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第29話  朝ごはん。そういえば今日から学校じゃないか。

 ___がらんガランがらんガラン!!___

大きな音が聞こえて、起きざるを得なかった。


睡眠時間が短かったら短かったで眠いけど、長かったら長かったで眠い。


 ………けど。


そういえば今日学校だったねぇ!?


 ドキン、と心臓が跳ねて、起き上がった。

焦りに焦って、一瞬で目がさめる。


ゼェゼェ深呼吸をして、自分のつま先のあたりをじっと見つめた。


「おはようございます、お食事の時間です。………大丈夫ですか?」

あまりに青ざめた顔をしてたのか何とか知らないのだが、エラさんに心配されてしまった。


忘れてしまった方のために言わせてもらうと、エラさんはメイドさんだ。


「お着替えをこちらに準備しました。」

「あぁ、ありがとうございます………」

戸惑いながらふかふかベッドを降りて、着替え(制服)の方に向かって着替えようとしたのだが、エラさんが手を出したので、首を傾げた。


「えっと?」

「お洋服をお預かりします。」

「えっと!?」

「?」

俺の驚きようにエラさんは首をかしげる。ぽかんとして。


「あ、えっと、自分で着替えるんで、大丈夫です。」

「お手伝いしますよ、イヴ様にそのように言われましたので。」

「あ、えっと、俺、前の世界で、自分で着替えてたし、女の人が着替えの時近くにいたことない、ので、恥ずかしいんです、よ。なのでえっと、あの、大丈夫、です。」

恥ずかしながら女性耐性がないのである。


エラさんはキョトンとして、そんで理解できなさそうな顔をしたけれど、頑張って飲み込んでくれたらしく、


「わかりました。外でお待ちしています。食堂まではご案内させていただいてもよろしいですか?」

随分と気を使ってくれたらしい。

別に、案内されるのとか、世話を焼かれるのが嫌だってわけじゃない、し。


ただ単に、自分の貧弱な体とかそういうのを人に(特に女性に)見られたくないだけだから。


「はい、よろしくお願いします。」

エラさんを待たせないために、早急に着替えることにする。


制服の形は日本の学校とあんま変わんないし。

ネクタイを結ぶのにも慣れている。


糊がきいていて、パリッとしているカッターシャツに腕を通し、ボタンを止めて、ネクタイをする。

ズボンにベルトを通し、ポケットになんか入ってるなぁと思って手を突っ込んだらなんかわかんないけどピンクの花が刺繍されたガーゼのハンカチが入っていた。


その途端、俺の頭の中でデータベースが機能した。


このピンクの可愛くて可憐な花はクジャクアスターと言うらしい。夏の花だ。

今の季節的には夏なので、夏の花なのかも。

花言葉は”上機嫌”


 ………改めてすごい機能だ。

ミーナスさん達に感謝しないと。


………いやでも、突然異世界に飛ばされたことのお詫びと思えば妥当?

だよな。


学校のカバンはさっきエラさんが持って行ったらしく、昨日の場所になかった。


部屋の外に出ると、エラさんが扉の脇で待っていた。


「すみません、お待たせしました。」

「いえ。ご案内します。」

言葉だけ聞くとエラさんはすごく冷たい人みたいに感じるんだけど、すっごい優しい微笑みを常に浮かべて対応してくれるので、なんていうか、安心する。


冷たく対応するよりは、受け入れられてるような感じがして、嬉しい、っていうのかな………?

