2話 落ちこぼれ
遅くなってすみません...頑張ってペースあげます!
自分でもなんで"また会えますか?"なんて聞いたのかわからなかった。多分綺麗な女性になにかを感じたからだと思う。
綺麗な女性が去ったあと、俺たちはこれからどうするかをまとめた。今の情報をまとめようや、ランク表示をしたほうがいいなどの意見が出たわけなんだが、正直俺的にはなんでもよかった。
少し話し合った結果、ランク表示することになった。そうと決まれば冒険者ギルドへ行こうと思っていたんだが、雪が心配そうに俺に
「お兄ちゃん大丈夫かな。これからどうなっちゃうのかな......」
と言ってきたので俺は"いつも通りの笑顔"で
「大丈夫だ。俺がついている。なにか心配なことがあったらいつでも俺に言えよ。俺が雪の力になってやる」
と心配そうな雪を励ますのだった......
歩いて数十分、街の中にポツンとあった冒険者ギルドについた。なんていうか、うん。
(漫画やアニメの見たまんまだなこりゃ)
とか思いながら俺たちは冒険者ギルドに入ったのだが、中にいた冒険者がかっこいい武器やクールな服を着ていて俺は目を見張った。マントやパーカー、黒くて厨ニ心をくすぐらせるような剣。正直俺の好みだ。
「あんたあんな厨ニ病みたいな剣好きなんだ。所詮男の子ね」
「お前みたいな堅物女子にはわからねぇよ。このかっこよさは」
と愛と相づちを叩いているうちに雪達は、手続きを進めようとしていたので後ろから二人とも何もなかったように入ったのだった。
ランク表示の手続きは簡単なもので、サインするのとランク表示させるアクセサリーを選んで設定するだけ。
(めっちゃ楽じゃん)
-数分後-
みんながサインし終わったので、アクセサリー選びに入った。アクセサリーの種類もいっぱいあって、ネックレスや指輪、服などがあった。その中でも俺の好みだったマフラーを選ぶことにした。雪はネックレス、愛はリストバンドを選んでいた。
元々二人とも可愛いんだが、アクセサリーつけた二人はもっと可愛い。まぁそんなこと面と向かって言えるわけないんだがな......
俺はマフラーを選んだのだが、選んだだけでは表示できないらしい。タッチパネルで設定をしないと行けないみたいだ。
(うーん、やり方がよくわからないがこれか?)
タッチパネルで選んだ瞬間、マフラーの色が全身白になった。本当よくわからないのだが、クラスメイトのアクセサリーも色が変わっていた。
しかも、この色自分で選べるらしい。色で自分の個性がわかるのはとてもいいと思う。俺はオリジナリティを出すため白色にしたのだが、勝手に右側の端が赤黒色の稲妻みたいな模様がついた
(何か知らないけどかっこいいな......)
と思っていたら、設定が完了したみたいだ。
これが最終工程でランク表示させるには、"ステータスオープン"といえばいいらしい。
「ステータスオープン!」
といった瞬間、ステータスと書かれた物がでてきた。本当に心臓に悪いのでやめてほしい。
〜ステータス一覧〜
名前:田中たかし
種族:人間 年齢:18歳Lv 1 ランク:F
ユニークスキル:螟牙喧縺ィ荳榊
スキル:なし
武器:装備なし
「ラ、ランクF!?!?!?」
と驚く俺。
異世界系でステータスがチート級なのはお約束じゃないのかよ......
調べた結果、ランクFは最低ランクのようで、ゲームで言うスライムぐらい弱いらしい。スライムといえば最序盤で初心者でも倒せるぐらい弱いモンスターで有名だ。俺はそんな最悪のランクを引いてしまったらしい。
他には何かスキルが文字化けしているぐらいだ。これでスキルも無しだったら俺は自分を恨むところだった。
他のクラスメイトたちは、ランクCやランクDなどの結構高いランクだった。正直めちゃくちゃ羨ましい。
雪や愛は......
「私、ランクSみたいお兄ちゃん。これってすごいのかな?」
「私はランクAだったわ。あなたはどうだったの?」
と不思議そうに俺に言ってくる二人。元々この二人は頭もいいし運動神経もいいので妥当なのかもしれない。それに比べて俺は、本当に何もできなかった。勉強もさっぱりできなくて、運動もすぐバテる。自分でもわかっていたんだ。俺が"落ちこぼれ"だってことを。
「俺はランクFだったわ。この世界では最弱のランクみたい。お前らはいつもすげぇよ本当に。」
と笑いながら二人を褒めた。愛はふふんと勝ち誇った顔をしていたが、雪はどこか不満気な顔をしていた。
ランク表示し終わる頃にはもう夕方になっていたので、今日は帰ることになった。
愛とは家が隣なので、雪と愛と俺でいっつも帰っている。
帰路についてる時、今更気づいたのだが空飛ぶ車やほうきで移動してる人もいれば前の世界と一緒で普通の車やバイクで移動してる人もいる。
更にエルフや獣人などのゲームででてくる人たちもいた。
今日は本当に色々あった。急に異世界に転移したり、綺麗な女性にあったり、ランク表示したり。
これが夢だと言われても何もおかしくないぐらいには色々あった。
(まじ疲れた......帰って寝よ)
と思った矢先、青信号で横断歩道をわたっていた少し前を歩いている雪と愛にトラックが迫っていた......