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序章 闇色の問いかけ
このようなテイストの小説は初めて書きますが、試行錯誤してラストまで行くつもりです。暫し、お付き合いを。
俺は親父が遊びで犯した女から生まれてきたガキだ
生まれてくる前から、大事にされなかった存在だ
道徳心なんてものは、大事に育てられた奴の専売特許だ
教えられなければ、そんな感性など育たない
独り身で俺を育てた母親が病気で死んだとき
俺は、世の中とか世界とかが、どうでもよくなった
健気な母親が俺の全てだった……
でも、もう此処にはいない……
残ったものは俺という生き物としての個体だけだ
それが、酷く虚しいし
同時に、諦めてた
俺の中には遺伝子が組み込まれている
親父の遺伝子だ
全身の血を全て抜いても断ち切ることの出来ない
闇色のスパイラル――螺旋だ
それらが心と身体を蝕んでいた
毎日のように
俺を―――蝕んでいた