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第4話  へー、勇者様、ね。

 「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、………」

俺は呼吸を荒くした。


ようやく人のいるところに着いたが、もともと体力のない俺はひいひいである。


 砂のたくさんついた服を着ている俺をチラチラ見て、驚いている人が多い。


 すると。


 「号外、号外だよっ!何年もの間攻略者がいなかったダンジョンが、今日攻略されたって!」

途端、ワッと人が集まる。


ばらまかれて落ちたうちの一枚を拾い、読む。


『全く攻略者が出なかったため、ここ数年は誰一人として挑戦してこなかったダンジョンが、今日攻略。

 誰がやったかはまだわかっていないが、相当の強者たちだとされる。場所は元炭鉱である。今は砂となって崩れ去っている。』

その一文がとかく目についた。


元、炭鉱………?

えーっと、俺がさっきいたところも、炭鉱みたいだった、けど、でも、違うよ、な?


 すると。


 「号外、号外だよっ!勇者召喚の儀が失敗したんだってさ!王宮に勇者が現れなかったらしいよ!」

そう叫ぶ少年にも、たくさんの人が集まった。


その中で、こんな憶測を聞いた。


「ねぇ、このダンジョンをクリアしたのって、その勇者じゃないの?」

「あぁ、何かの影響で、ダンジョンに飛ばされちゃった、ってことかしら?」

俺はその場から逃げた。


 俺は明らかにこの世界の住人じゃない。

()()()()()、勇者だなんて思われたくないのだ。


 とあるボロ屋の壁に体をもたせかけるようにして座る。

どうしよう、どこか宿に泊まろうにも、俺は日本の金しか持ってない。


けど、絶対この世界に流通している貨幣は日本のものじゃない!!


 よって、俺はとりあえず今日は野宿………

最悪だわ。


 一人項垂れる。


 「あの………」

遠慮がちに声をかけられた。


顔を上げると、ベージュですその長いワンピースに、お腹のあたりがあみあみになっている服を着た女の人が立っていた。


綺麗な金髪。外国人みたいだ。


「泊まるところがないの?」

「えー、あ、はい。」


俺、なんで言語理解できてるんだろう。

だって絶対俺、知らないもん。

わかんないもん。

まずこの国がどこか知らないもん。


「うちでよければ、おとめしましょうか。」

「本当ですかっ!?」

言語のことなんてどうでもよくなる。


 手を貸してもらいながら立ち上がると、お姉さんに聞かれる。


「ボウヤは今いくつなの?」

「ぼう………えっと、俺は高二です。」

「高二………?」

「あ、えっと、16です。もうちょっとで17になります。」

「あら、もうそんなに?見えないわ。」

「え………」

子供っぽいと言われているみたいで、ガックリくる。


「なら、生まれた日はいつ?」

「えっと、六月七日です。」

「ロクガツ七日………?」

あ、しまった。

つい日本基準で喋ってしまった!


え、ここではどう答えるのが正解なの!?

ってか、日本語は通じるのに月日は通じないの!?

自動変換じゃないの!?

それとも、もともと意味が違ったらダメなの!?


 一人脳内でぐるぐる考えていると、

「えっと、じゃあ、最初の月からいくつ?」

「あ、1、2、………6つです。」

「それならえっと、ヒノツキだね。」

「ヒノツキ。」

いつだ、それ。


「もしかして、わからない?」

「あ、えっと………はい。」

お姉さんはしゃがみこむと、地面に木で書き始めた。


 うねうねした、変な形の文字。


でも、意味だけははっきり。


 『火の月』

 『水の月』

 『木の月』

 『金の月』

 『土の月』

 『日の月』

最後の、『火の月』って、ほの月って読むんだ、カッケーとか思ったけど。


 「この世界には6つの月があるの。それで一年が回るの。この月の名前は全部神様のお名前に関係しているのよ。神様は7柱いらっしゃるんだけれど、月の神様はすべてを後ろで支えてくださっているから、全部、〇〇の月、ってなってるの。」

「へぇ。ご親切にありがとうございます。」

「君、本当に何も知らないのね!ここでは常識よ。どこから来たの?」

「えーっと………はは。」

と笑ってごまかす。


 ()()()()()、勇者だなんて思われては困るからね。


 「さ、ここがわたしのお家。入って。」

言われて入る。


 「わぁ!」

まさに西洋の家である。


「すごく素敵なおうちですね。」

「あら、嬉しい。」

お姉さんはにっこり微笑むと、


「ここはね、わたし一人しか住んでないのに、とても大きいから、人に貸したりしてるの。けれど、今は借りている人もいないから、どこでも好きな部屋を使って。」

「ありがとうございます。」

好きな部屋を、と言われても困るので、一番人目につかなそうな部屋に入ることにした。


 服まで貸していただく。


 白いシャツに、ベージュのベスト、白いズボンという、まさに、”異世界転生者”!!みたいな格好である。


 今まで着ていた服はベッドの下の籠の中に入れてある。


 ベッドの上に座ると、考える。

ここは、絶対に日本じゃない世界。


 バイトとか探すのは確実に苦労するから、何でも屋みたいに、お手伝いとかしようかな。

とりあえず、今日はここで過ごさせてもらって、あしたから、だな。


 ………にしても。

なんで、あの時炎が出たんだろう。

 読んでくださってありがとうございます。

みなさん、乾燥で指われたことあります?

この間、それになって、めっちゃくちゃ痛いし、治らないし、指に力入らないわで、めっちゃ大変やったんですけど。


ちゃんとハンドクリームとか塗ってたんですけどね………

まだまだ俺の住んでいる地域は寒いんですが、体調崩さず頑張ります。


それでは、次の話でお会いしましょーう。

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