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夢にまで見た異世界でのんびり冒険者をやりたい人生だった  作者: りるお
第2章 - 中級冒険者編 -
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第96話 - 久しぶりのアルスロー -

ご無沙汰してます。

久しぶりの投稿となり楽しみにして下さってる方には大変ご迷惑をおかけしてます。


3月の繁忙期から、新型肺炎により仕事が激務となり小説を書く時間がなかなか取れませんでした。

新型肺炎の余波収束まで投稿頻度は以前と比べ少なくなってしまう事になりますが、大筋の構想が出来てるこの小説を最後まで完結させたいと思っています。


低投稿頻度にはなりますが、今後ともお付き合い頂けたらと思います。




「っていう事があったのっ!」



 王都に単身で兄に会いに行ったリエルは帰って来て早々にベルゼと合流した。



「なるほどなあ。とりあえずミハエルに会えて良かったね。」


「うん!」


 話に聞くと色々あったみたいだが、ベルゼは突如聞かされたアルスロー近郊での出来事に注目する。



「それで…その壊滅したっていうサーベストからアルスローまではどのくらいの距離間なの?」


「普通の馬車で1週間ってとこかなぁ?」


「西部の街どうしとはいえ遠いんだな…」



 リエルの話によればサーベストの人達との連絡や交易が途絶えたというのは数ヶ月前。


 馬車で1週間の距離間とはいえ、数ヶ月前に近隣の街が魔族によって滅ぼされ、そのまま侵略が進んでいたらアルスローも既に滅ぼされているだろう。だが、現在もアルスローと連絡が途絶えてはいない。幸いアルスローはまだ無事ということだ。



「そうだね、サーベストはこのガヤート王国で一番西に位置する街だからね!海を渡ったら魔族の棲む大陸だし…」


「なるほどなあ。その魔族が海を渡って侵略してきたってことか」



 もしかして俺が初めて王都に行った時に遭遇した魔族も侵略の一環で王都に潜んでいたのか…?そう思ってしまうベルゼだった。



「そういえば!アルノルト様から貰った"報せの鈴"は今までなった事なかったよね?」


「あ、鳴らなすぎて存在を忘れてた……」



 収納から取り出したのは、鈴の形をした魔道具。全く使われる事なく数ヶ月が経っていたため、すっかり忘れていた。



 アルスローで何かあった時にこの鈴が光り、事を知らせてくれる物なのだが、通話などは出来ない。ただ光るだけ。ベルゼは前世のポケベルみたいな感じだなと、受け突る際に聞いた説明でそう思った。実際には前世のベルゼが産まれた頃には既に携帯電話が普及し始めていて、物心つく頃には過去の遺物となっていたそれを実際にみた記憶はないのだが。


 それでも通信機能が発達していない今世では、大変重宝されている。対になっているその鈴は、一つをアルスローのアルノルトが、もう一つをベルゼが持ち、アルスローで何かあった場合に知らせてくれて、ベルゼの転移で戻れるよう貸してもらったのだ。



「サーベストが数ヶ月前に滅ぼされて、もし魔族がそのまま侵略を続けてたらアルスローも、もう滅んでるよね…。でもアルスローとの連絡が途絶えたとは聞かないし、まだ無事だよね…?」


「俺も同じ事を思ったよ。でも一応様子を見に行ってみるか。俺たちも久しぶりだし、ティアはアルノルト様に会ってないし。」



 ベルゼが考えていた事は、当然リエルも考えていた。

 "報せの鈴"も収納の中で反応があったら気がつくはず。アルスローに変わった事が無いだろうと判断した2人だったが、念のため一度行ってみようという事になった。



「うん!じゃあティアが戻ってきたら話してみよっ!」



 その後、無事Bランクのカードを受け取り満足気なティアと合流し、リエルが王都であった話と、先程までのベルゼとの会話を伝え、アルスロー行きにティアも頷くのだった。







♢ アルスロー 


「よく戻ったのう!いやあ!ついにアルスロー家に身を固める気になってくれたかのう!」


「いや…身を固めるって……」



 そう語るこの好々爺は、このガヤート王国の西部最大の都市アルスローを取り纏める貴族の当主、アルノルト・アルスローその人だ。



 以前、アルスローで起こった他貴族のクーデターの一件、下位の竜討伐により、ベルゼの事を気に入った事により現在のような(仮)主従関係になっている。


 ベルゼとしては前世の経験から、もう誰かに仕える事はしたくなかったのだが、この好々爺の人柄、仕える事でのデメリットが皆無という事で納得した形だ。



「お元気そうで何よりです!こちらは新しいパーティメンバーの、ティアです!」


「よ、よろしくお願いします」



リエルによって紹介されたティアは、どことなく緊張している様子。相手が侯爵ともなればそれは当然の事かもしれない。



「ほうほう。お主、両手に華じゃな!」


「いえ…ティアはそういうのではないんですけど…」


「ふむ?そうなのか?最近は若い女に囲まれて冒険する者が多いと聞いたのじゃが…」


「他の人がそうだとしても、こんな俺には不釣り合いですよ…(ハーレム物は好きじゃないんだよなぁ)」



 前世で見ていた小説やアニメでは転生した主人公の元には美女が多く集まる設定のものが多かった。

 ベルゼは、その設定について毎回毎回憤りを感じていたのだが、アルノルトはそんな事は知る由もない。

 当然、文字通りこの世界の冒険者のことだ。



「つまらない男じゃのう…」


「はは…つまらなくて結構ですよ。というかそもそも…」



 ベルゼは色ボケた事を言う主君(仮)に対して、ジト目で答えた。ハーレムの件で、憤りに再び火がついたのか、一呼吸置くもその興奮は収まらず前から思っていた事を口にした。




「「タイプじゃないので」」



 言いきる直前に、「ああ…また何の気無しに物を言ってしまった」と思ったのだが、まさか自分の横から同じ言葉が出てくるとは思っていなかった。

 驚きながらその顔を見ると、「してやったぜ」とドヤ顔のティアだった。



「見事にハモった。。」


「そ、そうか…。ま、まあティア君も仲良くやるんじゃぞ!」


 ティアとは反対に座るリエルから驚きの声が上がる。

 アルノルトはというと、2人のその様子と、部下から冒険者同士でも色々あると聞いていた為、それ以上深くは追求する事ができなかった。




「さて…本題に入りますけど、サーベストと連絡が途絶えた後、アルスローで何か起こったりとかは無いんですか?」


「うむ。それが全くと言って良いほど何も無いのじゃ。」


「何もない…?逆に不安になりますね…」



 報せの鈴の反応が無かった事や、世間でアルスローが襲撃されたと噂が流れていなかった為、壊滅はしていないにしても何かしらはあったと予想していたが、その予想は見事に砕かれてしまった。



「そうなのじゃ。数ヶ月前にサーベストが壊滅しておったとしたら、既に我がアルスローも魔族の手に掛かっているはずなんじゃが…」


「戦力を整えたりとかですかね…?」


「いや、奴らにはそのような事は必要ないと思うのじゃ。魔族は集団行動を得意としない。万が一サーベストを壊滅させたのが集団だったとした場合、それに気がつきこちらに報せを持ってくるであろうからのう。おそらく少数で動いておるはずじゃ。」


「ですよね。じゃあなんでなんだろぅ…」



 そうなると何故サーベストを落としておいて近隣を放置するのか。全く分からない。困ってしまうリエル。それはベルゼもティアも同じ事だったが、その様子を見て口を開いたのはアルノルトだった。

本日もアクセスありがとうございました。

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