第39話 神様の世界再び
宮殿に帰り、寝ぼけ眼状態で車から降りた俺だったが、
「ナオさん、ぐっすり眠っていらっしゃいましたね。僕に頭を任せていただけて嬉しかったです。」
とのリオさんの一言ですっかり目が覚めた。
すみませんすみませんすみませんと頭を下げまくったが、リオさんは全く気にしていないようだった。
むしろ、『これからもどんどん頼っていいんですからね。家族ですから。』と言われてしまった。
家族………ふうん。
バックを持って自分の部屋へ戻り、当然のようにソファに倒れこむ。
あーダメダもう動けん。
てか動く気しない。
めんどくせぇわ。
なんかもう、何をするのも面倒になってきた。
濃すぎる1日だったんだもん………
なんか、俺が前行ってた学校もかなりハードスケジュールではあったんだけど、こっちはそれどころじゃなかった。
いくら時間に余裕があろうと、体力+魔力をずっっっっっと使用し続けるようなスケジュールは、結構きつかった。
神様たちのおかげで魔力がカンストしてるといえど、まだ魔力の使い方には慣れていないのだから。
少なすぎたりしないように、少し多めに出そうとしたら、出しすぎちゃってぶっ倒れたりもした。
それもあって、リオさんの方に頭を乗せて寝てしまったのだ………一生の不覚である。
でもほんと、すっごく眠かったんだ!!!
日本にいた時とは比べ物にならない。あの時も結構疲れた日はあったけれど、体から少し力を抜いただけで寝てしまうなんてことはなかった。
………これから毎日こうなのか………
でも、しばらくしたらなれるよな!よし、大丈夫!寝よう!
先リオさんの肩の上で爆睡してすぐだというのに、(だからこそ?)まだまだすごく眠たくて、でも風呂にも入らずにベッドに登るなんてことはできなかったから、カーペットの上のめっっっちゃデカいクッションに大の字になり、近くにあった抱き枕くらいの大きさのクッションを足で挟んで抱きかかえるようにして眠ることにした。
*
んっ………
眩しくて目を開けた。
なんだ?寝る前にあかりは消したのに。もしかして、だれかが夕飯の時間だって呼びに来てくれたのかな?
そう思いながら起き上がると、あ。と気づく。
「ここ、ミーナスさんたちと前あったところと同j ………」
「あーーーーーーーーーーっ!!!!!!!」
呟き終わる前に、ものすごい高くて大きな声が耳を突き刺すように通り抜けた。
声だけでわかる。
「こんにちは、リーツァさん。」
「こんにちは、ナオくん!元気にしてた?でも、この間あったばっかりだよね〜!だからあんまり変わんないかぁ〜!」
一体、僕はどういう原理でここに来てんだろ。
いや、原理じゃなくて、えっと………方法?理由?
だって寝てる時に必ずここに来るわけじゃないもん。
なんでだろ。
「でもどうして来たの?なんか変わったことあったの?あたしたちは呼んでないけど〜?」
首を傾げながら俺の目をじっと覗くリーツァさん。
「えっと、自分でもよくわかんない、んです、けど。今、えっと、俺、疲れて、寝ちゃって、それで、目を開けたら、ここにいて、だから、わかんないんです、よ。」
頑張ってタメ語で喋ろうと頑張ったのだけど、どうしても敬語が抜けなかった。
「ふうん。そーなんだー!あーでも!今、ここにいるの、あたしとポーチャとジンとヴァーダなだけなんだよね。せっかく来てくれたんだし、呼んで来るね!」
俺が何かいう前に、リーツァさんはあっという間に何処かへ走って行ってしまった。
ほんと、”何処かに”である。
あたり一面真っ白で、全くわけわかんない。
俺はもともとそんなに方向感覚がいいタイプじゃないんだけど、多分ここに住んでたらどこから来たか今からどこへ行くのかわかんなくなりそう。
さすが神様たちだなぁ、ここで迷わないなんて。
しばらくして、リーツァさんが他の神様たちを連れて帰って来た。
「ナオくん!こんにちは。元気にしていたかい?」
「こんにちは、ジンさん。はい、元気です。」
「あらぁ、いらっしゃい。何かお菓子を用意するわね〜。」
「あ、ありがとうございます。」
ここのお菓子はとても美味しいのである。
「毎日すごく心配してたんだぜ!元気そうで嬉しいよ。」
「ポーチャさん、ありがとうございまs 」
「ポーチャ、あんた何言ってんの?絶対あたしの方が心配してたもん。」
「はぁ!?絶対ポーだね!!」
お願いだから喧嘩しないで!俺の胃に穴が開くから!
「あんまり気にしないでいいわぁ。この二人はいつもそうだもの〜。さ、このお菓子たくさん食べていいわよ〜。」
洋菓子がたくさん盛られたかごをヴァーダさんが渡してくれる。
「あのね、実はこれねぇ、ミーナスとジンが買いに行ったのよぉ。ナオくんが、今度来た時に食べれるように、って。ミーナスがいなくて残念だわ〜。いたら、きっと喜んでいたと思うのぉ。きっと美味しい紅茶を淹れてくれたわ〜。私はあんまり得意じゃないのよ、許してもらえるかしら?」
「全然大丈夫です、ありがとうございます。………そういえば、他の神様たちはなんでいないんですか?」
いつの間にか白い空間に出現した大きな机の周りに、喧嘩しているポーチャさんとリーツァさん以外の神様と一緒に座る。
そしていつの間にか出現したクッションに座る。
ふかふかだ。
宮殿のと同じくらい。
ジンさんがお菓子を手にとって一口で頬張ると、俺を見て、
「いろいろ仕事があるんだよ。特にミーナスは実は僕より忙しいんだ。ちょっと変わってやろうか、と言っても、自分でやる、ジンは別の仕事がたくさんあって忙しいだろう、って言われちゃって。でも絶対あいつの方が忙しいよ。今度休ませるためにイベントでも企画しようと思ってるから、その時は是非来てくれ。」
来てくれ、と言われてもどうやってくるかわかんないけど、とりあえず俺は頷いておいた。
「はい、是非。」
行こうと思いながら寝たらなんとかなるでしょ。
俺がしばらくジンさんとヴァーダさんと話していると、リーツァさんとの喧嘩がひと段落したポーチャさんがあぐらをかきながら俺に言った。
(ちなみにリーツァさんはポーチャさんに怒って何処かへ行ってしまった。)
「今日学校だったんだろ?お疲れ様。」
「ありがとうございます。」
「ねぇ、どんなことしたのぉ?教えて欲しいわぁ、気になるの。だって心配なのよ、わたくしたちのせいもあるんだもの〜。」
「いえ、全然そんなことないです!すっごく楽しいですよ!」
「そう?なら良かったわぁ。」
「どうだい、どうだい?いろいろ聞かせてくれよ!」
ジンさんは興味津々である。
俺は少しびっくりしながらも、なんだか親友と会話しているような感じがして舞い上がってしまい、何度も首を縦に振った。
お久しぶりとか言う次元じゃないです、こんばんは。
読んでくださってありがとうございます。
何ヶ月かぶりにこのサイトを開きましたが、作品の下書きを見た途端に書きたい内容が溢れてきたので、これからたくさんストック作って投稿頻度あげられたらなと思います。
他の作品もぼちぼち投稿するとは思いますが多分これが一番更新頻度高いです。
どうぞ読んでいただけたら嬉しいです。
遅れて本当にすみませんでした。
それでは次のお話で、できれば近いうちにお会いしましょう!




