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第24話  アダムさんのお部屋と高価そうなペンダント。

 まず天井が高い。

俺の部屋の1・5倍はある。


奥行きも、部屋の端から端まで走るだけでマラソン大会ができそうだ。


んでなんだこの照明。

シャンデリア?

いや、ハリー・◯ッターみたいに、ぼんやりとした明かりが宙に浮いている。


スゲー!


 感心していると、アダムさんの優しい笑い声が聞こえて、

「そこで立ってないでこちらにお座りよ。そういえば、ナオくんの部屋の照明はこれと一緒じゃないのかい?」

それに頷きながら、アダムさんの前のソファに腰掛ける。


ふかふかすぎて、後ろに思いっきり頭をぶつけたものの、背もたれもふかふかなのでダメージはない。


俺は固まる。固まるって言うか、なんていうか。

息苦しくなる、というか。

だって、よく考えたらここアダムさんの部屋=王様の自室じゃねーか!!


改めて思ったわ。

そういえばこの人王様だった。

いや、もんんのすごく失礼だけど。


でもなんて言うの、あんまり人間が好きじゃない俺がたった1日でこうも心を許して懐きまくっているレベルである。

どんなに素晴らしい人かはお察しというところである。


 それでも、自室というのはやはり緊張する。

何があるというほどでもないけれど。

そこまで信用されてるのかなぁ、って感じ。

嬉しいけど、それでもなんていうか、うん。

緊張してる。


キョロキョロ辺りを見回していると、アダムさんが俺の前に座って、すっっっごく高級なものが入ってそうな紺色の箱を出してきた。


「これは?」

俺が受け取りながら首をかしげると、「とりあえず開けてごらん。」と言われた。


なのでとりあえず開けて見ることにした。


中に入っていたのは、なんていうか、想像通り高級そうな、青や赤の石(宝石)がトップにはめられている金細工のペンダントだった。

細いチェーンで、トップの形が、なんていうか、三つ編みみたいな、縄みたいな模様をしている。

めっちゃオシャレ。


「なんですか、これ。」

そう聞くと、アダムさんはにっこり微笑みながら、


「大事なものだから、肌身離さず持っていてね。これは、君の魔力を制限するためのものだ。もっとも無限にあるから、半分にしたりはできないのだけれどね。ただ、賢者さまレベルの魔力に抑えることはできるので。」

「賢者さまレベルではダメなんじゃないですか?」

「しかし、何もしなかったらしなかったで大変なんだよ。」

「なるほど………。」

100を100のままにするくらいなら80くらいまで抑えたほうがいいだろう、って話か。


「ちなみにこれは、おいくらですか………?」

「ナオくんが払うわけじゃないから、気にしないでね。」

ちょっと押し付けるように言われた。


俺はうなずくことにした。

でもとりあえず、日本の宝石店においてあったら、見せてもらうために個室に案内してもらわないといけないレベル、という感じの品物である。


首にかけると、ずしっと重い。

肌に触れるとひんやりして、気持ちがいい。


見つめながら、指で触る。


「ふふ。気に入ってくれて何よりだよ。デザインにはこだわっているんだ。」

アダムさんは優しい目で俺を見た。


「アダムさんがデザインしたんですか?」

「正確に言うと、私とイヴでね。イヴはこういうのを考えるのがとても得意なんだ。」

イヴさんの話をしながら、アダムさんが得意げである。


愛妻家だなぁ、この人。


「へぇ。」

あ、そうだ。


「この石とかって、ひょっとして魔法石か何かですか?」

「………!えぇ。よく気づいたね。」

「はい。」

脳内データベースにあったので。


「ただ、この石自体に強力な力があるわけじゃなくて、このペンダントにかけられた術の維持を目的としてはめられているんだ。あと、見た目をよくするため。装飾だよ。」

「なるほど。」

深く考えるのは面倒なのでやめることにした。


大丈夫、多分わかってる。


 お礼を言って部屋を出ようとすると、アダムさんが思い出したように俺を呼び止めた。

「そうだ。」

その言葉で俺は扉を閉める手を止めた。


「この宮殿の中は自由に行き来してもらって全然構わないのだけれど、リオの部屋に行く時には注意して行ってね。」

「なんでですか?」

反射で聞き返すと、


「危ないかも、しれない、から。」

と、困ったような笑顔を返された。


俺は黙ることにした。

とりあえず黙ることにした。

細かいことは聞かずに、「リオさんの部屋に行くことはないだろうな」と思っていた。

そんなことできるわけねーじゃん。


 アダムさんから目をそらしつつ頷いて、頭を45度に下げて、部屋を離れた。


 広すぎる廊下の端っこギリギリを歩きながら、使用人の方々と目が合わないようにする。

人と目を合わせてると、その人が俺のことをよく思ってない、って感じの感情が伝わってくるみたいな感じがする。

いや、よく思われてるかよく思われてないかなんていうのはわからないんだけれども。


だから、人と目を合わせて喋るのは苦手なんだ。

なんていうか、さっき言った理由だけじゃなくて、あの、緊張する、っていうか。


なんで緊張するかって言われると答えられないんだけどね。


 俺はそのまま自分の部屋に入り、そろそろ寝ようとしてベッドに向かった。

がしかし。


「これ、どうやって消せばいいんだろ………。」

天井に浮かんでいる明かりの消し方がわからない。


あたふたする。


天井を見上げてぐるぐる回っていたら、微妙に目が回った。


ベッドに倒れこむ。

天蓋がついているので、目を開けたら光が目に飛び込んでいて辛いなんてことはないんだけど、でもやっぱり眩しい。俺は暗い方が寝やすいんだ。


 全くわからないが。

全くわからないものの。


とりあえず天井を見上げながら呟くことにした。


「消えろ。」


しばらく消える気配のなかったあかりではあったが、だんだんと輝きが小さくなって行った。


あーよかった。


 そう思いながら、俺はベッドによじ登って、頭の上まで布団をかぶせた。

 読んでくださってありがとうございます。

前の投稿からはや十二日。

わ〜、時の流れってすごい〜となっています。


最近忙しすぎてパソコン開くこともできませんでした。

なんなら今も忙しいんですけど、でも、そろそろ更新しなきゃなーって思って。

そんでもって書き溜めておかないとなーって。


なんで今日は十一時くらいまでは小説を書こうかな、って思ってます。

そっからはもう、あの、はい。頑張んなきゃいけないことを頑張ります。


それでは、また次の話でお会いしましょう。

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