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  作者: 長月
運命
1/5

運命

時は西暦2×××年一人の科学者が犯した、過ちから始まる…


東京…

「これで、世界人口の4分の1が残れば実験は成功だ…」

一人の男の実験が終わりを告げる…

ポチッ。と、男は赤く円みのあるボタンを押した。その時、世界中の有らゆる国で、核爆発にも似た爆発が起こった……

そして、時は進み50年後…一人の若者からこの男の実験と言う名の歯車が狂いだす…


50年後の世界は様変わりしていた。人口は、4分の1に迄減っていたのだ…奇しくもあの科学者の謎の実験は成功していた。あの爆発で生き残った人間総てに異変が起きていた。それは、全ての人間が特異能力を得ていたからである。あるものは気を操り、またあるものは炎を操ったり等である。そして、最早50年前の様な名前の国は無く、全ての国は地形も名前も変わっていた…

世界の下に位置する「下弦」と言う名の国で、ある一人の若者が目覚める…

「んっ…此処は?」

そこは、見た事の無い場所だった。目の前の壁には箪笥が有り、右手にはカーテンが風でなびいていた。そして、自分の右横には小物入れと、その上に花瓶があり淡い赤色の綺麗な花が箪笥の方を見ていた。そして左手から、がちゃっと音がしたのでそちらの方を見てみると、押し開きのドアから見たことの無い女が入って来た。

「大丈夫?此処は私の家よ。あなたあんな所に倒れてるんだもんビックリしたわ」

女は目覚めた男にそう言った。その女は漆黒の髪を肩甲骨辺りまで伸ばし、淡く青みがかった瞳をしていた。まだ若いが、どこか隙の無い佇まいをしてる様に感じた。

「あんな所?」

男は聞いた。

「ええ、あなた砂漠の真ん中に倒れてたの。最初はオアシスかと思ったけど、あんな所にオアシス何て無いし、オカシイと思って行ってみたらあなたが倒れてたのよ。良かったわ、目を覚ましてくれて」

「何故俺をオアシスと間違えたんだ?」

「あなたを見つけた辺りが光ってる様に見えたの、だから間違えたのよ。さぁ、ずっと寝てたんだし、お腹空いたでしょ?何か持って来るわ。」

そう言って女は部屋から出た。

砂漠?何故そんな所に?そう男は思ったが、考えても答えは出なさそうなので、とりあえず女を待つ事にした。

暫くすると、女が矩形で両端に取っ手のある盆を持って入って来た。

「はいっ、持って来たわよ。ご馳走には程遠いけどね」

女は笑いながら男に差し出した。盆には、パンとスープそして水だけが置いてあった。確かにご馳走には程遠かったが、男には何よりその好意が嬉しかった。

「有り難う、遠慮なく頂くよ」

そう言って男は十五分程で全てを平らげた。

「ご馳走さま、美味しかったよ」

男は言った。そして、クスッと笑ってから女は言った。

「キレイに食べたわね、そんなにお腹空いてたの?」

「いや、そうでは無いんだが残すのは人の好意を踏み躙ると思ってるのでね。」

男は、思った通りに言った。

「このご時世に珍しいわね、皆生きるか死ぬかの様な生活をしてるのに…ひょっとしたら今のご飯に毒が盛られてる時も有るのよ?」

と女は、伏し目がちに言った。少し間を置いてから男は言った。

「そういえば、君の名前は?」

「あらっ、私ったら名前も名乗らずごめんなさいね?私は凛よ。今年で19才なの。あなたの名前は?」

そう聞かれて男は考え込んだ、確かに人に名前を聞けば自分も聞かれる。しかし男は、場の空気を変えたいが為に聞いただけなので、少し困っていた。

何故なら男は自分に関する記憶が欠落していた、その為に困ってしまったのだ。

「どうしたの?」

と女は、心配そうに聞いてきた。

「実は、記憶が無いんだ…」

男は素直にそう告げた。

「ごめんなさい、無神経に聞いちゃって。」

女は頭を下げて謝った。

「嫌、悪いのは記憶を無くした俺の方だから、謝らないでくれ。」

男は女の肩を掴んでそう言った。

「有り難う。じゃあ、私が名前を付けてあげるわ。そうね、初めて見たときに光って見えたから光輝(こうき)何てどうかしら?年は私とそんなに変わらなさそうだし、光輝って呼ぶね。」

