第七話
翌日。ゲームのシナリオを変える第一歩である、両親を救うという1つの峠を越えた私は、今後のプランについて考えていた。まずは、この世界の基本的なことについてノートに書き込んでみた。
1.この世界では魔法が使える。
2.曜日の言い方、月の数え方は日本と一緒である。
3.絶対王政である。
4.厳格な身分制度があり、第一身分が聖職者で人口の約
0.4%、第二身分は貴族で、人口の約2.1%、第三身分が平民。フランスに酷似している。
といったところだろうか。
まぁ、本題はストーリーが始まる前までに出来ることを考える、という話で。
私が死なないために出来ること、それは!
体づくりと、攻略対象になるべく近づかないこと!
なんだけれど。家は公爵家なのだ。家格的にこれから攻略対象たちと接することもあるだろう。それに生憎私はイケメンが好きなのだ。一度でもイケメンと話してしまったらもうそれは、私のタガが外れてしまう瞬間だと考えても十分に過言ではない。瞬時に限界化オタクへと化し、関わらないどころではなくなるかもしれない。ので。
うーん、そうだ!
攻略対象たちが、私に対して悪い感情を抱かないよう努力する!
それに、この世界に来た理由もちゃんと忘れていない。嘘をつかずにひたすら正直に生きれば、きっと私も報われる筈だ。
そんなことを考えながらお気に入りのマカロンを食べていると、開いていた窓から、誰かがひらりと入ってきた。
「よお、お前が階段から落ちたって聞いたから来てやったぜ」
びっくりして窓の方を向くと、ニヤニヤと意地悪そうな顔をしたシルヴァンが立っていた。
シルヴァン·ルキリエ、ルキリエ公爵家の三男で、私の幼馴染でもあり、なんと言っても。
攻略対象の1人である。
いつも読んでくださり、ありがとうございます!