3話 笑顔の理由
今回は早く書けたのでよかったです!次も頑張ります!
(くそ!前の二人気づいてねぇ!)
前の二人は、近づいてくるトラックに気づいていない。そして他の人もいないから、今二人を助けれるのは俺だけだ。
「逃げろ!」
と俺はいい二人を前に押した。押して数秒たったときには、もうトラックが俺の左腕と左足にはあたっていた。
人の出せないような音がなり、強い衝撃が俺の中を走る。説明できないぐらいにはめちゃくちゃ痛い。そして俺は宙を舞った。
(俺死ぬのか......?死にたくねぇよ......誰か、助けてくれよ......)
と思ってるとき、視界が暗転した。
白と黒が混ざった異質な世界。目の前には今日あった綺麗な女性がいた。
「こんにちは、また会いましたねマスター。とりあえず座って話しましょう」
と女性が言った瞬間、テーブルと椅子が現れる。もう俺の頭の中はパニックだ。トラックに絶賛轢かれてるし、マスターと俺のこと呼ぶし、走馬灯としては何か違うし。だから今の状況を整理するため、目の前の女性に問いただした。
「なぁ、率直に聞く。あなたはなんなんだ?そして悪い。俺は少しパニックになるとタメ口になるんだ、許してくれ」
「全然いいですよ、マスター。これからもタメ口で構いませんよ。私はシステムで名前はありません。そしてこの世界は、マスターと私のユニークスキル、"変化と不変"の世界ですね」
ユニークスキル?確かにユニークスキルはあるが、文字化けしていた。更にシステム?名前もない?本当にややこしい。
「あんたのことは、少しわかった。そして名前があったほうがいいから、仮でシステムと呼ぶ。そして"変化と不変"のことを全部聞きたい。あとこれからについても......」
"変化と不変"については色々わかった。スキルの中にも能力があるらしい。俺のスキルに能力が3つあるらしい。
"変化と不変"
〜能力〜
•システム:管理者。最適解を導き出したり、シンクロして力を引き出す。
•変化と不変:イメージをすることで変化や不変を生み出す。
ということらしい。頭を使わないと最大限引き出せなさそうなものしかない。でもシステムは俺が思うだけで行動してくれるからありがたい。
そして、これからなのだが......
「とりあえず、今の現状は俺がトラックに轢かれて、宙を舞っている状態だ。システム、これからどうすればいい?」
「そうですね。マスターの左腕と左足は、今壊死しています。これは、正直今直せません。なので......」
とやばいことを提案してきた。システムのことを疑ってるわけでもないんだがあまりにもヤバすぎる。俺にそんなことできるのか?周りを巻き込まないか?と思ってもやるしかない。だってシステムは最適解を提案してくれるんだから......
システムの案を承認するとまた世界が暗転する。そして俺は、宙を待っている状態。でもなぜか世界がゆっくりと過ぎていく。そして力も湧いてくる。今ならいけそうだ......
《スキル:システムとのシンクロを発動。シンクロ率10%》
その瞬間、左腕と左足から水が吹き出した。吹き出した水は俺を包み、周りが水蒸気爆発した。
そうシステムの最適解というのが、左腕と左足を更にぶっ壊して自分を守り、トラックが止まるように大規模魔法を使うということだ。
(うっ......くそ......)
それでも初めてシンクロを使ったため、自分の体に反動が来る。それでも俺は、やらなくちゃいけないことがある。
そして二人に俺は、"笑顔"で言う。
「お前ら大丈夫か......?」
と......
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お兄ちゃんは頭から血が流れ、腕や足は曲がらない方向に曲がっている。それでもお兄ちゃんは笑って大丈夫か?と私達の心配をしてくれた。いつもそうだ。
私達兄妹は5歳のときに親が亡くなった。それからお兄ちゃんは心配させないよう笑うようになった。お兄ちゃんが怪我をしても、辛いことがあってもずっと笑う。だから私はお兄ちゃんが心配しないように勉強やスポーツなど色々頑張ってきた。
お兄ちゃんはバイト3つも掛け持ちし、朝帰りは当たり前のようになっていた。学校で眠るのもバイトで他の人に迷惑をかけないため。
だから、お兄ちゃん。もう私は大丈夫だから、辛いときは泣いて、楽しいときには笑おう。私はそう伝えたかった......
「大丈夫だよ。私も愛も。だからお兄ちゃん無理しないで......」
「そうか、よかった......」
その瞬間お兄ちゃんは、倒れてしまった。私は号泣してしまった。なぜならお兄ちゃんが今にも死にそうな笑顔をしているのだから......