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夢にまで見た異世界でのんびり冒険者をやりたい人生だった  作者: りるお
第2章 - 中級冒険者編 -
91/142

第91話 - RE:BIRTH -

昨日に引き続き熱に魘されながら書いた91話です。

11万PVありがとうございます。



100話前後で三章に入れたらと思います。

物語も徐々に核心に迫っていきます。






真っ暗な世界が広がる。




ー よもやこの程度で死ぬとはまこと愚かの極み ー


…誰だよ。今もう死ぬけど俺。


ー 闇が認めし者がその程度で死する事は許されない ー


いや、どう見ても死ぬだろコレ。土手っ腹に穴空いてるけど。


ー それで良いのか。ー


いや、よくはないけど。どうしろって言うのさ。


ー ふむ…。片眼だけしか授けなかった故、仕方あるまい ー


なんなんだよさっきから。お前は誰なんだよ。


ー そなたの知る言葉で言うならば「闇」ー


はえ〜。いきなり出てきてその自己紹介はさすがにひくわ。


ー そなたなら。と期待したが、誤算のようだな ー


む、その言い方は引っかかるな。勝手に期待しておいてダメだったら切って捨てるような言い方。尊敬はできないな。


ー ほう。言い返すだけの意思はあるようだ ー


当たり前だろ。そこまで言われて、はいそうですか。で納得出来るほど出来た人間じゃ無いからな。


ー そなたの評価を改めねばな ー


いや、もう評価評価って都合の良い言葉で飼い慣らされるのは懲り懲りだからな。評価なんてクソくらえ。


ー ふむ。元気が出てきたところでもう一度問おう。そなたはこれで良いのか ー


死ぬのに元気って頭湧いてるのかな。これで良いのかって、死ぬで良いのかって事か?


ー そうだ ー


良いわけないだろ。本当ならリエルやティアを死ぬまで守り抜るつもりだったんだ。こんな所で死んでたまるかよ。


ー ならば闇の力をひととき授けよう。その後、発現させれるかどうかはそなた次第だが ー


はあ。そんなね、死に際に現れて都合の良いように力を貸し与えるなら、最初から最高ステータスで転生させろよって話だよ。全く。


ー それでは何も意味が無い故。我が後継者としてなにも育たぬ ー


は?後継者…?


ー 闇の力を欲すれば欲するほど、堕ちる。それだけは覚えておくといい ー


お、おい!





不意に意識が覚醒していくのを実感する。



真っ暗だった世界に光が灯る。








 人間を殺したが、報われないものもある。

 グリフォンは首を斬られたヒポグリフに寄り添い、自分がもっと早くに来れていたらと後悔する。

 なんとなく、我が子の危機を感じ急いで飛んできたものの、間に合わず。



 悲しみに暮れているばかりではならない。

 急に飛び出て来たものだから主人も心配している事だろう。ヒポグリフに別れを告げここを後にしようとする。



 が、突如湧き出た悍しい魔力に背筋を凍らせる。

 自身は魔族に仕える身であるのだが、その魔族よりも濃密な闇が発せられている。そして酷く悍しい声。





「■■■■」





 この場には先ほど自分が殺した人間しかいなかったはず。だが、殺したはずの人間がどうやって。と考える間もなく、グリフォンは反射的に魔法を撃つ。



「■■」




 死んだはずの人間が立ち上がって、聴きなれない言葉を放つ。グリフォンが放った氷の矢は無残にも、黒紫色のベールによって全て相殺された。



 事の不気味さを魔物であるグリフォンも感じとっていた。



「グルァアアアア!!!」


 咆哮と共に放つは、特大の氷。さらには翼から繰り出される強風。風速20mを超える暴風に、ボールサイズの氷が無数に乗り、人間へと向かう。



「■■」



 再びの聴き慣れない言葉と共に黒紫のベールによって攻撃が全て打ち消される。



「■■■■■」



 人間が再び何か呟いた。その瞬間、自身の意識が急激に遠くなるのを感じた。痛みはない。何が起こったのかは分からない。ただ、薄れ行く意識の中でグリフォンが見たものは、己の胴体が力なく倒れていく様だった。

 ヒポグリフと同様の最期を迎えたという事だ。










くっくっく……これが闇の力……!湧き上がる衝動!手当たり次第破壊して回りたい。今なら何でも出来そうな気がする!!


 身体に空いた穴や受けた傷も謎のベールによって再生(・・)されている。


この力さえあレば二度と負ける事はナい。

モう無様に死ぬコとなどなイだろう。


心の底から湧き上がる笑み。醜く顔を歪めながら笑った。そして笑いながら急激に意識が遠のき、ベルゼはその場で気を失うのだった。













 我は主に仕えし魔物。現在、物凄く悩んでいる。


 主より頼まれた故、遠く離れたこの地で数日に渡っておかしな冒険者を監視していた。

 その冒険者はSランクといって、人間において群を抜いた冒険者だそうだ。いや、姿を目の当たりにしたらそれも納得できる。滲み出る魔力、その知性。ただ、若干気になるのは魔族の魔力反応も持ち合わせている事だ。そうは言っても人間と魔族のハーフも少なからず存在する。余程に変な事ではなかろう。


 さて、今日も今日とて監視の任に就いていたのだが、どうも主との繋がりが薄れている気配を感じたのだ。主と契約した段階で分かったのだが、契約者との繋がりを感じられるようになった。それは主も同様に言っていた事だ。


 その繋がりがどこか希薄になっている。今までどこにいてもそんな事は無かった。これは嫌な胸騒ぎがする。

 かと言って勝手に任された仕事を放り出して戻るのも如何なものか。あの主の事だ。甘味一週間抜きとか言われかねない。


 だが…今までに無いこと故…一度様子を見に帰っても良いだろうか。影伝いならそれこそすぐであろう。もし、何事も無ければ良い。甘味一週間くらいなら最悪我慢できる…。



 そう己に言い聞かせるとクロは、サラの監視を解き、ベルゼの元へと急いだ。








「ふう。やっと居なくなってくれたか。」


そんな声はクロの耳には届かないほど、急いでいたのだ。





 通常、魔物が固有スキルを持つ事は多くない。

だが、上位の魔物になれば、固有スキルの1つや2つ持っている事は少なくない。


 クロの固有スキル"影縫いの歩"はとても便利な固有スキルだ。影から影へと一瞬で移動する事ができる。


 王都の北から南のセレスタンまで、通常の陸路であれば数日を要する距離だが、影を移動したクロは約2時間で移動してきた。


 シャドウクリーパーというAランクの魔物であるため体力もある。だが、それでも2時間全力で走ってきた彼にも疲れが色濃く見える。




『ハァ…ハァ…!主…!?』



 クロが見た光景。

 自身の主人が赤紫色のベールに包まれながらグリフォンの首を一撃で切り落とし、歪んだように笑っている光景。


 その後、その赤紫のベールは靄となり、グリフォンを包み込んでいる様子だった。







次回の投稿は都合により13日(木)辺りになるかと思います。次話もよろしくお願いします。

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