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第二十四話:緑の魔石と回復の願い

翌朝、ルピーネは朝一番にギルドで依頼達成報告をして、報酬を受け取った。 「ロドルフさん、大丈夫ですかぁ?」 事情を聞いて心配したミリーが、よく効くという解毒薬を教えてくれたので、念のため数回分を購入する。もう一人の受付担当のザムエルは、何が楽しいのか、ニヤニヤと下卑た笑みを浮かべている。


ルピーネが急いで帰り、ヴァネッサとルークに任せていたロドルフの部屋を訪ねると、彼の熱は下がり、多少話ができるまでに回復していた。だが腕の傷はまだ腫れており、その箇所が熱を持っている。そこにアルヴィンがひょっこり現れた。


「やあ二人とも。ロドルフ、怪我は大丈夫かい?あの地蟲の毒は厄介なんだよね。ルピーネ、今回のクエストで手に入れた大王地蟲の魔石、見せてくれるかな」 ルピーネは、懐から緑がかったヘーゼル色の魔石を取り出した。 「うん……回復の効果があるね。いい石だ。これは売らずに、ロドルフのフィビュラ(ブローチ)に埋め込もう」 「フィビュラ、ですか?」 ルピーネが首を傾げた。


アルヴィンは、ロドルフがいつも胸元に着けている純銀のフィビュラを手に取る。 「この丸くなっている部分に、この魔石を嵌め込むんだ。そうすれば、純銀の守護効果に加え、回復の効果も付与される。怪我とか病気をした時に、自然治癒効果を高めることができるだろう」


アルヴィンの説明に、ロドルフは目を丸くする。 「そ、そんなことができるのか?すごいな!」 「これくらいなら工房に持ち込むまでもなく、僕の手持ちの道具で加工できるよ。ロドルフは僕の貴重なパーティーメンバーなんだから、それぐらいの備えは必要だしね。……それに、君を守いたいと願う誰かの気持ちも、この魔石には込められているかもしれない」


アルヴィンがちらりとルピーネに視線を送った。ルピーネは何も言わず、顔を少し赤くして目を逸らした。 (彼を守りたいと願う気持ち……?別にそんな、ロドルフは一人でも強いんだし……)


上手く整理できない感情を抱えながら、ルピーネは、アルヴィンの手が卓上で器用に動き、ロドルフのフィビュラが、自分の瞳と同じ色の、緑の光を宿すのを見ていた。それがロドルフの傷を癒し、彼を守る新たな力となることを願いながら。


「ここをくり抜いて、魔石を嵌めるよ。あとは魔力を流して封じれば……。ふう、できたよ。これでいい」 三十分ほど手を動かした後、アルヴィンが宣言した。 「ロドルフ、身体が治ったら、叱ってあげるから二人で飲みに行こう」

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