やさしさ
掲載日:2026/08/26
アンドロイドシリーズ外伝です
「紅茶ぐらいソイツに
やらせれば良いじゃないか」
隣の友人が言う。
反対からは金属の腕が差し出される。
「私の趣味を取らないでくれ」
腕はスッと引っ込んだ。
「せっかくのアンドロイド
使わないともったいないぞ」
「使ってるよ。
荷物運びとか、散歩のお供とか」
「俺がやってたことじゃないか」
「楽になっただろ?」
「そうじゃなくてだな…
自分のために使えよ」
「使ってる。紅茶の相手とかね」
友人が「困ったやつだ」と言いたそうな顔をする。
「………出来ることが、
減っていく感覚が嫌なんだ」
ぽそっともらす。
両隣の視線は私の足の上。
全く。本当にやさしい奴らだ。
読んでくれてありがとうございます。




