姉を追い出して没落する予定の貴族ですが、ストーリー変更は可能でしょうか?
名前を借りました
精霊に好かれるヒロインの姉を、知らずに虐げる一家。
姉が嫁に行くと、今まで姉の精霊の加護のお陰で上手くいっていたのに、加護が無くなり、一家が没落する。
嫁入先で大切にされて、姉は幸せになる。
という小説の、意地悪妹ワットに転生した。
姉のアンペアは、小さい頃から精霊と仲良くなり、よく遊んでいた。
精霊を信じない両親は嘘つきだとアンペアを嫌い、両親にアンペアを嫌うように育てられたワットと共に、アンペアに辛く当たっていた。
両親は、精霊のせの字も言わないワットを溺愛した。
私は小さい頃に、前世(?)の記憶を思い出し、没落するのが嫌なので、アンペアと仲良くすることにした。
精霊は見えないし感じないが、多分いるんだろうと、アンペアの話を聞いていた。
いたら良いなと私は思う。ファンタジー大好き。
精霊の話をするなと怒る両親を宥めたり、気を逸らそうと違う話をしたりもした。
小説では、両親はアンペアに社交をさせずにいたが、「お姉様がいないと行かない」と駄々を捏ね、アンペアと一緒に社交をした。
社交と言っても子どもだけのお茶会だ。
精霊の話は、私との秘密だよ、とアンペアに約束させ、他の子ども達からアンペアが浮かないようにもした。
最初にアンペアに来た縁談の婚約者は、浮気をしてアンペアに婚約破棄をする。
幸せになる嫁入先から婚約を打診されるのは今から1年後。
相手は精霊の加護があるが、その精霊が婚約予定の令嬢達を認めず、婚約者が中々決まらない公爵令息ジュールだった。
まずは、浮気男の婚約を断ることにした。
すでに恋人がいる証拠を掴んで、婚約を断ることに成功した。
相手の両親は、土下座して謝ってきたが、きっぱりお断りできた。
私が両親に、他にもっと良いところがあるから、と説得した甲斐があった。
姉妹仲良く過ごして、アンペアが公爵夫人になっても困らないように、上位貴族の勉強をする。
我が家は伯爵家で、本当は上位貴族の勉強など必要ないが、いつか必要になるから、と、両親に頼み込んだ。
両親は、私を可愛がっており、私の頼み事は大抵聞いてくれる。
小説での、公爵令息ジュール様との出会いは、孤児院。
身分を隠して慰問にやってきたジュール様と、アンペアが出会い意気投合して、何度か一緒に出掛け、仲良くなる。
更に、ジュール様の精霊ボルトがアンペアを認めたので婚約を打診してくるのだ。
アンペアには婚約者がいて、最初はお断りするが、舞踏会で婚約破棄された現場にジュール様がいて、それなら私がもらう、と宣言するのだ。
まぁ、今回は婚約しなかったが。
なので、ジュール様との出会いの為に、アンペアと孤児院に慰問へ行く。
孤児院の名前は分からないが、王都には孤児院が3カ所あり、その全てに行った。
中々ジュール様とは会えなかったが、今日ついに会うことができた。
多分、あの人だ。
低位貴族の格好をしているが、背筋が真っすぐだし、とても礼儀正しい。
それに、仕草が綺麗で、高貴オーラがダダ漏れである。
茶色の髪と目の色をしているが、本当は銀色の髪と目の色なのだ。
銀色は、王家と公爵家の色。
だから、バレないように、精霊に頼んで色を変えてもらい、街に出たり、冒険者として魔物を狩ったりしている。
孤児院へは、魔物被害で親を亡くした子達がいる為、慰問に来ている。
と、小説にはあった。
私はアンペアに、貴族同士挨拶してきなよ、と言い、アンペアの背を押した。
アンペアは戸惑いながら、挨拶しに行った。
私は部屋の外に隠れて見ていた。
「ご機嫌よう」
慰問に来ている貴族同士なので挨拶を、とアンペアが言う。