「じゃあ、俺の名前は今から光輝で」

と笑いながら光輝は言った。

凛は、記憶を無くした光輝の為に世界の状況を知ってる限り教えた。

今自分達が居るのは、世界の下に位置する下弦と言う大陸だと言うこと。そして、他に[上弦][右弦][左弦]と言う合わせて四つの大陸が有ると言うことや、約50年前に謎の爆発が全ての大陸で起き、そして生き残ったのは、たったその時の全人口の4分の1に減ったと言う事。そして、生き残った全ての人間に特異能力が発現したと言う事等である。

「じゃあ、次の質問。凛は何故砂漠に居たんだ?」

光輝は、ずっと気になっていた疑問をぶつけてみた。

「砂漠の向こうにハーゲン国って言う国が在るの。そこに用事があって、通ったら光輝が倒れてたの。用事を取り消して、慌てて光輝を家まで運んだって訳よ」

なるほどと光輝は思った。

「凛の両親は?」

そう言った刹那、凛の顔が曇った様に見えた。だが、直ぐに凛は先程と同じ表情で明るく言った。

「両親は2年前に事故で無くなったの、だから一人で暮らしてるわ」

光輝は、触れてはいけない物を触れた様な気がして

「すまない…」

と頭を下げた。

「ううん、気にしなくても良いわ」

と凛は笑顔で言ったが、光輝には無理して作り笑いをしてる様にしか見えなかった。

「じゃあ、凛も特異能力が?」

そんな夢物語がある筈が無いと思い、凛に問いた。

「私の能力は、カーテンよ。詰まり、見られたくない相手に自分を隠せるの。こんな風にね」

そう言って凛は、能力を使って見せた。

「えっ!?」

光輝は、思わず声に出してしまった。凛が言った通り、確かに光輝の前から凛は消えた。そして、姿を現した凛は

「どう?」

と笑いながら言った。

「どうって言われても、どうしたらそんな事出来るの?」

信じたく無いが確かに目の前で消えられては、現実の話しなんだと嫌でも理解した。それと同時に自分にも出来るのか試したくなったのだ。

「能力は人其々だから、光輝がカーテンを出来るかは分からないわ。皆生まれた時から、其々色んな能力を持ってるからね。それに自然と出来るからどうやるのって聞かれても困るわ。」

と凛は諭す様な感じで言った。

「でも、俺は自分の能力を知りたい」

光輝は、自分に何が出来るのか知りたかった。

「じゃあ、この近くに諭しの泉が有るから行ってみましょう。」

「諭しの泉?」

「光輝みたいに、自分の能力が分からない人が、自分の能力を知るために行く泉よ。善は急げよ、早く行きましょ。」

と凛は、半ば強引に光輝を引っ張って泉に向かった。

凜の家から約30分程歩いただろうか。そこは、幻想的な空間だった。緑が青々と生い茂り、まるで其処だけが太古から時間が止まってる様に感じた。

「静かで空気の濃度が濃い感じがするね。」

と光輝は、凛に言った。

「ええ、此処だけは昔から変わらないわ。あの50年前の爆発の前から有ったのか、それともその後に出来たのか、それすらも分からないわ。ただ言えるのは、何故か此処には生き物が全く居ないって事位ね」

