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夢にまで見た異世界でのんびり冒険者をやりたい人生だった  作者: りるお
第2章 - 中級冒険者編 -
77/142

第77話 - 王城にて -

「続きが読みたい」「面白い」等思って頂けたら感想やブクマなどお待ちしてます。とても嬉しい&やる気に繋がります!



それでは第77話です!



♢ カフェ「フローリア」




「しっかし固い守りだったなあ」


「難攻不落」



おしゃんなカフェで作戦会議を始めた3人。

紅茶を片手に流行りのケーキを食べている。



「うーん。もしかしたらって思って行ったけど…普通は申請してから謁見するまでに1年以上かかるらしいからね…どうしよっか…」


貴族や商人をはじめ、王に会いたい者は多い。

だがその1人1人と一々会っていたら王も職務が真っ当できない。そのため申請制度になり、謁見したい者は年単位で待ってようやく会えるそうだ。


それでも申請無しで合わせてくれと言う者が頻発したため、衛兵によって止められるそうだ。

だが、感心するのは子供だから、冒険者だからと言って衛兵はベルゼ達を見下す事はなかった。



「この世界の人達って優しいよなあ。」


「そうでもない」


「ベルゼのいた世界はどんな感じだったの?」


「あーどうだろう?この世界も同じだろうけど、人によって…かな?でもこの世界の人の方が優しい…というかギスギスしてない?かな。」



前世は生きる為に仕事をして、仕事の為に生きているようなものだった。もちろん全てがそうではないが、同じような境遇の人は多かった印象だ。

そのせいか人間関係も上手くいかない事も多々あった。


働けども何かにつけて税金で搾取され、黒い企業も多く、不安定な生活を送る者もいた。お偉いさんは、そういう者に目もくれず、片や他人の粗探しに税金を使っている。そんな国では将来を悲観する者は多かっただろう。


かくいうベルゼ(弥生)も半ば諦めていた節はある中で事故に遭い、この世界に転生したのだ。



「まあこの世界より良くない所だったかなあ。」



戻りたいかと聞かれたら、確実に現世を選ぶだろう。明日の事など分からないのはどちらの世界も一緒だが、こちらの方が確実に楽しい。ベルゼは今、生を実感している。



「いらっしゃい。ティアちゃんのパーティメンバーさん達ね?」


「フローリア」


「「こんにちは」」


「はぁい、こんにちは!可愛い子達ね!」


「ぷぷっ」


「おい。」


「あらぁ?…もしかして男の子だったの?」


「ええ、まあ…」


「それはごめんなさいね!」


「あー大丈夫です、最近慣れてきましたから。」


「ふふ、その見た目じゃあねっ。私はフローリアよ。改めていらっしゃい、来てくれてありがとう。」


「ケーキ美味しいですっ!」


「それはありがとう〜!」


「フローリアさんはティアとどういう経緯で知り合ったんですか?」


「あら、ティアちゃん言ってなかったの?」


「んっ///」


おかわりのケーキを頬張るティア。

普段口数が少ないティアだが、幸せそうにケーキを食べるその姿はなかなかレアだ。ケーキもフルーツがふんだんに使われていて、見るからに美味しそう。じゅるり。



「私とティアちゃんは、昔、臨時のパーティメンバーだったのよ。」


「はぇ、ティアとパーティ組んでたんですかぁ。」


「と言っても少しの間だけよ。2クエストくらいだったかしらね?」


「んっ」


「もともと組んでいたパーティも年齢的にクエストを受ける事も少なくなって、解散しちゃってね。私も年齢的にそろそろ冒険者を辞めようと思っていた時に、複数人合同のクエストで初めてティアちゃんと一緒になったのよね。」


