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深夜の短編集

神経質になってしまう夜の夢想

作者: yu

生きることに恐怖を感じるときがたまにある。


大人になって、働いて、食事をして、眠りにつく。そんな生活。当たり前の、よくある生活。

それをきちんとこなせるのかどうか不安になってしまう。


なるようにしかならないだろうという楽観的な未来予測を立てるときもあるけど、やっぱり不安になってしまう。


この左の手首を裂いてしまえば良いのかもしれない。

この青白い首筋を吊るしてしまえばいいのかもしれない。

そうすれば次のことなんて考えないで済む。きっと楽だ。


でも楽だろうけど楽しくはないんだろうなあ。楽しくないのは嫌だなあ。


なんとなく気だるくて、現実から離れたくなる夜。でも、生きていかないといけない気がする。

終わらせてしまえば終わってしまうけど、終わらせてしまったらもう続きを選べなくて、明日を知ることもできなくて、何も無くなってしまう。

せっかくここまでどうにか繋いできた四半世紀の結果を出す前に終わらせてしまうなんてあまりにももったいないことだ。


とりあえず、こんなことを考えて大層がって有難がるくらいの暇がある人生を喜び、感謝するべきなのだ。


人間、暇があってはいけないのだ。

食料を得ることが簡単なこの生活だからこんな無駄なことを考えて、時間を浪費して、無駄に人生を終わらせたくなるなど、くだらない。


こんな文章を書くくらいの能力があり、こんな文章を読むくらいの能力もある。それに応じた時間もある。これ以上の贅沢がどこにあるというのだ。

ああ、くだらなさに腹が立つ。腹が立つから眠ってしまおう。そうして明日になればどうせ忘れているのだ。明日には明日の己がある。そうして日々を転がって行くこと以外に人のすることなど無いのだ。大層な思想に溺れてしまうような重たい頭はどこかに蹴飛ばしてしまえ。楽に人生を転がっていけ。

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