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ぼっちの学校〜ここから変わる日常の日々〜  作者: 水銀
「第一学章・入学編」
6/9

寮と明日と

「ふぅ〜危なかった〜〜」


一名(ひとな)は扉に背をつけ崩れる、疲れによるものと、ある種の達成感で、体の原動力が止まり、休憩に入った、それもそのはず、突然現れた30分のタイムリミットを守るために全力疾走と超高速で思考を巡らせたため、寝て回復していた体力も再び0に近いところまでに戻った、それでもなんとか寮に、自分の新しい部屋に入ることができた。


「じゃあ荷解きしないとなぁ〜考えたくもないけど⋯⋯」


目の前にある複数の段ボール小山、その横にはおそらく父達が運んでくれたであろう教科書の壁。


「いや、いいや荷解きは後にして初の内見をしとこう、見てからの方がモチベは湧くかも知んないし⋯⋯知らんけど⋯⋯」


知らないことを知りに行くとしよう。小山と壁をなんとか越え、おそらく部屋で一番広いであろう空間に出る。そこには本棚、机、椅子など自分の家から持ってきてない家具が並んでいた。


「初期設備ってこれかぁ何でテレビもあるし、しかも結構いいやつじゃない?流石に最新ではないみたいだけど⋯⋯いやそれでもこえーよ⋯⋯」


これが全部屋に備わってんの?この寮確か男女それぞれんも棟で数百部屋あるって言ってなかったけ?


「うん、深く考えずラッキーとでも思っておこう、元々一部屋2人想定なんだっけ?見た感じ1人用感がすごいけど⋯⋯わざわざレイアウト変更したのかな?」


一名のいう通りこの部屋、というより寮は2人で一部屋を想定して作られている、でも予想以上に人数が少なかったため2階のこのエリアを全て1人部屋に改造しているのだ、一名たちがこれを知るのは約一年後のお話になる。


「他の部屋も見てみよう!」


部屋のお話は一旦カーット!簡単にどんな部屋だけがあったかいうと、まず入ってきてすぐ右手の扉はお風呂、その一つ奥はトイレでそこから奥に進とダイニングキッチンとリビングが広がっていて、リビングを奥に進んだところの扉を抜けると寝室になっている。リビングには先ほどもいった通り机や椅子、本棚など。寝室にも机、椅子、本棚がありソ連加えてベットが一つ、それから窓の逆側にそこそこ大き収納スペースがある。キッチンはIHそこそこ高いやつ、他風呂、トイレも綺麗なものばかりで⋯⋯これあとで請求されないよね?と慄くぐらいにはとてもいい環境が揃った一室。


「これ高級ホテルぐらいの内装なんだけど⋯⋯行ったこと無いから知らないけどさぁ、いやほんとその辺のホラーよりタチの悪いホラーだよ⋯⋯」


部屋がホラーなんて感情初めて出てきたわ。今日からここで暮らすのかぁ、深く考えず、やった〜、とだけ思っとこ。


「さてと荷解き荷解き、本も70冊ぐらいあるからなぁ、教科書はそこの深めのスペースの方に入れるとして、漫画とかは寝室の方の本棚に入れてぇ⋯⋯あぁこれどうしようかなぁ」


それは、VR機器、それもフルダイブ式の、名前は神秘の(アルカナ・)箱庭(ホルトゥス)だったけ?う〜ん長い、ややこい。ベットの上で使うことが多いからなぁ⋯⋯だったらこれも寝室でぇぇか、ソフトがないのが楽な点だよね。


