episode 1
退屈な授業が終わり、家に帰ることに喜びを感じている
そんな人の気持ちを知らずに小腹をすかしている拓真
「寄り道しようぜ」
ドリンクバーを奢ってくれると言っているので
そんなにも空腹なんかよ、と思っていたが、悪い気は全くしないので 近くの地下にあるファミレスに寄り道することにした
戦争が盛んだと地下に施設を作っていた方がいいことがあるらしい
「それにしてもすげぇ空いてるな」
平日だからな
ドリンクバーからはめっぽう離れているが、人の目が気にならない方がいいので1番奥の席でくつろぐことにした
拓真はチーズインハンバーグを注文した
それって軽食レベルでは無くないか?
少し学校についての会話をした後、ふと拓真が不思議そうなことを言い放った
「雪夜、お前はどう思うか?」
なにがだよ?
「現状についてだ」
現状?
「今戦争の最前線にいる人たちがいるなら俺たちはこんな楽してていいのだろうか?そもそもこんなゆったりしててまるで戦争してるとは思わないな」
休戦中だからというのもあるがさすがに何も起こらなさすぎる
この国が強いから敵が攻め込めないという理由もあるのかもしれない
「まぁそんなこと言ったって学生の俺らからしたらあまり無縁の話だがな、戦える力もないし」
そんなことより飲み物取りに行こうぜ
そして席から離れようとした時異様な空気を感じた
黒いコートを着た男が入店してきた
「少し待て」
拓真も感じたのだろう
この国では見ないブランドの靴を履いている
まさかなと思った後叫び声が聞こえた
入口付近だ
最初は普通の強盗だと思ったが何か違う気がする
男は金を要求している訳では無い
目的はなんなんだ
そっと角から除くと既に少女を人質として立っていた
アサルトライフルを所持している
ふと疑問に思ったことがある
なぜ窓があるのに外から見えないのか?
単に気づかない可能性は低い
あの男の能力か
周りを見渡す
が、少女の家族、老人、従業員しかいない
家族や従業員は反応からして能力が使えない人間だろう
「ばっ、ばか!」
振り向きそうになった途端拓真に引っ張られた
しかしどの道この状況をどうにかするしかない
拓真がテニスラケットを差し出してきた
今ここでやる、というサインだろう
拓真の能力ならこの状況をどうにかできるかもしれない
拓真が右側の通路を指さした
周りこめと言っているのだろう
男が銃を下に下げた瞬間
拓真は突っ込んで行った
「走れ!」
男はとっさの反応に動揺していた
それと共に拓真は言い放った
「雪夜!目を一瞬瞑れ!」
それと共に店内が激しい光で覆われた