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第四十六話:ギルドの熱狂と特S級

歴史に残る『白銀の疾風』の活躍を受けて、帝都の冒険者ギルドは、かつてない興奮に沸き立っていた。今回の功績をもって、アルヴィンがSランク、ルピーネとロドルフはAランクに昇級することになったのだ。


「見たか! うちのギルドから『救世の英雄』が出たんだぞ!」 ギルド長バレンティンは連日のように冒険者たちと酒を酌み交わし、受付嬢のミリーも「私の目に狂いはなかったわ」と鼻高々だ。ザムエルだけは、独り苦い顔でその騒ぎを眺めていた。


実は、ギルドと皇帝からは、ルピーネとロドルフに対しても、最高位である「Sランク」への昇級が打診されていた。だが、二人はそれを固辞した。 「……お断りします。私たちはまだ、その器ではありません」 ルピーネは静かに、しかしきっぱりと告げた。ロドルフも深く頷く。今回の勝利はルークの光の魔力と、アルヴィンが用意した魔道具の助けがあってこそのもの。自分たち個人の武勇だけで勝ち取ったものではないと、二人は痛感していたのだ。


一方、逃げ道を塞がれたのがアルヴィンだった。 「お主はそもそもSランク相当の実力があったのを、ずっと逃げ回っていただけなんだからな」 バレンティンが逃がさぬとばかりに迫る。 「それに叔父上の魔道具による支援能力は、国家戦略級だと評価された。流石に拒否権はないよ」 そう告げたのは、皇帝ラインハルト本人だった。


「強制召集はごめんだよ」 不貞腐れるアルヴィンだったが、結局、彼はSランクと同等ながら、彼のために新設された「特Sランク」という称号を授与されることになった。 「簡単に言うと、強制召集義務のないS級だ」 「まあ、それなら……」


しかし、皇帝の次の一言に、アルヴィンの長い耳がぴくりと動いた。 「強制ではないが、もし召集に応じるならば、そのたびに皇室宝物庫から好きなものを一つ持ち出すことを許可しようと思っているんだが……」 「……それは、非常に困った提案だね。僕の理性が揺らいでしまうじゃないか」 天才魔道具師の顔に、隠しきれない喜びが浮かんだ。

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