「ご機嫌よう。ここへはよくいらっしゃるのですか?」
推定ジュール様が、挨拶を返す。
「はい。妹と」
「そうですか。…私はジュールといいます。またお会いするかもしれませんね。その時は、よろしく」
「私はアンペアです。よろしくお願いします」
やっぱりジュール様だった。お互いに、印象は悪くなさそうだ。
挨拶を終えると、ジュール様は帰っていった。
アンペアに感想を聞くと、顔も声も良い…と頬を染めて言っていた。
数日後、別の孤児院へ行くと、ジュール様にまた会った。
アンペアの背を押すと、一瞬躊躇したが、挨拶しに行った。
「ご機嫌よう。また会いましたね」
「ご機嫌よう。こちらにもいらしてたんですね」
「はい」
少し話して2人は別れた。
アンペアは嬉しそうにしていた。
このまま上手くいけばいいな…
アンペアは純粋だし、可愛いし、私が勧める上位貴族の教育も、何故受けなければいけないのか分からないながらも、しっかり勉強している。
アンペアには幸せになってほしい。
そして私も幸せになりたい。
アンペアとジュール様が知り合ってしばらくすると、ジュール様の友だちの侯爵令息オームが一緒に来るようになった。
ジュール様が女と知り合ったから、騙されてないか心配で、女の本性を見に来たのだ。
※オーム視点
オームが陰から見てると、姉妹で来ていたが、姉だけがジュールに挨拶しに来た。
ジュールは公爵家の嫡男だが、婚約者がいない。それは、ジュールを加護している精霊が、婚約者を認めないかららしい。
だが、ジュールは公爵家嫡男だから、令嬢達が近付いてくる。
我こそは、未来の公爵夫人に、と、後から後から令嬢達が近付いてくる。
断られた令嬢も、また見合いを持ちかけてくる。
オームは、幼馴染として、ジュールが悪い女に誑かされないように、見守っていた。
まぁ、精霊が許さないだろうから、誑かされないだろうが。
とにかく、ジュールが知り合ったという令嬢が、どんな人物か、知りたい。
と思ったが、姉だけがジュールに挨拶して、妹は来ないのが不審に思えてきた。
妹に話を聞きたくて、次に会ったら時間稼ぎしろとジュールに言い、また付き添うことにした。
姉妹に会い、姉とジュールが話してる隙に、妹へ声を掛ける。
※オーム視点ここまで
挨拶もそこそこに、オームが話す。
小説でも、親友が心配して姉を観察していたな、と私は思い出した。
「どうして姉だけが挨拶を?」
「あんな格好いい人が姉と恋人になったら良いなって思って」
あらかじめ用意していた答えを言う。
姉妹で来ているのに、挨拶するのが姉だけなのは、不思議だろう。
オームは疑り深い顔で見ている。
「姉には幸せになってほしいんです」
それは本当だ。
小説を読みながら、最初は戸惑いつつも、愛される幸せを感じていくヒロインのアンペアに、涙を堪えるのが大変だった。
「自分が恋人になりたいとは?」
「私は良いんです」
「どうして?」
「姉が嫁に行ったら、私は婿を取って跡を継がないと」
「ふ〜ん…ジュールの知り合いを紹介してもらおうとは?」
「我が家は伯爵家なので、身分が違います」
「お互い低位貴族なんだから、問題ないだろう?それに、姉にも言える事では?」
「あ〜まぁ…」
私は言葉を濁した。
そういえば、ジュール様は公爵令息の身分を隠していたんだった。
それに、精霊の話をしていいのか迷った。
ジュール様に精霊の加護があるのは有名だが、精霊のせいで結婚できない事は知られていない。
「あ…じゃあ、あなた、うちに婿入りします?」
面倒になって、投げやりに言った。
「え?」
「うちは、あんまり裕福じゃない伯爵家ですけど。…そういえば、あなたが誰か知らなかった」
