史然高校について
「お母さ〜ん合格だった〜!!」
2階から目薬ならぬ2階から合格発表、いや思うように行かないわけでわないからね!ちゃんと合格したからね!ドヤァ!!と1人で何やってるんだか。
「よかったわねぇ一名!進路が決まらなかった時は心配したけど、合格したなら本当によかったわ!!」
「その節は本当にご迷惑をおかけしました」
「ふふ、で他に何か来てないの?」
「あぁ学校から説明会のご案内だって〜、確か3月15日だからあれ?意外とすぐ行くことになるのか?とにかく今プリント持って行くね〜!!」
木製の階段を飛ばし飛ばしに降りる。いや〜昔はここの階段怖かったな〜、だって段差のところに隙間があるんだよ!!そら怖いよ!!オシャレと安全性(怖いだけ)を天秤にかけないで欲しいな〜、安全性が何よりも大事でしょ!!とか考えてる間に地上、1階にたどり着く。
「はい、これプリント!」
数枚が重なったプリント群を渡す。
「それじゃあ、今から確認するから一名はその間そうねぇ、庭の植物に水でもあげてきてくれないかしら」
「は〜い、いつも通りでいいの?」
「そうねぇ⋯⋯じゃあ花にだけ液体肥料あげてくれる?」
「りょ〜かい!」
母のお願いに従い、我が家の中庭、近所の人から何て言われてるんだけ?華の庭だっけ?華の庭、母の趣味により集められた世界中の花々から木々、草に至るまで200を超える植物が取り揃えられた中庭。敷地面積の9分の1だがその中にこれだけの植物を揃えたのは狂気の次元だと思う。すんごく思う。でも好きなことは集めるのもやるのも楽しいから仕方ないよね、うんうん!
「じゃあ花以外に水やりして花には液体肥料あげますか!いや〜でも会社の中でも結構な地位にいるんじゃなかったけ?それでこれはもう畏怖と敬意が混同して何がなんやら」
それはさておき水やりと肥料やりも完了!じゃ少しベンチで休憩!
中庭に設置された3人は座れるベンチ。昔はよく3人でここでお昼食べたっけ?今は僕も学校、父は社長してるから忙しくて、一緒にお昼食べるのもなかなか少なくなったからなぁ、いやそれでも月に2回は一緒に食べてるんだけども⋯⋯。
「でもここからの景色は綺麗だな〜」
様々な花が木が草がそれぞれの色を出し輝きを放つこのライバルたちの共生空間、だからこそ美しさを感じるのかもしれない。
「一名!プリントの内容共有したいから来てー!」
「は〜い!」
さて今は目の前の入学に向けた諸々をこなさないとね!
そして3月15日。
「こちらが私立史然高校になります!」
「一名が言ってた通り綺麗な見た目ねぇ」
「だよね〜、じゃあ入ろうか!早く入っておいて損はないし」
そうして入ろうとした時。「あら!桂さん!!」と後ろから声をかけられる。
振り抜くとそこには2人の女性、1人は制服を着ていることから合格者、つまりあの中の1人ということ、んでもう1人はおそらく親、声をかけてきたのもこの人だろう。
「あら清水さん!お久しぶりです!」
「桂さんもお久しぶりです!この前はお世話になりました!」
何やら僕たち子供には関係ない大人の話、商談?の時のことを話してるようだ。
でここでもう10分くらい話し込んでる、大人って一つの話題から枝分かれするように話題を広げていくから永遠に話続けるからなぁ〜、それだけ情報に触れてるってことなんだけど、早くきたとはいえこのままじゃ間に合わないきも⋯⋯。
とそこで清水・母さんの娘と思われる少女と目が合う。が目があったと思ったが、いや確実にあったのだが音速を超えるレベルの目の逸らし方。うむ、名前はわからないけど仕方ないここは僕が止めるかぁ〜。
「お母さん、話してるところ悪いけどそろそろ行かないと遅刻しちゃうよ?」
「あら、もうそんなに話ての?」
「うん約十分」
「そんなに?では清水さん話はまた後日にしましょう今は説明会に」
「そうね、じゃあ行きましょう心」
名前判明。だからなんだという話ではあるが、未来の同級生の名前は覚えておくのが僕の流儀、というかそれぐらいしかできることがなかったというか⋯⋯くっ、これ以上自分の傷を抉るのはやめておこう。さておき話が終わり説明会の会場の教室に到着した。
教室にはおそらく18組、僕たちの2組を合わせて合計20組、すげぇあそこにいた全員受かったてことか、まじか〜あの言っちゃ悪いが異様な問題を切り抜けた精鋭かぁ。
とか言ってるうちに教師きちゃった!早く座ろう。
「皆様本日は史然高校にまでお越しいただきありがとうございます、本日は遅れましたが本校のシステムやスケジュールなどをお話しさせていただきます、司会は関明が務めさせていただきます、では初めに本校の学習スケジュールについてお話しさせていただきます」
スケジュールかぁ何で一番大事だよなぁ、おっスライドが映った。
「ではまず1学期の授業、行事についてですが、1学期には校外学習と学力調査テスト、続いて5月は中間考査、飛ばして7月に期末考査これで1学期の行事は終了、夏休みになります、授業は他校と同じでお手元にあります、資料をご確認ください」
手元の資料、これだよな?尋常じゃない分厚さしてるんだが⋯⋯しかも保護者用と生徒用それぞれでこれ?どんだけ説明することがあるんだよ⋯⋯。今まで情報0だからこれ見ただけで胃もたれしそうだよ⋯⋯。
「では、続きまして⋯⋯」
そこからは、特段学校生活に関係ない話が続いた、教科書販売とか、制服についてとか、学習用端末?っていうのについてとか、主に保護者が聞くことが多かった。
「続きまして我が校の寮制度についてです」
寮かぁ確かに地図にもあったけどほんとに寮だったのかぁ、詳しいくけいておいたほうがいいかな?関係はありそうだし。
「寮は学校敷地内の最奥に男女別々の2棟で構成されていて、原則として寮に通っていただく形となっております、寮には教員も常駐しており、他にも食堂などもございます、なお本校は卒業までの間食費などはこちらで負担するものとさせていただきます、他にも部屋の基本設備もこちらで取り替えなどをさせていただきますが、各家庭で新しく物を持ち込むことも可能です」
へぇ、なかなか太っ腹な、寮がどんなのか見てないけどそれでもだいぶすごいなぁ。
「ただし洗濯や部屋での料理をされる場合などは自己負担となっておりますので、そこはご家族とご相談の上決めてください、では続きまして⋯⋯」
その後はまた関係なくもないけどそこまで重要でもない話が続いてついに?やっと?説明会が終わった、約1時間強ぐらいのそこそこ長めだったけども見合う量の情報だった。
「じゃあ帰ろっかお母さん」
「そうね、清水さんにご挨拶だけして帰りましょうか」
言った通り清水さんに挨拶プラス少しの会話をしてから家に帰った、会話中も清水心さんと会話をすることはなかったが。帰り道お母さんが清水さんについて話してくれた、話しを聞いた時は驚いたけど、何せ世界ゲーム機器の新規新鋭である清水ソーシャルネットワークを経営する一家らしい、15年近く前に複数社によるハードウェア開発に成功して、旧来のものとは違うリアルに近いゲーム体験ができるようになったのも、僕がゲームにハマるきっかけになったゲームも開発は清水ソーシャルネットワーク発のものなのだから。
でだ、学校説明会も終わったわけだが、入学式は4月1日つまりもう時間がない!!てーわけで制服の採寸や諸々の購入、寮に向けた準備など慌ただしい日々を過ごすのだった。




