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第28話  ピアス穴

 「帰ったら、早速穴を開けて見ましょう。お手伝いしますよ。」

リオさんにそう言われて、ぜひお願いしますと頷いた。


俺は自分では絶対に開けられない。

怖くて、斜めに開けちゃいそうだ。

それはやばい。


イヤーカフなんかもかっこいいし、二つくらい持ってたんだけど、やっぱりピアスはかっこいい。


リオさんは手先も器用そうに見えるし、多分大丈夫だろう。


 アダムさんはその様子をニコニコと笑いながら見て、それから、そわそわし始めた。

俺はちょっと考える。


さっき、街に出てから、まだ一、二時間くらいしか経っていない。

ってことは。


もしかして、まだ遊びたい、とか………。

そういう、感じの?


そう思いながらリオさんの顔を見ると、「まぁたお父様は………」とでも言いたげな顔をしていた。


それから俺の方を向いて、小さな声で、「お願いします。」と言った。

何をお願いされたかわからないほど鈍感ではない。


「あ、アダムさん。」

「なんだい?」

「もーちょっと、見て行ってもいいですか?」

「もちろんだよ。街になれるのは大事なことだからね。」

と言いながら、アダムさんは嬉しそうである。


王様ってたいへんだぁ。



 そのまましばらくアダムさんやリオさんと街をぶらぶら散歩していたら、あっという間に日が沈んでしまって、イヴさんにしこたま怒られた。


でもアダムさんもリオさんも嬉しそうに笑っていたから、まぁいいかな、って気になった。


 イヴさんに叱られた後、俺はそのままリオさんの部屋へ行った。

「できるだけ痛くないようにしますね。」

と彼は言いながら、どこからかピアッサーを取り出してきた。


すご、日本にあるのと同じ型のピアッサーだ!!


安心感がある。

あと、それを持っているのがリオさんだってことも。

リオさん、ちゃんとまっすぐ大丈夫なところに開けてくれるだろう。


 しかし怖いものは怖い。

リオさんは最初横から穴を開けようと横に立っていたのだが、あまりに怖いので前からやってもらって服とかをつかませてもらうことにした。


力を込める場所が欲しい。


___バチンッ………!

って音はしたのだけれど、あんまり痛くなかった。でも血は出ていた。


「しばらくいじっちゃダメですよ、そのままにしてください。消毒はしてありますからね。」

と言われて、俺はお礼を言って自分の部屋に帰った。


なんだか大人になったような気分だった。



 「あぁ〜、疲れた〜〜。」

ずっと歩き回っていたので、もう足がパンパンである。


もうあの、明日筋肉痛は確定だし、だるいし、もう起き上がりたくない。


でもこの後、夜ご飯を食べる時になったら、どうせ立ち上がって食堂まで歩いていかないといけないんだし。


 面倒臭いなぁ。

たまにあるよね、めっちゃ頑張って運動した後って、一回休んじゃうと、なーんにもしたくなくなるんだよね。


俺は頑張って体を起こしつつ、足をマッサージすることにした。

確か、学校って明日からだよな?初日から筋肉痛とかだるすぎだし。

マッサージって意外と大事。


筋肉痛になると、多分、このフカフカベッドから立ち上がることからできない。

絶対そうだから。家の布団からですら立ち上がれなかったんだから!!


まずあぐらをかいてから立ちがることができねーし。

あと歩けねーし。


 いろんな経験のおかげで、マッサージの仕方も完璧なのだ。

とある動画投稿サイトでめっちゃ見まくったからな。


ちょっと押すように手を動かす。

俺の全体重をかけるが、俺は筋肉がつかないタチなので、全然軽い。


やめてもろて〜。


あとはストレッチも大事だよな。


片足を曲げながら、もう片足を伸ばして、動かす。


痛い、けど………明日の筋肉痛をなんとかするためだ!


 しばらくストレッチをすると、俺はそのまま眠ってしまった。


 「失礼します。ナオ様、起きていらっしゃいますか?」

俺は扉の外からの女の人の声で目覚めた。


やべっ………何時間寝ていた?

俺はあくびをしながら、


「ふぁ〜い。起きてます。」

と返事をした。

目をこすりながら扉の方へ向かい、廊下をみると、メイドの、えっと名前は………エマさん。うん。がいた。


「お夕食の時間です。食堂までご案内いたします。」

そう言われて、俺は眠気をこらえながらエマさんと一緒に歩いた。


 食堂に着くと、アダムさんとイヴさんと、あとリオさんとリアさんだけがいた。

「他の皆さんは?」

思わずそう声に出す。


リアさんが説明してくれた。


「エシリアは部屋で学校の宿題を済ませてからくるんだって。セシリアは作り始めたポーチを完成させたいから、夕食は部屋でとるし、それに、リt………」

「リア。そこまでにしなさい。」

リオさんの少し冷たい声に、俺はビクッとする。


アダムさんはリオさんを見て、ごめんね、というような笑い方をした。


「さぁナオさん、こちらへどうぞ。」

リオさんは今度は優しい声で俺を呼んだので、席に座らせてもらうことにした。


俺が座った途端、前菜が運ばれてくる。


めっちゃいい香りがしたので、マナーとかをがん無視して食べようかと思った。


でも流石にそれはできない。

食欲に抗うのも難しいけどマナーを侵すのも嫌だ。


 結局終わりまで俺はちゃーんといい姿勢で、ちゃーんとマナーを守って、リオさんやアダムさんやリアさんとおしゃべりしながら食事を楽しんだ。


デザートのカタラーナアイスブリュレパフェはものすごく美味しかった。

カラメルの焦げ具合と苦味がちょうどよくて、帰りにボソッと、


「どうやったらこのスイーツを作った人に感謝を伝えられるだろうか。」

と言ったら、リアさんに、


「じゃあ一緒に行きますか?」

と言われたのだが、膝に頭を当てるレベルで頭を下げて、「大丈夫です!」と断りました。


まず、厨房まで行く気にもなりません。

いや、面倒とかそういう問題じゃなくて。


言ったらたくさんの人に会うし、その人一人一人への対応を考えるのにアホみたいに頭を回転させないといけないから、めっちゃ疲れるんだよね。

それに、明日に備えてもう寝たいし。


 俺はシャワーを浴びることにした。

お風呂は結構好きなタチだ。



 お風呂から上がると、リラックスしたのと体がポカポカなのがあって、すごく眠気が押し寄せた。

が、しかし、歯磨きをせずに寝るわけにはいかない。

デザートのパフェも、あまりに俺が美味しそうに食べているので、気を利かせたリアくんがおかわりを頼んでくれて、結局二つ食べたのだ。


甘いものをたくさん食べたのだから、歯磨きをしないわけにはいかない。


 俺はうとうとしながらもちゃーんと歯磨きをして、目を薄く開けながらほぼ手探り状態でベッドまで向かい、ちゃんと布団をかぶって眠った。

 読んでくださってありがとうございます。

今回はいつもよりちょっと長めになっています。


実は最近、寝ても寝ても寝足りないんですよね。

なんらかの病気なんじゃないかって友達が心配してくれるんですけど、どうなんでしょう。

眠くて眠くてたまらないんすよねぇ。


今日だって10時半くらいまで寝てましたけどもうすでに眠いですから。


それでは次の話でお会いしましょう。

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