小説のキャラクターなので知っているが、そもそも自己紹介されてなかった。
名乗ることも無く話しかけてきたんだった。
オームが目を丸くしている。
「…そういえば、名乗ってなかったな。俺は侯爵家の第三子でオーム。まぁ、婿入りもせず、騎士にもならず、フラフラしてるよ」
ジュール様の補佐をしたり、さり気なく護衛をしている設定だった。
「お前の名は?」
「私はワットです。姉はアンペア」
「何で孤児院に慰問に来てるんだ?」
「ノブリス・オブリージュじゃダメなんですか?」
「ダメじゃないけど…裕福じゃないんだろ?」
「寄付できないから、読み書き計算を教えてるんです」
「…なるほどな」
「領地経営の勉強してますか?」
「…してない」
「じゃあ…無理ですね。さようなら」
私は、話を終わらせた。
丁度、姉とジュール様の話も終わったようだ。
馬車が迎えに来る頃なので、帰る事にした。
「あのね、ジュール様の事なんだけど」
馬車が動き出すと、アンペアが話しだした。
「どうしたの?」
「精霊がね、加護してるみたい」
「精霊が加護してる?」
まぁ、知ってるけどね。
「ジュール様の側に、いつも同じ精霊がいるの」
「そうなんだ」
「目は合うけど、喋ってはくれないの」
「…それで?」
「挨拶したいなって思うんだけど、ワットが、精霊のことは、2人だけの秘密だよって言ってたから…」
ジュール様の精霊と話したいけど、私との約束を律儀に守って、まだ話していないのか。
「ジュール様、いい人そうだから、ジュール様に話して良いか聞いてみたら?」
「そうね!そうする。ありがとう!」
私の言葉に、アンペアが抱きついてきた。よほど嬉しいのだろう。
良かった。
アンペアが喜ぶと、精霊も喜ぶ。
精霊が喜ぶと、加護してくれる。
お陰で、うちの領地は豊かだ。
次に会った時に、精霊の話をするとアンペアが言った。
ジュール様は公爵家の子息。忙しいのか、中々会わない。
久しぶりに会った時は、1ヶ月経っていた。
最初は、私に促されて挨拶に行っていたのが、今では自分から、ジュール様に挨拶に行くようになった。
私は、裏庭の花壇の世話をする。
そこへ、オームがやってきた。
「やぁ…久しぶり」
「…どうも」
「この前の話なんだけど」
「この前の話?」
「俺…候補家の三男だけど、色んな令嬢から声を掛けられるんだ。婚約の申し込みも、沢山来る」
突然、何の話だ?
「だから、俺が振られるなんて思わなかった。
領地経営の勉強するから、俺の事、候補に入れてくれないか?」
俺に振り向かない、おもしれー女ってやつ?
「もう既に、領地経営の勉強を始めた。ジュールの仕事の手伝いもしてるから、あんまり進んでないけど…」
ジュール様の手伝いって、冒険者の方か?
オームも、魔獣退治に行ってるのか?
「冒険者ですか?」
「知ってるの?」
しまった。ジュール様が公爵子息って知らないはずだった。
「いえ…手に豆ができてるので、剣を使うのかなって…でも騎士ではなさそうだし…」
ボロを出さないうちに、離れなきゃ。
「君は、何か知ってるのかな?それとも、勘が良いのかな?人を細かく見てるだけ?」
真っすぐに見つめられる。
目を逸らしたら、疚しいことがあります、と、宣言したようなものだ。
じいっと、見つめ返す。
「適当に言ってみただけです」
「ふぅん?」
花壇の世話に戻る。
「ワット!」
突然呼ばれた。
「アンペア?」
アンペアが走ってきて、私に抱きついた。
「どうしたの?」
精霊さんとは話せなかったのかな?
「精霊さんがね、ジュール様の嫁にならないかって!」
「…ジュール様の…よめ…?」
ジュール様のよめ…読め…夜目…嫁…嫁!?
