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第11話  俺が、勇者様………?

 俺が少し腰を落として構えながら、内心ではぶるっぶるにビビっていた、その時。


「勇者様。」

と、顔立ちの整っている一人の男がそう言った。


心の落ち着く低音ボイス〜。

声優さんとかになれちゃいそうな感じ〜。


って、あれ?

今、この人、俺のことを『勇者様。』って呼んだ?


「こんなところにおられたのですね。」

「?」

俺は首をかしげる。


「えっと、何の話ですか?」

「ですから、勇者様、あなたの話ですよ。一緒に王宮に来ていただきます。」

俺は首を傾げた。


後ろに控えていた、モブ顔の三人が、俺の背中をちょいと押す。

そして顔立ちの整っている男の人が俺の手を持った。


さながら、異世界転生モノのヒロイン………


いや、おかしいだろ。


「ちょっと待って!」

俺はそう言って、手を振りほどいた。


「何の話ししてるのか、俺ほんとにわかんないんだけど。勇者ってなに!?王宮に現れなかったって話は聞いたけど、でも、は、俺が?」

俺がそう言うと、かっこいい男の人は、


「あとで説明します。王宮で。なので、いまは付いて来ていただけませんか?」

柔らかく、優しく頼まれて、俺は気づかないうちに頷いていた。


「それでは、行きましょう。お前たち、ちょっとここら辺の様子を見ていてください。」

「わかりました、騎士団長様。」

モブ顔の二人が俺のいた洞窟に入って行き、騎士団長様ともう一人が俺と一緒に行くようだ。


騎士団長様は俺の手を優しく持って、


「さ、行きますよ。」

と言って、親指と人差し指で丸を作り、英語のbみたいな形になった。


そして、足で、ドン、と地面を叩く。


その途端、俺はなぜだかわからないが、「瞬間移動だ!」と思った。

そして目を閉じた。


次に目を開けた時には、俺はわけのわからないことになっていた。



 高い天井、キラキラ輝くシャンデリア、周りにたくさんいる、兵士さんみたいな人たち。

騎士団長様と同じようなデザインだが、ちょっと違う。


騎士団長様のには、肩に、おそらく金でできた剣の形のバッジらしきものがついている。

重そうだ。


左側を見ると、大きな玉座があって、そこに、男の人が座っていた。

金髪ストレートの、優しそうな男の人である。

明らかに外国人の顔立ちをしている。

若く見えるけれど、でも、そうではないのかも。


多分王様だけれど、王冠をかぶっているわけではない。

ただ、大きくて立派な杖を持っていた。

横にはドレスを着た綺麗な女性が座っている。


「勇者様。」

王様らしき人はそう言った。


「私の名前はアダム・ハント。この国を治めています。」

丁寧な口調でそう言われ、拍子抜けする。


こういう人って、普通、一人称が余で、敬語を使わず、横柄な態度を取るものだと思っていたけれど、そうではないらしい。


ただこのアダム様、見た目はすごく、王様!って感じの威厳があるので、(優しそうではあるけれども)物腰の柔らかさに驚かされるし、なんだか不釣り合いな気がする。


「突然のことで驚かれたでしょうが、今、我が国はピンチなのです。」

「ちょっと待ってください。」

俺はそう言いながら、王様に一歩近づいた。


「俺、この国がまずどこにあるのかも知らないんです。騎士団長さま?に、勇者様って、呼ばれたんですけど、そもそも勇者かどうかもわからないし。だいたい俺は何もできませんよ。」


そう言うと、敬語の一部崩れた俺を責めることなく、


「そうでしょう。本当は、この宮殿で召喚して、そしてお話しするつもりだったのですが、なんの手違いか、ダンジョンに飛ばされてしまったようで………」

「あ、やっぱりあれはダンジョンだったんですね。」

なんとなーく思ってはいたけれど、へぇ、あれがダンジョンなんだ。


もっとこう、モンスターじゃなくて、別の仕掛けが多いもんだと思ってた。


 「じゃあ、どうやって俺を発見したんですか?俺、死に物狂いでダンジョンを出た後、とある人に助けられたりしてたんで、俺がダンジョンにいたってことはわからないはずなんですけど。」

フェマさんの名前は出さないでおくことにした。


「ああ、それは、」

と言うと、王様は俺の隣にいた騎士団長様を見た。


「私が調査に行った時、ダンジョンの周りの自然に尋ねると、あなたのことを映像として教えてくれたんです。」

「自然に、尋ねる?」

自然って、ちゃんと意思疎通のはかれるものだっけ?


そして、映像化して教えるって、どうやるんですか。


「フェドはそれが得意なんですよ。」

王様がそう言う。


「えっと、騎士団長様のお名前が、フェドさん、で、あってますか?」

そして、固有スキルって何。


「はい。フェド・エアイと申します。」

フェドさんは頭を下げた。


顔を上げ、にっこり笑う。


………?

どこかで見た顔だ。


「フェドさん、つかぬ事をお伺いしますが、」

「なんでしょう。」

「フェドさんって、ご兄弟いらっしゃいます?お姉さんか、妹さんか。」

「妹がいます。フェマ、といって、街に住んでいるはずですよ。」

了解しました。


フェマさん、フェドさんの妹さんだったんだね。

どうりて大きなお家だ。

騎士団長様の妹様だからな。


「どうかされましたか?」

「あぁ、えーっと、」

俺はフェマさんに助けてもらったことを話した。


「なるほど、妹が。………フェマは昔から人をもてなすのが好きだったのですが、貴族というのはもてなすよりもてなされる側なので、街に一つ家を買って、身分がばれぬように人を助けたりもてなしたりしているんですよ。

とても楽しそうなので、我が家の人間は何も言いません。」

フェマさん、貴族様だったんだね。


すっごく高貴な雰囲気ではあったけれど。


ってか、貴族様なのにそんなことしていいのかな。

この世界はどうなってるんだろう。


「でもまさか、勇者様を助けていたとは。今度、会いに行きましょうかね。」

仲が良さそうでなによりなことだ。



 そんな雑談をしていると、アダム様が微笑ましそうにこっちを見て、


「もう話してもよろしいですか?」

と聞いた。


「あっ………すみません。」

「申し訳ありません、妹のことを知っていると言われて、つい。」

「いえいえ。そんなところで接点があったとは驚きですよ。勇者様もリラックスしていらっしゃるようですし。」


なんつーホワイト企業だ。

アダム様の懐が深すぎて、もうやばい。


「それでは、最初からお話ししましょうか。この国の話、この世界の話。」

アダム様はそう言って、立ち上がった。

 読んでくださってありがとうございます。

ヤバいです、ヤバいです。


先日お伝えしたぼくの推しのグループの後輩グループ。

めっっっっっっっちゃ好きな子がいたぁぁぁ!!ぼくの元からの推しとの絡みがめっちゃ楽しみな子もいるぅうううう!


………はい。

ってな感じで今日も夜闇は元気です。


 それでは、次の話でお会いしましょう。


ってかもうちょっとで三月ですね。ってか今日でネット小説大賞の期限じゃん。

だとしても投稿し続けますけれども。

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