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第23話  教科への怒り。昔のみんなへの謝罪。

 夕食の後、部屋に帰ろうとする俺を、二人の人物が呼び止めた。

一人は、アダムさん。


「十分後に私の部屋に来てくれ。さっき言っていたものを渡すよ。」

「あぁ、はい。」


もう一人は、リオさんだった。


「いろいろ心配事なりなんなりあると思うけれど、そんな時は僕に相談してください。いつでも解決します。」

ありがたいっちゃありがたいけど、そんなことをできるほど俺の心臓には毛が生えてない。


ありがとうございます、機会があれば行かせていただきます。と言う返事でごまかしました。


 それから一度部屋に帰って、学校に必要なものを一つひとつ見ていくことにした。

さっき言ったほうきは、ほんと、まさに、ホウキ!って感じの見た目をしている。


ちなみに柄の部分はピッカピカでツヤツヤで、一瞬プラスチックかと思ったが、ちゃんと木だった。


教科書とか、開けるのに苦労しそうな感じのベルトとかついてたけど、触ったらすぐにあいた。

なんだ、たいしたことないじゃん。


 でも中に書いてあることはさっぱりだった。

なんか、聞いたことも見たこともない内容がずらずら並んでいる。

そりゃそうだ。


日本での理科とこの世界での理科は、多分根本から違う。

なぜなら日本では魔法は使えないけれど、この世界では魔法が使えるからである。


そう、この時点でレベチなのである。


さらに数学も、やっていることは同じだけれど、書かなければいけない言語がちょっと違うだけで難しくなる。

俺は日本では数学も理科も得意だったけれど、この世界ではそうも行かない。


さらに!!!!


俺はもともと、日本語で書かれていた国語でさえできないのに、この世界での国語とか無理に決まっている。


絶対に無理だ、断言してもいい。

芥川龍之介も夏目漱石もわからなかった俺に、この世界の文学者がわかるわけがない。


 誰か助けてくれ。

数学は計算だ、なんとかなるかも。

理科だって、全知全能だからなんとかなる、はず。

言語はほら、全知全能だし?神様のおかげで。

国語は………はは。

あ。


体育。体育。

体育はできないのだが。


さっき見たように、俺の体力は多分そこら辺の赤ん坊よりない。


いつも、体育の授業はどうにかこうにかサボっていた。

5周走るところを3周にしたり、集団でやる競技は端の方に立ってればいい。


特に、俺が紛れていた陽キャたちはそんなことをしがちなのだ。

だからどうにかごまかせていた。


が。

この世界の体育は、もう一度言うが、魔法が使えるのだ!!


何するかはさっぱりだけど!さっぱりだけど!!

けど、俺にできないことだけは断言できる。


魔法だけならなんとかなるかもだけど、魔法+体力=できないだから!


一人で口パクに力を込める俺。

絶対に人には見られたくない。


 はぁ、はぁ、はぁ………。

肩を怒らせ、ゼエゼエ言う俺。


結構文句は吐き出し尽くした。


特に、俺が日本でもできなかった教科への怒りはやばかった。特にやばかった。


「@%#%$@#$^$%!*@$!」

みたいな変な言葉が存在していた。


叫び散らかした。


だって、だって!!


もう!本当に!無理!


 昔はこんな風にテスト前に教室で叫ぶ男子や女子が大っ嫌いだったのだが、もはやいまでは共感の嵐がこの部屋で吹き荒れている。


あの時、うっせーな勉強してりゃなんとかなるだろとか思ってマジでごめんなさい。


多分俺はどれだけ勉強してもこの世界での教科を得意にすることはできないと思います。


だってええええ!


まず、魔法の概念(?)の意味がわからん。


えっと、俺の脳内データベースによると、


『魔法は、魔力を使って、この世に自然に存在しているそれぞれの”属性”の概念(粒子的なもの)を集め、目に見えるように具現化し、それに威力やその他のオプションをつけることによっていろいろなことに使うことができる。』


ファ?

ちなみにそれ以外にも、魔法はいくつものプロセスを積み上げてできてるとか、なんとか、難しいことがたくさん書いてあったが。


なーにーそーれっ!!

意味不!


一人吠えていると、アダムさんとの約束の時間になってしまった。


 鏡で自分の姿を軽く確認してから、アダムさんのお部屋に向かう。

なんでかわからないけれど、知っている。


とても親しみ慣れた場所のように、知っている。


なんでだろ。

こんなこと脳内データベースにはないはずなんだけど。


 まぁいいや、時間に遅れずに着くことが一番大事だから。


 そんなふうに思って少しの時間歩くと、アダムさんの部屋についた。

この部屋の扉は人力だけでは開けられないのだろうと思うほど巨大な扉である。


___人力で動かすならてこを使わないと無理だな。

支点・力点・作用点。

サイン・コサイン・タンジェント。


………最後のは全く関係ないです。

ただただ語呂が良かっただけなんです。


 誰かにそうやって言い訳をしながら、一向に開く気配のない扉の前でウロウロしていると。


「どうぞ。ナオくん、そこにいるんだろう?」

というアダムさんの声が扉の向こうから聞こえてきた。


あ、はい。


え、でも扉が開きそうにないので、流石の俺でも開かない密室には入れない………。

そんなことを思っていると、ひとりでに扉が開いた。


___なるほど、これも魔法か。

そりゃそうだ、この世界は人力だけじゃなくて魔法も使えるのを失念していた。


 俺は恐る恐るながら、重厚な扉の向こう側へ行くことにした。

 読んでくださってありがとうございます。

ちょっとさっきムカつくと言うか心がモヤモヤすることが起きたんですけど、気を取り直して。


みなさん、コナンくんの映画見ましたか?

僕は二回見ました。

めっっっっっちゃ面白かったです、はい。

もう一回行こうかなぁ、なんて。


でも見たい映画(次で5回目)もあるし………


って感じで、日々を満喫しております。


 それでは、また今度お会いしましょう。

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