮庶民の部屋。
まあウチの自室より手狭なのは仕方ないにしてもね。
それでもなんの見返りもなく部屋を借りている身としてはあまり気軽に部屋の中を占有するのが心苦しい。(寝込みを襲われても困るし)
「居候三杯めにはそっとだし。居候の定番と言えばやっぱり押し入れだ」
っと言う訳で押し入れだか物入れだかを開けてみればこれがまたなかなかの広さ。
しかも電灯電源完備湿気対策か簡単な空調らしきものまである。よしここにしよう。
上下二カ所あるのだがここは伝統に則り上のスペースおば。
言われた通り倉庫からパックされていた寝具セットをカートを引いて持って来て押し入れに敷き詰める。
ついでに見つけた小型の折りたたみテーブルらしい天板も運び込む。
それ等を押し入れに運び込みセッティングし、おしゃれなカプセルホテル風隠れ家の完成である。
そう、そうこういうのに憧れていたんだ。
なにせ俺の自室は無意味に広かったからな……おまけに押入れが無かった。(代わりに隣の部屋が収納になっていたが)
さて、早速入り込み横になって寝床の具合を確認……完璧だ!
これが俺の新しい新居。(にやり
暗闇で横になりリラックスする事で、ここまで落ち着くまでの苦労を思い出す。
それはあの時、前世の記憶を全て思い出した時からの事だ。
* * *
- 話はさらに遡った。
展望台で、いきなり俺が帰ろうとするなり俺が大声で笑い出したのでテリアス嬢がドン引きしていたのだが。
結局陽も暮れてきたことだし一旦家に帰る事になった。
聞けば彼女もこのジオフロントから出た事が無く俺が付いて行くと聞いて足を運んでみる気になったとのことだった。
道理でもうすぐ夕方になるというのに気にせず現場での実況見分など行く気になったはずだ。
この箱入りお嬢さん、夜の森の恐ろしさを知らないとみえる。
まあ俺も知らんのだが。
ちなみにいきなり展望施設なんぞに連れ出した彼女の想定していた。
現場への移動手段は紅蓮達による運搬飛行。
ヘイ、ガール。無茶すんなヨ。
結局、現地は別段変わったところも無い山林と聞いて、途端興味と行く意義を失った。
帰りのエレベーター内で余りあまる時間を使って必要な話は済ませた。
そして現在に至るまで俺も彼女も外の世界には一歩も足を踏み出していない。
ものの見事にヒッキーである。
しかし素直に異世界転生! とかチート能力!
とか言ったのに彼女は余り関心を示してくれなかった。
女には男のロマンが判らんのです!
そしてそのまま自宅に連れられて晩ご飯をごちそうになり、客室だという部屋に案内されると緊張からかそのまま寝込んでしまった。
朝になり目が覚める事暫し。
一晩経ってテンションが元に戻ると途端世界の蹂躙とかどうでも良くなる。
- 新世界の神とは何だったのだろうか? -
そもそも俺は元の世界でもそれなりの地位と権力そして財力は既に持ち合わせていたのだ。
世界の支配など面倒なだけである。
60畳一間の自室ですら持て余していたのだからな! あの部屋はおかしい!
だがそれでもチート能力とやらには興味があるので取り留めも無く考察・検証をし、いろいろと探ってみることにした。
すると、突然呼び鈴が鳴る! んんっ、誰か来たようだ。
* * *
さて、魔○転生なら最盛期の肉体に前世の記憶で転生……でいいのか?
奴は異世界転生と言っていたが、元の世界と同じ姿だし……そもそも赤ん坊になってない。
さらにこの世界で他人に生まれ変わったようには思えない。
そりゃ身体の造りは一部変わっているようだが。
それにチート? 一体なんだろうか? 自覚はないのだが。
……まあ、ただの異世界転移って訳でもなさそうだがな。
……って、結局さっぱりわからん。
などと、呑気に考え事をしていられるのは結局何の事は無い朝食に呼ばれただけで、無論惨殺されるなんて事がなかったからだ。
そして朝食後にくちくなった腹を宥めながら暇を持て余している。
それからいろいろ考察してみる事数十分が過ぎていた。
……座敷犬並みの暇の持て余し方だな。
ちなみに姉様の手料理とやらは矢張り中々に美味かった。
それはさておき、流石に情報が少ないので考えはまるで纏まらない。
いや、最初から纏まらない事は解ってはいたのだが、取り敢えず一通り考えを出してみないと落ち着かなかったのだ。
飽きた所で身の回りの品から調べてみましょうか?
では、まずマントから……などと思っているとなんと身体から外れない!
そして服が着れない!
実は調べる前に汗で気持ちが悪いのでシャワーなど浴びようとしたらマントが外れないと言う事実が判明したのだ。
昨晩はそのままの恰好で寝てしまった事もあり判明するのが遅れてしまった。
何とかかしようと悪戦苦闘の果て、念じれば首もとのコの字型の留め具、と言うか金具? に、しまえる事が判明した。
ふう、これで安心してシャワーを浴びれる。
……って、安心なんかできるものか!
次に衣装だが、ガウンらしきものを発見したのでさっそく着込んでみようとした。
が、どうしても身体が受け付けない。
シーツなども身に纏うだけでもうずうずして落ち着かない。
俺の身体はホントどうなったのだ? 全裸にマントでいても寒くもなんともない!