そんな感じ。


 ………うん。

結構食堂までの道は覚えたかも。

”食堂までの道”は。


基本俺が行くのって自分の部屋と、部屋から食堂までと、あと部屋からアダムさんの部屋くらい。

アダムさんの部屋に行けるってことはリオさんの部屋にも一応いける。


でも、セシリアさんとかリアさんとかエシリアさんとかの部屋にはいけない。

リオさんの部屋はアダムさんの部屋と近いから行けるけど。

そんでピアス穴も開けてもらったし。


 そこまでは覚えた。

それ以外はさっぱりだ。

まぁ多分、本当に必要になったら、脳内データベースが教えてくれるだろう。


 そんなことを考えていると、食堂について、エラさんが扉を開けてくれた。

入ると、おなじみの皆さんが。


………次男の方は今日もいない、か。


「どうぞ、ナオさん。」

リオさんがそう言って椅子を引いてくれた。


すみませんすみませんすみませんと心の中で言いながら、小走りでリオさんの隣に座る。


「ナオさん、昨日はお会いできませんでしたけれど、今日からは毎日学園で顔をあわせることになりますわね!教室はきっと違うと思いますけれど………。」

朝から元気である。


「教室が違う、というのは?」

何も知らない俺はセシリアさんに聞いた。


「クラスごとに教室が違うのですわ。ナオさんは勇者でいらっしゃいますからSクラスでしょうけれど、わたくしはBクラスですから。………あぁでも、錬金術とか飛行術の授業でしたら一緒になるかもしれませんわね。ひとクラス15人ほどしかおりませんし、Sクラスは10人ほどしかいらっしゃいませんわ。

クラス分けは、S・A・B・C・Dクラスに分かれておりますの。」


へぇ。


「教えてくださってありがとうございます。」

俺はパンを食べる手を止めて頭を下げた。


「いえいえ、当然のことですわ。」

………そういや脳内データベースに聞けば早かったのでは、ってかんじだけど、セシリアさんと少しコミュニケーションが取れたので、まぁそれはそれでいっか。


アダムさんはセシリアさんと俺を交互に一度ずつ見て、セシリアさんに、


「セシリア、学園のことをいろいろ教えてあげてくれるかい?ナオくんはこの世の全てを知っているけれど、やっぱりわからないことも出てくると思うんだ。学園に慣れるためにも、よろしく頼むよ。」

「はい、お父様。わたくしももっとナオさんとお話ししたいですもの。」

セシリアさんは胸に手を当てて軽く会釈した。


「よろしくお願いします、セシリアさん。」

俺がそう言いながら頭を下げると、セシリアさんは、


「当然ですわ。学園のことについては、わたくしの方が先輩ですもの。」

ちょっと得意げに言うと、彼女は上品にスープを飲んだ。


「セシリアが先輩?きっとナオさんの方がよほどものを知ってると思うけど。」

リアくんがちょっと意地悪そうにセシリアさんに言うと、セシリアさんはほおを膨らませてスプーンを持っていない方の手で拳を作った。


リアさんは、


「わ〜、お姉様、怖い〜。」

と、全く怖いと思っていなそうな口調で、ニヤリと笑って避けるようにしながら食べ物を口に運んだ。


セシリアさんは怒って立ち上がる。


「おやめなさい。」

イヴさんが静かに言った。


セシリアさんもリアさんも止まって、セシリアさんは上品に座り直し、リアさんは立ち上がって避難していたのを席に戻った。


………ひょっとすると、アダムさんよりイヴさんの方が気は強いのかも。


 イヴさんや子供たちをニコニコ笑いながら見ているアダムさんを見て、そんな失礼なことを考えながら、お肉を口に運んだ。

 お久しぶりです!!夜闇です。読んでくださってありがとうございます!

ちょっと今メンタル的には低迷しているのですが、空元気で頑張ってます!

この作品をたくさんの方が読んでくれてるな、ってのがわかったら多分一気に回復します。

小説関連の話なもので。


 みなさんお元気でしたでしょうか。

今日はそこまででしたけど、また明日からは気温が下がるんですかね?天気予報見てないんで知りませんけど。

私はほんのついさっきまでとても元気でした!まぁ眠いのは眠いんですが。


少年陰陽師の方も完成してはいるのでまた近いうちに投稿しますね。


それでは、次の話でお会いしましょう!!

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