「嫁!?」
「精霊さんがね、ジュール様のお嫁さんを探してたんだって!さっきご挨拶したら…」
「挨拶した!?」
その時、オームが割り込んだ。
「ちょっと待って!精霊がどうしたって?どういう事だよジュール!」
振り向くと、ジュール様がいた。
「アンペア嬢は、精霊の姿が見えるし、話せる」
ジュール様が言う。
ちゃんと言えたんだね。アンペア偉いね。
「なんだって!?」
オームが驚いた。まぁ、それはそうだろう。
今まで、そんな人、ジュール様しかいなかったんだろうから。
「やぁ、ワット嬢、話すのは初めてだね」
ジュール様が、挨拶してくれたので挨拶を返す。
「ご挨拶が遅れまして…」
「いや、いいんだ。…ワット嬢は、アンペア嬢を大事にしていると、精霊達が言っていたよ」
「そんな事は…」
没落したくないからなんだけど…
「精霊が見えるのは私だけで、他の人には見えないのが分からず、両親には辛く当たられていました。でも、ワットは、見えないけど、私がいるって言うならいるんじゃないかなって、精霊の話を聞いてくれました」
アンペアが言った。
それは、ジュール様も同じだったようで
「私も、そうだったよ」
ジュール様は、アンペアの肩に、優しく手を置いた。
「ワットは、家に閉じ込められていた私に、貴族令嬢としての勉強を一緒にしてくれ、社交にも一緒に行くと言って、連れていってくれました」
アンペアとジュール様は見つめ合っている。
「うん」
「こうやって、孤児院に行くのも提案してくれて…ジュール様に出会えました」
「うん」
「他の人には精霊が見えないから、2人だけの秘密だよってワットに言われて…お陰で、私は嫌な思いをすることはありませんでした」
「うん」
「でも、ジュール様といつも一緒にいる精霊さんと、話してみたくて」
「うん」
「嫁にならないかって言われるとは思わなくて」
「うん」
「私…どうしたら…」
いきなり言われたら、驚くよね。
「ゆっくり考えてくれればいい」
「でも…」
2人だけの世界だ。邪魔したら悪いな…
でも、このままだと話が進まない。
「アンペア、ジュール様が嫌いじゃないなら、お互いの事をもっと知り合うべきだと思うの。それで、どうしてもダメならお断りすれば良いわ。でも、嫌じゃないならお受けすれば良い」
「ワット…」
「精霊さんが言うなら、聞いてみても良いと思うの」
「そう…そうね、精霊さんが言う事だから…」
アンペアは、少し落ち着いたみたいだ。
その時、ジュール様が私に話しかけてきた。
「ワット嬢は…ちょっと変わっている…ってボルト…私の精霊が言っている。ワット嬢は精霊は見えないんだろう?」
「はい。見えません」
「それなのに、何故、アンペア嬢の精霊の話を信じたんだ?」
それは、小説を読んだから…と言っても信じてもらえるだろうか?
「小さい頃から、アンペアが、目の前に誰もいないのに話をしているのを見てました。目の前に誰かがいるんじゃないかと思えるくらい自然で。だから、見えない人がいるんじゃないかなって思ってました」
物心ついた頃から、アンペアのその行動を見ていた。
他の人は知らないから、それが普通だと思っていた。
「見えないだけで、嘘だと決めつける両親を見て、それもどうなのかなって思ってました。ぬいぐるみにだって話しかけるでしょ?木や花にだって話しかけるでしょ?」
そう。両親のあの精霊に対する拒絶反応が不思議だった。
普段は温和なのに、アンペアが精霊の話をする時だけ、人が変わったように、アンペアを怒鳴りつけていた。
「両親が、精霊の話はするなって怒鳴るたびに、何でそんなに怒るのかなって思ってました。むしろ、本当に精霊がいるから、そんなに過剰に反応するのかなって…」
そんな事を考えていた頃に、前世の記憶を思い出したのだ。
「アンペア嬢に、精霊の話は内緒って言ったのは何故だい?」
「両親が、アンペアが精霊の話をするたびに、怒鳴りつけていて…もし、他の人も、怒鳴りつけてくるなら、怖いなって思って…私が怒鳴られるのも怖いけど、人が怒鳴られるのを見るのも怖いんです…」
「そうか…」
私は前世で、親から怒られていた。
怒られている人を見るのも嫌なくらい。
だから、アンペアが怒られるのを見るのも嫌だった。
「ワット嬢は、優しいんだね」
ジュール様は、私の話を信じてくれたみたいだ。
確かに、没落は嫌だけれど、アンペアが怒られるのを見るのも嫌なのは、本当の事だ。
「家に、挨拶に行っても良いかな?」
ジュール様が言った。
「はい」
私が答えた。
…私が答えて良かったのか?