確かに凛の言う通りに、回りには全く生き物の気配すら感じられ無かった。

「さっ、着いたわよ」

と凛は光輝に言った。

いよいよか、と光輝は思った。

其処には一人だけ、泉に入って行く人が見えた。遠くて、性別がハッキリ分からなかった。その行為を模倣する様に、泉に入ろうとしながら

「入るだけで良いの?」

光輝は、凛に言ったが凛はその言葉を遮る様に

「まだ入っちゃダメッ!」

と泉に入ろうとしている光輝に言葉で制止した。 ビックリした光輝は、泉から慌てて離れた。

「何故?」

「泉に二人以上入ると能力が相殺されたり、二つ以上の能力が一人のモノになって、取られた人は一生能力無しで生きる事になるからよ。」

「能力が無くても生きて行けるから、別に支障は無いんじゃ無いのか?」

と光輝は、素朴な疑問を凛に投げ掛けた。

「この世界では、能力の無いものは人間として扱われず、奴隷か慰みものとして生きて行く位しか無いのよ…」

何故だ?と光輝は思ったが、恐らくこの世界ではそれが当たり前の様になってて、説明は出来ないだろうと思い言葉を飲み込んだ。その時、後ろの泉が突然光り出した。

「な、なんだ!?」

突然の事に光輝は、後ろを振り返った。するとその後ろから笑い声が聴こえる。その笑い声の方を見ると凛が笑っていた。

「あはは、光輝ビックリしすぎ。あれは、自分の能力を見つけた証よ」

そう言って凛は涙を拭きながら言った。


「凛…笑いすぎ…。めちゃくちゃビックリしたんだからな」

光輝は、ちょっと怒った様に言った。

「ゴメンゴメン、だって今の光輝のビックリした顔。あははははは」

「ったく笑い過ぎて酸欠になるぞ」

光輝は、呆れた様に言った。すると、後ろから水から上がる音が聴こえて来た。

「お待たせしました、どうぞ入って下さい。意外に快適ですよ。」

そう言って男は、何処かに消えて行った。

「さぁ、次は光輝の番だね。何の能力を持ってるのか楽しみだね。」

凛は自分の事の様に楽しそうだ。

「うん。じゃあ、行って来るよ。」

そう言って光輝は、泉の前で歩みを止め、ふと思った疑問を凜に質問した。

「能力は一人一つだけなのか?」

「ううん、相性の問題だから複数持ってる人も居れば、一つの能力を鍛え上げて色んな技を使う人も居るわ。大丈夫。光輝が弱くても守ってあげるから。私こう見えて強いんだよ?」

と凜は笑いながら言った。

「そっか、じゃあその時が来ない様に凜より凄い能力を手に入れて来るよ。なんか助けられてばっかだと尻に敷かれそうだしね。」

と光輝は笑いながら返した。そして光輝は泉に足を浸けた。

泉に全身が浸かった途端に光輝は、気を失い夢を見た。それは、光輝の過去の記憶だった…。

災仔さいこお前は私の物だ、私の実験が成功した暁にはお前を私の側近にしてやろう」

白衣を来た30代半ばであろう男は、光輝を災仔と呼んでいた。災仔は、白く四角い部屋に閉じ込められていた…いや、正確には椅子に縛り付けられ監禁されていた。

(何だこれは?この男は一体…)

光輝がそう思ったその刹那、身体中を激しい痛みが襲った。その痛みで光輝は、目が覚めた。泉があったであろうその場所は、水が消えクレーターの様になっていた。光輝がクレーターを上ると其処には、顔を青くした凛が居た…。

「凛っっ」

光輝は、慌てて凛に走り寄った。凛の体に後一歩と言う所で、突然凛は能力カーテンを使った。凛の姿が光輝の前から消えた。と、同時に立ち並ぶ木の間から、一人の人間が歩いて来た。その人間は、フード付きのマントを着ている為、顔が分からなかった。そして光輝に

