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第十二話:魔道具工房と武器の改造

三人はその足で、職人街に向かった。 「あれ〜、こっちじゃなかったかなぁ」 アルヴィンが迷いまくったために、本来なら十五分ほどの距離にある彼の知人の魔道具屋へ到着するのに、一時間以上を費やした。帝都が初めてのルピーネとロドルフは、黙ってついていくしかない。


到着した工房には、中年の頑固そうなドワーフの工房長がいた。 「随分と久しぶりだなあ、エルフの坊ちゃん。今度は何を作ろうってんだ?」 アルヴィンを見つけた職人たちが二人、三人と集まってくる。(仲が良いんだなあ……)ルピーネは感心したようにその光景を眺めた。


投石器スリングの改良なんて、皮を張り替えるくらいしか……」議論に参加していた筋骨隆々のドワーフが、アルヴィンが走り書きしたデザインを見た瞬間、絶句した。 「……おい、なんだこの術式は。魔石を触媒にして、射出時に重力操作をかけるのか? 冗談じゃねえ、これは魔道具どころか、『聖遺物アーティファクト』レベルじゃねえか!」


「アルヴィン、私、そんなにお金ないよ。マントの分も支払わなきゃいけないし」 ルピーネはさらなる借金の予感に慄くが、エルフはこともなげに言う。 「ここはツケが効くから大丈夫。冒険者になったらすぐ払えるよ」


職人がアルヴィンが清書した設計図を元に、スリングの改良を始めた。三時間ほどかかるというので、アルヴィンはロドルフのハルバードとルピーネの剣に目を向ける。 「うーん、君の剣はダメだね。耐久性が無さすぎる。後で買い直そう。……でもこっちの戦斧ハルバードは悪くない。雷を纏わせたら良さそうだ」 アルヴィンは真剣な表情になり、ロドルフを促して裏庭に出ると、ハルバードに手を当てた。


「俺には魔力はないが、使えるのか?」ロドルフが問う。 「魔道具化すれば大丈夫なんだけど……うーん、僕一人じゃ難しいかな」 試しに魔力を放出させたアルヴィンが首を振る。「エルフの魔力と、この無骨な鉄の相性が最悪なんだ。僕の魔力を弾いてしまう」


残念そうな顔をするロドルフを尻目に、アルヴィンはルピーネを振り返った。 「でも、一つだけ方法があるかも」 アルヴィンは期待に満ちた目で、ルピーネの方をまっすぐ見て言った。 「ねえ、ルーちゃん。ちょっとこっちに来てくれない?」


「えっ……!?」 ルピーネは心臓が跳ね上がるのを感じた。 村の幼なじみでも、自分のことをあだ名で呼ぶ者などいない。ましてや、知り合って日も浅いの絶世の美形エルフに、そんな愛称で呼ばれるなんて。 (ルーちゃん……? 私のこと? な、何、急に……!) 顔がカッと熱くなり、戸惑いながら一歩前に出ようとした、その時。

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