「アンペアをよろしくお願いします!」
私はジュール様に頭を下げた。
アンペアを幸せにして欲しい。
ジュール様も幸せになって欲しい。
2人で、精霊の話を心置きなく話し合って欲しい。
後日、我が家にジュール様が挨拶に来る事になった。
オームも来るらしい。
アンペアとオームが挨拶していた。
ジュール様が、挨拶の時に公爵家の嫡男だと話した。
両親もだけど、アンペアも驚いていた。
ジュール様は孤児院では、低位貴族の格好をしていたから、アンペアは、まさか公爵子息とは思ってもいなかっただろう。
「み…身分が…」
両親は、驚き過ぎて、呆けている。
アンペアが言うと
「精霊が良いと言っているから、大丈夫なんだよ。むしろ、アンペア以外とは結婚できそうもないんだ」
ジュール様が言う。
ジュール様の加護をしている精霊ボルトは、精霊に愛されるアンペアなら、ジュールと結婚しても良いと言った…と小説にはあった。
だから、アンペアに結婚の申し込みがあったのだ。
小説では、婚約者がいたが、今はいない。
堂々と婚約できる。
私は、父の肩を叩き、話を進めてもらう。
ジュール様からの、婚約を受け入れ、公爵家に挨拶に行くことになった。
その後、オームが話しだした。
「俺は、侯爵家の三男です。ワット嬢の婿候補にさせて欲しいと思っている」
両親は、今度は侯爵家、と驚いた。
ちなみに私には、婚約者はいない。
アンペアがジュール様に嫁ぐまで、結婚しないつもりだった。
「アンペアが結婚して、幸せになるまで待てるなら、考えてもいい」
侯爵子息に対して偉そうだが、私はハッキリと言った。
「分かった」
オームが言った。
「オームは、私の理解者だ。ワット嬢が支えてくれるなら、ありがたい」
ジュール様に言われたら、断れないじゃないか…
「私とジュール様が結婚した後、オーム様とワットがいてくれたら、心強いわ」
アンペアも言う。
そうか…オームと結婚したら、ジュール様とアンペアの近くにいられるんだ…
「考えときます」
とにかく、アンペアとジュール様の結婚式までは、気を抜けない。
「早く結婚してください」
私は、アンペアとジュール様に言った。
「責任重大だな。オームの為にも、早く結婚しなければ」
ジュール様が、アンペアに笑い掛けながら言った。
アンペアは、幸せそうにジュール様に笑い返していた。
両親とアンペアは、公爵家に婚約の手続きをする為に行った。
ジュール様の両親は、殊の外喜んでいたらしい。
中々婚約が決まらなかったからだ。
公爵家と伯爵家では身分が違う、と文句を言う家もあったらしい。
それなら、アンペア以上に精霊に愛されている令嬢を連れてこい、と、ジュール様が言った事で、誰も文句を言えなくなった。
アンペア以上に精霊に愛されている令嬢なんて、いないからね。
アンペアに嫌がらせしようとした令嬢は、精霊に嫌われて、社交界に顔を出せなくなった。
今まであった加護が無くなり、領地に被害が出たりするからだ。
その噂が広まり、アンペアに嫌がらせする令嬢もいなくなった。
2人は、周りから祝福されて、結婚式を挙げた。
良かった〜
これで、一安心。
「次は、ワットの番よ」
結婚式の後、アンペアが幸せそうに言った。
そうだなぁ…横にいるオームを見た。
オームは私を見ている。
期待の眼差しで見るんじゃない。
オームは、領地経営の勉強を続けている。
この前は、ジュール様が行きたいと言ったので、アンペアと私の案内でジュール様とオームは、我が領地を視察に行った。
オームだけでは私が許可しないと思ったのだろうか。
よく分かっている。
仕方ない。他に、良い感じの相手もいないし、オームの事を真面目に考えてみるか。
読んでいただきありがとうございます