「貴様の能力は、何だ?何故泉を爆発させた?」

その者は、怒りを押し殺す様な声で光輝にそう言い放った。

「爆発?何の事だ?そんな事より、お前は何者だっ?」

光輝は、そう言った。

「私はハーゲン国憲兵隊サクだ。貴様は何者だ?何故泉を爆発させた?」

サクは、もう一度光輝に問いた。

「俺の名は光輝、泉の中で気を失っていただけで、自分にどんな能力が有るのかも分からないんだ。それより、連れの女の子が消えたんだ。退いてくれ」

「お前の連れの女、凛…と言ったか?今は私の手中にある。大人しく捕まり、質問に答えるか、此処で連れと共に死ぬか選ぶが良い。」

そう言ってサクは、手の平を光輝に向けた。

サクの手の平が光ったと思った刹那、光輝は吹き飛ばされた。

「ぐあっ」

光輝は、今上って来たばかりの泉の底に転がって行ってしまった。

「何だ貴様泉に入ったのにも関わらず、未だ能力を使えないのか?」

サクは、軽く嘲笑しながら言った。

「クソッ!何で能力を使えないんだっ!」

光輝は、地面をそう言って叩いた。その時光輝の頭の中に声が響いた。

(力を使え)

その声は言った。

(使い方が分かれば苦労しねぇよ!大体お前は何者だ?)

光輝は、苛立ちを隠せずにその声に言った。

(我は汝、汝と我は表裏一体なり)

(意味が分からねぇ、とりあえずお前は敵か?味方か?)

今の光輝は、サクに追い詰められている状況である為、これ以上敵が増えるのは悩みの種が増えるよりも、厄介だった。それは生死に関わる問題だからだ。

(我は汝。敵である筈が無い)

光輝は、内心ホッとしたのを悟られない様に

(ならば、どうすれば能力を使える?)

と冷静を装って聞いた。

(この力を汝に返す時が来た様だ、受け取るがいいっ)

すると光輝の体が仄かに発光し出した。

「これは…?」

「力が湧いて来る様だ…」

これならこの場を逃れられるかも知れない。そう思った光輝は

「サクっ、凛は返して貰う。」

そう言いながら光輝は、サクに向かって泉を駈け上った。

「フンッ、体が光ってる位で図に乗りやがって。また、吹き飛ばしてやる」

そう言い、サクは再び光輝に手の平を翳した。それでも光輝は、逃げずにサクに向かう。

「死ね」

そう言ってサクは先程の能力を使った。バチッと、光輝に当たった音がした。が、光輝は少し後退りしただけで、耐えていた。

「もうこの技は効かねぇよ。次はこっちの番だっ」

そう言って光輝は、サクの所迄後一歩と言う所でジャンプしてサクを飛び越えた。着地と同時に光輝は、手の平をサクに向けた。

「くらえっ」

光輝は、そう言って能力を放出した。光輝のそれは、縦にグネグネと曲がりながら進んで行く。まるで、蛇が獲物を追うように。その色はサクの白い光線に対して、光輝のそれは、黒く、まるで闇が動いてる様であった。

「な、何っ!?何だこの技は!?」

サクは蛇に睨まれた蛙の様に体が竦んで動けずにいた。

「うわぁ―!!」

光輝の技は、サクの左肩に直撃した。

「グアッ」

サクは衝撃で吹き飛ばされた。先程の光輝同様に、今度はサクが泉の下迄転げ落ちた。下に落ちたサクは、自分の左肩を触ろうとしたが、其処には何も無くサクの右手は、虚空を掴んでいた。

「お、俺の左腕が!き、貴様っっ」

サクは右手を上に居る光輝に翳した。

「まさか、この技を貴様に使う事になるとはな。」

「ぐっ!」

突如光輝の体が動かなくなった。すると突然自分の意思とは、関係無しに足が勝手にサクの方に進んで行く。

「そうだ、そのまま私の前まで来い。左肩のお礼に貴様の両腕を消しさってやる」

その時、またあの声が聞こえてきた。

(精神を落ち着けろ、汝の能力は再生・吸収の二つだ。汝は、一度受けた能力を自分のモノにする事が出来る極めて稀な能力だ。だが体に馴染む迄に死んでしまっては、意味が無い。そこで、再生の能力で身体を治癒しながら能力を手に入れるのだ。大概の能力は治癒し終わる頃には手に入っているだろう)

(しかし今は操られているぞ?)

