第80話 - シーサーペント1 -
遅くなりましたが、あけましておめでとうございます。昨年から始めた自身初の小説が多くの方に読んで頂ける事になるとは思っていませんでした。
年末に近づくにつれ更新頻度が悪くなってしまい、年始も投稿が出来ず大変申し訳ありませんでした。
投稿頻度は徐々に戻せるかと思います。
本年もよろしくお願い致します。
◎誤字報告ありがとうございました。
ギルドのクエストボードには様々な依頼が貼られている。内容も様々で、納品から護衛の依頼、それに魔物の討伐。
住民や貴族、商人からの依頼が主であるため、各ギルドによって内容は変わるのだが、どこのギルドにおいても共通のクエストが一つだけある。
それはフリークエストと呼ばれる常用の依頼、通称フリクエである。
ベルゼもこの世界に転生して一番最初に行った街"エリース“のギルドでも受けたのだが、どんな魔物でも一律の報酬と、冒険者ランクの昇格ポイントが付く。これは各地の治安維持の為に設定されているクエストなのだ。
討伐した魔物の部位を提出する事で、報酬を受け取れるのだが、報酬とポイントがどんな魔物でも一律のため、基本的にはルーキー向けのクエストだ。
ある程度力がついた冒険者はわざわざそれをクエストとして見ることは無い。
「ティアは俺たちと別れて何かしてると思ったらフリクエを受けてたのか。」
「そう」
「だからレベルもかなり上がってたのね!」
「んっ」
ティアは街や王都での隙間時間を利用して自身のレベルアップの為、魔物を狩っていたというのを全く知らなかったベルゼとリエル。
2人に追いつきたい。その気持ちから魔物をひたすら狩っていたのだ。
「でも…そんなに焦る必要はないんじゃないか…?」
「焦ってはない」
たしかにティアは2人に比べるとレベルは低い。
だが、他の同ランクの冒険者に比べると確実に高いだろう。現状2人の足を引っ張っている訳でもない。
大袈裟に言ってしまえばレベルなんてただの数字でしかない。…もちろんステータスに関わりはあるのだが。
「ベルゼにだけは負けたくない」
「前から気になってたけど、なんで俺には負けたくないの?」
「……内緒」
なんでやねん。
そこまで張り合われたら気になるじゃないですか…
「そのうち教える」
「はあ…」
まあ無理に聞き出す事でもなさそうだし、ティアの口から出てくるのを待つか。そう思いながらベルゼは目の前のクエストボードを見やる。
一向はセレスタンの街にあるギルドへと来ていた。
ベルゼの言った、クエストボードに貼ってあったクエスト。
「近海の主"シーサーペント"の討伐」
これを受けるためだ。
「こんにちは!どのようなご用件ですか?」
「こんちは〜このクエスト受けたいんですけど。」
「近海の主の討伐ですか…Bランク以上の設定になってますけど大丈夫ですか…?」
「ん!」
「大丈夫っ♪」
「あー多分大丈夫?」
3人はギルドカードを提示する。
大体初見のギルドでは3人の見た目からもっと低ランクだと思われる事が多い。
「そう…てすか、では頑張ってくださいね!」
歯切れの悪い受付嬢からシーサーペントがよく出没する場所や、クエストの詳細を聞いてから現場に向かう3人だった。
♢
「さて…どうしたものかな……」
シーサーペントのクエストを受けたものの、しばらく砂浜に立ち尽くした後にベルゼはそう呟く。
探知魔法には引っかかってはいるのだ。
が、それは浅瀬ではなく完全に海の中なのだ。
「こういう事だったのね…受付嬢さんの歯切れが悪かったのは…」
「不覚」
そう。今回のターゲットはシーサーペント。
根城にしている場所は陸ではなく海中なのだ。
人間は海の中で活動できる時間も行動も制限される。
当たり前の事なのだが、3人はすっかり忘れていた。
「目撃情報もある事だから、てっきりすぐ見つけて戦えるのかと思ってた…」
「どうする?」
「チートリーダー」
おい、その呼ばれ方すげえ嫌だな!
空中から雷の魔法をぶち込んでみるか…?
いや、確か海水の電導率ってそんなに広範囲ではなかったな。それなら辺り一帯に…いや無益な殺生になってしまうな…
当然海の中に住む生物だっているのだ。
むやみやたらに雷を落としてこの海域の魚介類を死滅させてしまう事は避けたい。貴重な魚介類だからな。
ベルゼは顎に手を当ててしばらく考え込む。
今まで培ってきた海の幸を獲る方法……
「釣るか?」
海の幸を得る最もポピュラーな方法、釣り。
シーサーペントを釣る。とても現実的じゃなさすぎて自分で笑ってしまった。
釣りの趣味があったわけでもないし、知識があるわけでもない。
ましてや大型の魔物。それを釣る為の竿や糸や釣針など急遽用意が出来る訳がない。
「釣るって…シーサーペントを!?」
「冗談だよ。」
「チートは?」
ティアは俺に何を期待してるんだ…。そもそも俺はチーターじゃない。特典で貰ったスキルだ。ズルはしてないぞ。
チート呼ばわりするティアにちょっとムッとしたベルゼだったが、今はそれどころではない。
せっかく冒険者ランクを上げるために依頼を受けているのに、失敗で終わるとなるとランクアップが遠のいてしまう。
ベルゼは再び顎に手をあて考え込むのだった。
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