「他のテレビゲームとかはここでいいとしてぇ⋯⋯あとは適当に並べてけばいいか、最悪あとから片せばいいし」


その後は、服とか小物とかを適当にしまっていって、荷解きに一旦の区切りがついた。約3時間かかったけど⋯⋯。


「お腹減りし、1階に食堂あるんだっけ?今8時だしちょうどいいぐらいの時間かな?それじゃあ食堂に———」


———プルルルッ、プルルルッ。食堂に行くために扉を開けようとした時ポケットの入れていたスマホが鳴る。


「アラーム設定なんてしてないし、電話だよなぁ?誰だ?」


スマホをポケットから取り出し確認する。そこには、お父さん、という文字が書かれていた。


「なんだ、お父さんかぁ、そういえば連絡してなかったなぁ、色々聞きたいこともあるし」


電話に出る。


「もしもし、お父さん?」


「おぉ、一名流石に起きてたか」


「流石にね、へへ」


苦笑まじりの会話から始まる、おそらくしばらくなくなるであろう親子の会話。まぁどっちかが電話をかければいいんだけどね。


「そういえば、教科書運んでくれてのお父さん?」


「あぁ、なんとか寮に入れてもらって、部屋に置いといたよ」


「そっかぁ、ありがとう!」


「おう!それでだな、まぁなんだ明日からやってけそうか?」


「まぁ、まだわかんないってのが本音ではあるけど⋯⋯それでも頑張るよ、僕が選択した訳だしね」


「そうか、じゃあ頑張れよ!⋯⋯一名、お前が頑張り続ける限り俺たちは心からお前を応援してるからな!」


「あいよ〜、お父さんも頑張ってねぇ〜」


電話を切る、5分にも満たない短い会話。でもそれだけの時間があれば僕たちは互いを確認することができる。


「頑張ってる限りは応援し続けてくれるかぁ———」


これは頑張らないと応援してくれないという意味に聞こえるだろうが、それは違うと思う。頑張るのは生きるの平行線であり常にし続けることだから、この言葉は応援してくれる人が最低でも2人はいてくれるということだと思う。知らんけど。


「なら僕も頑張らないとなぁ〜!友達を作るっていう夢もあることだし!まずは明日から!⋯⋯となればまずは腹ごしらえだ、腹が減っては頑張ることもできないからね!」


扉を開けて、外に出る、すでに周りはすっかり夜になっている。くっらぁ、よかったぁ寮に入ってて、灯りがちゃんとあるってのはいいことだぁ。IDで部屋の鍵を閉めて下に降りるエレベーターに乗る。便利だなぁ、やっぱホラーだわこの寮、高級ホテル=高層マンション=この寮、って言われても違和感ないよ⋯⋯。

1階のエントランス?に着く、エレベータから出て左側には先生たちの部屋が、右側には目的地の食堂が。


「さっさと行こう、3時間前とはいえ少し恥ずかしい⋯⋯」


疲れてヘトヘトになった状態で本登録したからなぁ、恥ずかし、今日めっちゃ恥ずかしいって思ってるな⋯⋯。そそくさと食堂に入る、そこに広がる景色はレストランと同等のもの。


「やっぱホラーだわ、この寮全部⋯⋯」


装飾兼備な椅子と机が美しく並んだ空間。怖い。


「普通を知らないからどうこういえないけど私立ってこんななの?高校わからん、まぁ慣れるしかないか⋯⋯、ご飯頼も」


食券機みたいなのもあるしこれかな?えぇっと〜、食べたい料理選んでぇ、バーコードをスキャンして、出てきた食券を厨房の人に渡す。しばし待機。それで呼び出しベルが鳴ったら料理を受け取る。なるほどパターン化できそうだ。


「では、いただきます!!」


1人しかいない空間でぼっち飯。よしいつも通りだな!でも意外とみんないないんだなぁ、驚きだ〜、うん寝たけど眠くなってきた、早く食べて寝るとしよう。丁寧にご飯を胃袋にかき込む。そして食器を下げて部屋に戻って風呂に入って、歯磨きしてベットに飛び込む!!まじでパターン化できるな⋯⋯。


「さて、明日から学校生活スタート、とはいえ自由行動だから、家でゆっくりもできるみたいだけど⋯⋯とはいえ行かないと分かってないことが多いからね⋯⋯ちゃんと行って、しっかりみて回らないと⋯⋯」


うとうと、と目が次第に閉じていく、明日頑張るという思いを持って少年は眠る。

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