15話 通貨:エネルゴン
彼女達は今まで彼方此方を傭兵として放浪していて
世間に対する見聞は豊富であるそうだ。
なのでいろいろこの世界の有り様を聞き出したのだが
特に気になった事を言っておく。
まず主要通貨だがこれは『エネルゴン』と言うそうだ。
エネルゴンは通貨にして動力源であり
エネルギーの精製物で「純エネルギー体」とも言える物質である。
安定性・汎用性が非常に高く、
そのまま兵器や装置のエネルギー源にも使用できるそうだ。
ファンタジーゲームの所謂魔晶石とか言うヤツか?
まあ、戦略物資をそのまま通貨として使用する例は枚挙に尽きない。
例えば貴金属とか塩であるとか。
無論エネルゴンは大きな金額を扱う通貨で
(先程主要通貨と言ったがあれは嘘だ! あくまで商取引き用という意味でだ)
少額では貴金属も使用するそうだが。
(砂金や金の粒なども流通しているので
俺の金のインゴットも無論いけるだろう)
そのエネルゴンとは実際どんなものかさらに詳しく訊いていくと
淡い紫色の“エネルギーの塊”とも言うべき“物質”だという。
リアが何か思い当たったらしく、
しばらくして紅蓮にそのエネルゴンとおぼしき物を持って来させた。
実は燃料貯蔵施設に貯蔵されていたのだった。
まあ交易の商品に使えても通貨として流通してるとは思わんわな。
このエネルゴン、紅蓮達の食事にもなるそうだ。
汎用性高すぎ。
製造法はどんなエネルギー源からでも特殊な装置を使って製造できるそうだが。
圧縮してあるので見た目よりかなりのエネルギー量があるのだそうだ。
そう考えるとこれを食事にすると金食い虫ということになるのかな?
しかし汎用性のエネルギー源か……。
* * *
ところで、以前にも触れた日本円を使用できるチート能力だが、
あれから詳細を調べているうちに使い方を発見した。
異世界のコンプリートガチャである。
なお、こちらで得た通貨も使えそうだ。
まず百万円玉というコインを買って使うものと
一千万円札というマネーカードを買って使う2種類があった。
金額なりの商品とそれに対する当たり商品がそれぞれ出てくる。
まあ絶対コンプリートなどできない悪徳商法だろうが。
だが物は試し、取り敢えず3億ほど使って試してみることにした。
やはり、ダブりが多く余り揃わない。
出てきたガチャの中身は武器類が主であった。
一応チート装備と言える物らしいが、
ここの武器庫にも同じようなものが多数有るそうで
課金アイテムが余り有り難みが無い。
そりゃ普通の非武装の庶民にはありがたい品かもしれないが
百万、一千万程度の兵器など
アタリでも無い限りたかが知れている。
ハズレの刀剣類は一応魔剣の類いで火とか水とかの魔法が使えるようだが
見た目の割りには効果はしょぼかった。
対人戦には足りるのかもしれないがな。
第一剣など重くてそうそう振り回せない。
ハズレの拳銃やライフルなどは
元の世界では数万から十数万程度のお値段だろうし、
それが+1とか+2とか能力値にプラスされたところで
この世界の化物共にどこまで通用するやら。
大体、弾の予備が無く装填されているもののみだった。
しかもガチャのハズレでも弾倉のセットは出てこない。
大体銃器というのはだな、
大量の弾を消費し長時間の練習を経て
ようやくマトモに運用できる、
っと、言う手間のかかるものなのに。
……そう大変金と時間がかかるめんどくさい武器だというのに!
これでは割りに合わない!
まあ刀剣類も毎日素振りとかしないといけないがな。
いくつか出た当たりであるビームライフルでも同じであった。
これまたエネルギーカートリッジが単独で手に入らない。
しかもエネルギーを補充する設備も機材もない。
紅蓮達のものとは規格が違いすぎた。
故にダブったものをエネルギーが切れたらそのまま交換していくか、
カートリッジだけ集めて予備として持ち歩くかしないといけない。
実弾もビーム兵器も取り扱いに難がある。
第一中型紅蓮達の銃と比べ物にならない。
なにせ3mの巨人サイズである、
こちらから見れば銃じゃなくてちょっとした大砲である。
これなら素直にここの武器庫から武器を借りたらいいかと思い、
いろいろ見せてもらうことにした。
そこでいろいろ試してみたが俺にあうものはなかなか無かった。
リア達の母親が使っていたと言うビームライフルもあったが、
これまたマスケット銃風の単発銃であった。
なんでも無数のマスケット銃的ビームライフルを用意させて
戦うという戦闘スタイルだったそうだ。
剣豪将軍:足利義輝か!
いやなんとなく。
……さて、どうしたものか?
ここは、俺の自慢の『目からビーム』を使うしかないのか?
あれも連射はあまり効かず威力もそこそこ、
第一使うとお腹が空いてしまう。
……あくまで非常用だな。
* * *
などということがあったのだが、
だがエネルゴンが汎用エネルギーと聞いて
いろいろ試してみることにした。
無論そのままでは使用不可であったが
紅蓮達の整備設備を利用して改造を依頼してみた。
すると何と言う事でしょう!
いままで規格外で充填不可だった
エネルギーパッケージが充填可能に!!
って、最初からそういう風に改造してね
って頼んで入れば簡単に可能だったのねん。
いや、思い込みで説明が不十分だったこっちが悪いのだが。
ああ、なんか疲れたな。
では、気分転換に風呂にでも入るか。