(精神を落ち着けろと言っている。汝の精神力次第で能力を会得する時間が変わるのだ。今の様に乱れていては、マリオネットすら会得出来んぞ?)

(分かったよ。でも、マリオネットって何だ?何故お前はそんなに詳しいんだ?)

(マリオネットとは、操り能力の事だ。さぁ、もういい頃だろう今度は奴を逆に操ってやれ)

そう言って声は消えた。

(言うだけ言って消えるなよ)

そう光輝は溜め息混じりに言った。

あの声が言った通りに、サクに気付かれ無い様に指を動かしてみた。

(自由に動かせるって事はもうマリオネットを会得したか)

光輝は、サクの前で止まった。

「くっくっくっ。さぁ、先ずは左腕からだ。」

サクは勝ち誇った顔でそう言った。光輝は、操られてるフリをしながら左の手の平をサクに向けた。

「消えろ」

そうサクが言い放った刹那。

「やだね。」

光輝はそう言い、サクにマリオネットを使った。

「な、何故マリオネット迄使えるのだ!?それに、何故私の能力が全く効かない?」

その問いは無視して光輝は、

「凛を返すなら、見逃してやる」

「わ、分かった。返すから命だけは助けてくれ。」

「ああ」

そう言い、光輝は、マリオネットを解いた。

サクの横に凛が現れた。凛は気を失っているのか、その場で倒れた。

「凛っ」

光輝は、凛の上半身を起き上がらせた。

「光…輝?」

凛は何故か酷く衰弱していて、喋るのもままならない状態だった。

「凛っ!喋るなっ!」

光輝は、それしか言えなかった。

「ごめん…ね?私光輝に…言わなきゃいけない…事が…実はアナタは…」

その時、凛の体がビクンと動いた。よく見ると、サクが隠し持っていたナイフで凛の脇腹を刺していた。

「何かは知らんが、アンタがコイツに何かを打ち明け様としたら躊躇なく殺すように言われてるんでね」

「貴様ぁ!」

光輝は、サクの左腕を吹き飛ばしたあの技を、全力でサクの体に向けて放出した。

サクは、跡形も無く消え去った。

「光輝…ハーゲン国に行って…そして…私の能力を…」

凛は最後の力を振り絞ってカーテンを使った。

(此処は?)

そこは、確かに今自分が居た場所だが何かが違うのは、分かった。恐らくカーテンとは、次元と次元の間に移動する能力の事なのだろうと、光輝は理解した。

(光輝、アナタの能力に吸収があるのは、戦いを見ていて悟ったわ。だから、私の能力カーテンと今使ってるテレパシーの二つを、これからのアナタに役立つ事を願ってアナタにあげるわ。そして、ハーゲン国に行って…きっとあなたの事が分かるかもしれないから…どうか生き延びて。さようなら。光輝…短い間だけど愛してたよ…)

そして光輝は、凛の命と引き換えにテレパシーとカーテンを会得した。元の世界に戻った光輝は、凛の亡骸を抱いたまま泣き叫んだ。

「何故凛が…俺と居たからか?凛答えろよ」

光輝は、凛の体を揺さぶったが勿論返事は無く、ただ力無く上下に動くだけだった。

「凛…」

凛の死を悟った様に、光輝は無言で、凛の体を抱き締めた。

(身心共に疲れたろう?これからは、我が汝の代わりを務めてやろう)

謎の声が響いた刹那、光輝は意識の底に落とされた。

「さてと確か、ハーゲン国だったな」

そう言って光輝の体を手に入れた謎の声は、歩いて行った。

とあるサイトに昔投稿したものを持ってきました。拙いですが、良ければ読んでみてください。

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