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夢にまで見た異世界でのんびり冒険者をやりたい人生だった  作者: りるお
第2章 - 中級冒険者編 -
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第92話 - 目醒め -






「…………」






「おや!アンタ!目が覚めたかい!」


「………おばちゃん」


「アンタ!岩地の方で倒れていたんだって!? 冒険者さんが担いで来てくれたんだよ!心配したんだからね!全く」


「………」


「どうしたんだい?どこか痛むのかい?…魔力がすっからかんだった。って言ってたから魔法の使い過ぎで倒れてたんじゃないのかい?」


「あ、ああ……大丈夫。」


「そう?大丈夫ならアタシは仕事に戻るよ。誰かさんの為にたくさん料理作らなきゃいけないからね!」


「ありがとう…」


「そうそう、アンタを助けてくれた冒険者が下の食堂にいるからお礼言いなさいよ!」






目が覚めてまず視界に入ったのは、最近よく見る天井。

ここはベルゼ達がセレスタンでの拠点としている、愛想の良い女将が作る美味い料理が評判の宿だ。




「………」


頭がボーッとする。まるで悪い夢でも見ていた気分だ。



ヒポグリフを討伐後、突如現れたグリフォンによって致命的な一撃をもらった。そこまではまだ(・・)理解できる。その後が問題。

暗闇で、自身を「闇」という何かとの会話。溢れ出る力に溺れた自分。そしておぞましいあの感覚。

まるで俺が俺じゃない、思い出しただけでも吐き気がする。思い出したくない感覚。思い出したくない。



服を捲ると、氷の矢によって貫かれた穴が見事に無くなっている。



『主、目が覚めたか。』


「…クロか。どうしてここに?」


影からにゅっと出てきたのはクロだった。



『何から話せば良いのか分からぬが…。我は例の冒険者の監視をしていたのだが…突然、主との繋がりが希薄になった故、独断で監視を打ち切り戻ってきた。そして倒れている主を見つけたのだが…驚いたぞ。』


「繋がり…か。ん、クロが助けてくれたの?」


『いや…娘達を呼びにいこうとも思ったのだが、主を放置する訳にもいかず…途方に暮れていたところ、主の知り合いと言う冒険者達に助けて貰った故…我は倒れていた主を見守っていただけなのだ。』


「そういう事か、ありがとう。その冒険者って誰だろう?俺の知り合い…?この街に知り合いなんて……あ。ハイク達かな…?」


『我には分からぬ。それより、繋がりが薄く感じるのは初めての事であった故、ただ事ではないかと思ったのだ。監視の任を勝手に解いた事は…』


「いや、俺の事が心配で飛んできてくれたんだろ?なら咎める事は何もないよ。むしろありがとう。」


『……。主、あの時のことを覚えてるか?』


「…………」


『…そうであるか。なら思』

「ねえクロちょっとこのままいさせて……」


『…うむ」


クロのふかふかの体毛に埋まる。


恐い。ただただ恐い。

致命傷をもらい、死ぬ寸前だった事も、大切な人と会えなくなる事も。そして何よりあの感覚が、だ。


力のままに欲望のままに破壊を尽くそうとしたあの感覚。クロに本当の事を言いたく無かった訳ではないが、それくらい思い出したくなかったあの感覚。


今はただクロにしがみ付いて、気持ちが和らぐまでこうしていたかった。




『……………』






♦︎


『主っ!?』


これはどういう事だ。まさかっ…!?

…いや、主が闇の力を使っているなどとは思いもしなかった。闇の力が発現したと最後に聞いたのは、あの魔眼を開眼した時だ。



ドサっと倒れた主に駆け寄るも意識は無い。だが、息はある。しかし、こういう事は今までに無かった故どうすれば良いか分からぬ。落ち着け。落ち着くのだ我。



まず、冷静になって状況を整理するのだ。

主人が倒れ、その周辺には魔物…グリフォンが2頭…いや、これは…ヒポグリフか。ふむ。


主は、娘達が出かけると言っていたな。我も居ない事を考えると、一人で可能な魔物の討伐にでも来ていたのだろうか。それか魔法研究にでも来ていて、たまたま遭遇した…か?いや、ヒポグリフだけならまだしもグリフォンまで居るとなると、"せんりゃくてきてったい"と、主は判断するであろうか。


そう仮定すると、Bランクのヒポグリフを討伐しに来たが、グリフォンにも遭遇した。と考えるべきか…?



そして魔法封じの特性を持っているグリフォンと対峙して…闇の力を…?



なぜ闇の力が発現していたのかは分からぬが、グリフォンを倒し今に至る。…か? だが、最近の主は、闇の力に目覚める兆候も無かった故…突然という事も、そうあるわけでもなかろう。と、いうことは…



一通り現場の状況から考察を終え、一つの結論に至ったクロは主人のステータスを見る。



前にリエルが「私たちのパーティなんだからステータスの共有はできた方が良いでしょ?」と、天狐に賢者の指輪をプレゼントした際に、我にも授けてくれたのだ。我の指には嵌らないからと、わざわざ"ねっくれす?"にしてくれたのだ。



『主よ、失礼するぞ』


ポンとベルゼの身体に前脚を置くと、賢者の指輪が発光し、ステータスが表示される。




ー ステータス ー


Name ベルゼ 

Lv. 562 Rank B [冥府の使者]

HP 203/485,279

MP 2/511,020


- 装備 -

○ 螳オ髣��繝ュ繝シ繝

○鮟貞�繝サ讌ウ譛ア

○ 蝗槫セゥ縺ョ謖�シェ


- 属性 -

○ 闇

(・����������)


- 固有スキル -

・創造具現化・遅延呪文・??


-特殊 -

闇属性攻撃 極大

光属性攻撃耐性 極小(※)

闇属性攻撃耐性 完全無効


※光属性の攻撃を受けた場合

通常の500倍のダメージ

ーーーーーーーーーーー




『!? なんだこれは』


突っ込みどころが多すぎる…が、

特筆する事は、以前見た時と比較すると、ステータスが消えたり、文字が読めなくなっている点。

そしてMPがほとんど空。HPもかなり少ないく危険な状態…か。今ならあの主もスライム程度にもやられかねないが、戦闘が終わった今、これ以上減る事はないだろう。



だが、このままというのも。。うーむ。困った。誰か助けを呼びに行ければ良いのだが…。天狐の魔力は分かる故、天狐を頼りにリエルを呼びに行くか…?いやしかし、(われ)が主を連れて行く事は出来ない…呼びに行っている間、魔物にでも襲われたらそれこそ本当に…。困った。。




そんな途方に暮れるクロが、周囲に人の気配を感じたのは、少々の時間、葛藤した後の事だった。








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