家畜人間ヤフーマンにでもなってしまったのか?
幸い眼鏡は外せる事が判明。
よかった。
もし眼鏡を掛けた者同士でキスをしなければならないときに苦労する羽目に陥るところだった。
……などと安堵する。
まあ、その予定はもないのだが。
俺の身につけ居てるモノはあとは靴と靴下だが……って靴下は履けとる!
早速靴下を脱いで最重要ポイントに履いてみるが無論違和感だらけで履けた者では無かった。
被せると火照る!
しかし全裸でも靴下はとっておく、とか
……あのじじい、どんだけマニアックなんだよ!
そうだ、あのじじい? がこんな身体にしやがったに違いない!
結局何者か正体は判らなかったな。
まるで這いよるようにズルズルと足を引きずっていたようだが。
……足が悪いのか?
まあいい、もう二度と会う事などない人間の事などどうでもいい。
じじいの性癖など知った事か! そんなの知りたくもないわい!
ついでに部屋にスリッパもあったので履き替えてみる。
なかなか良い品だな。
靴下の変えは無いので試しにタオルを(洗面台に備え付けてあった)巻き付けみる。
うーん良いタオルだ。
聞けば外は野生の王国ばりに物騒な世界だ。
いっそ素足でも大丈夫なくらい丈夫でも良かったか?
いや、日本のように室内と室外で靴を履き脱ぎをする風習があれば面倒なことになっていたな。
素足だと部屋に上がる度に足を拭かなければならない。
……イヌネコか!?
だが、問題点も判明した。タオルを履いてスリッパや靴を履こうとしても履けなかった!
なんてミステリー。
……などとやっているうちに、ふと重大な事に気がついた。
最大のチート候補を忘れているじゃないか! そうだよ! 左目だよ! 義眼だったものが生身になっていたんだ、 きっと何かあるに違いない!
早速左目を使ってみる。
最早自分の一部として違和感無く使って気にしていなかったがこいつにはいろいろと便利機能があるのだ。
ふむ、ズームは問題なく使えている。
ネットに接続は元々室内用のものなので(セキュリティーの関係もあって)接続出来たとしてもどのみちここでは使えないのだが。
AR機能も期待していなかった……が、録画録音機能は使えた。
……って、感情が高まったときの記録が自動で残っとる!
まあ、無意味に記録容量があるからバックアップのアテの無い。
この世界でも問題がないが、前日の恥ずかしい痴態のアレやコレやが克明に記録されとる。
消去……は、何だか勿体ないのでフォルダー分けして封印扱いだな! 無論消去上書き不可で!
別に夜な夜ないかがわしい事に使用するつもりなどないぞ!
ただ大切なメモリーというか、記念のメモリーというか。
……まあ、それはさておき。
他にも色々と元の義眼の機能に準じる物が使えるようだ。
アイコン操作で簡単操作!な楽々操作機能も継承済みか。
……タグなども使えるか。
そして、最大の目玉。特殊機能発見!
そう、人類憧れの能力『目からビーム』だ! 目玉だけに。
ドキドキするな〜胸が熱くなる。
さて、実際どう言う機能なのか? ビームと書いてあるが説明文を読むとどちらかと言うとレーザーじゃね?
そもそも、目から光線が出る以上レーザーだよな? そして、ビームって粒子の事じゃね?
……まあ、レーザーによる光ビームとかあるからいいか。
っと、早速窓を開けて外の適当な樹木何ぞに照準を合わせる。
ワクワクするな! 威力は最低に絞る。
……いや、もう少しあげないと結果が分かりにくいかな?
では、
「目からビームーーー!」
あっ不味い。眼鏡を外し忘れた。と、思っていると、
メガネの左目のレンズが自動的にスライドする。
ピシュン!
……良かった。樹の梢が少し焦げただけだ。
……よく考えたら、樹を焦がしたの彼女達に見つかったら怒られるかもしれない。
……しばらくはこの機能は封印だ。
探索を再開。
やがてゲームみたいな機能がウインドウのメニュー表示にあった。
そこでいろいろ見て行くと、
装備:
アイテム: 裸王と呼ばれた覇王のものを模した
C 裸王のマント デザインの強靭なマント。
裸でもあらゆる意味で平気になれる。
呪いにより他装備不可。(例外有り)
【ユニーク カース】
呪いにより装備解除不可。
アイテム: 永久不滅の純白の靴下、汚れ知らず。
U 不滅の靴下 Immortal Object
《破壊不能オブジェクト》
呪いに掛かって装備不可状態でも
支援効果により靴を履ける優れもの。
アイテム: 『健脚』の効果により
E 健脚の靴 どんなヒキニートでも
人並みに野山を駆け抜ける事ができる
歩行支援効果付きの魔法の靴。
……。
ええいあのじじい、海外では白い靴下は学生しか履かないと知っているのか?
永久不滅だと? どういう比喩暗喩なんだ!
裸に靴下なんて! それに健脚の靴だと!
巫山戯るな! ……お気遣いありがとうございます。
って、この呪われたマントのせいで服が着れないんじゃないか!
くっ、呪われてやっぱり脱げない~。
次回 5話 居候:カプセルホテル 中編
「っ早い、って……わ……割れている大断裂……
がっ、モガモガ(フェイスハガーだと!)」
本編そのものにはハレンチ描写はなかったはず?