年齢的に。

確かにフローリアの見た目は若くない。

おそらく40代くらいだろうか。

そのくらいの年齢で冒険者を引退するのか…



「ん。」



食べていたケーキがあっという間になくなってしまったティアは少し寂しそうだった。

リエルの前で口にケーキを含んでいた為、食べながら喋らなかったのは朝の教訓が無事いきたのだろうか。


「その時は喋る事もなかったんだけどね、私が最後に受けたクエスト…ここ王都ルートニオンまで商人さんの護衛ね。そこで一緒になったのよね!」


「そう」


「最初はあんまり喋らない子ってイメージだったけど、慣れてくると表情で大体分かるのよね」


「へぇ〜」


「え、ベルゼ…もしかして分からないの…?」


「え?むしろ分かるの?」


「えー!凄くわかりやすいのにっ!」


「そ、そうなのか…」


「護衛のクエストは希望者は片道だけでも良かったから私はそのまま王都に居ついて長年夢だったお店を開く事にしたの!」


「私は往復した」


「夢が叶って繁盛してるからすごい」


「うふふ、今は冒険者やってる時より忙しいのよ。」



嬉しい悲鳴だろう。

夢を叶えて、尚且つ成功しているのだから凄い。



「フローリアが楽しそうで良かった」


「ティアちゃんも素敵な仲間に恵まれて良かったわね!皆さんティアちゃんをこれからもよろしくお願いしますね!」


「「はーい」」


「………」



フローリアは冒険者を引退する程の年齢…つまり下手をするとティアと親子くらいの年齢差がありそうだ。


それでも下の者を見下さず、対等に接しているのは冒険者だからなのだろうか。

いや、フローリアの性格だろうな。

いずれにしてもだ。たかだか少し歳が上なだけで先輩ヅラをするような人間が多かった前世と比べるとやはりこの世界は良い。つくづく思うベルゼだった。そんなフローリアは店番があるからと戻って行った。




「俺さ、もう一回衛兵に頼みに行ってくるよ。」


「え!それなら私たちも行くよ!」


「いや…その。やっぱりこういう所って居辛くて…」


「あーなるほどね…笑」


「のんびり行ってるから、2人はもう少し楽しんでから来てよ。」



そう言うとベルゼは辺りを見回しながら席を立つ。

繁盛している店だが、殆どの客は若い女性なのだ。

男なのはベルゼだけのようだ。…やはり中身アラサーのベルゼには荷が重かった。


女どおし(・・・・)楽しむ」

「少ししたら追っかけるねっ!」


左手を上げて返事をするベルゼは再び王城に向かうのだった。






「探知魔法にサラの反応は未だに無し…か。流石に探知魔法に引っかからない方法とか無いよな…?」



2人と分かれたベルゼは、王都ルートニオンの名所である王城まで続く長い長いメインストリートを歩く。

ストリートの両サイドは店が立ち並び、祭りかと思うほど活気があり賑わっている。


それにしても昼頃になるのに、一向に探知魔法にサラが引っかからない。

あのサラがまさか追いかけて来ないとは考えていなかったので、探知魔法をすり抜けられる方法があるのかと疑ってしまう。



「とはいえ流石にそれは難しそうなんだよなあ…」


「また来たのかさっきの冒険者。何をぶつぶつ言ってるんだ?」


「あ、いや…もうここまで来てたか…」



サラの事を考えていたら王城の門まで来てしまっていたようだ。



「考え事か?いくら考えてもこの門だけは絶対に通せないがな!はは!」


「だよなーあ。」


「力づくで入ろうとか考えるなよ?ここを突破したら1級犯罪者として指名手配されるからな!」



あー。なんかそんな制度あったな?

久しくその単語を聞かない生活を送ってたし、犯罪者になるような事はしないからすっかり忘れてたな。



「せめてサラの事を伝えて貰うか、サラに近しい人に合わせてはもらえないか?」


「それも出来ないな!俺はただここの門番なだけだからな!」


「(下っ端なのかおっさん…)」


「おい、なんだその顔は?下っ端なのかとでも思ったか?」


「い、いや。どうしようかなーって思っただけだ。ははっ」





すると衛兵(おっさん)の後ろから見覚えのある男が歩み寄ってきた。



「どうしたんだ。」


「っ!!!ミハエル様!!!」


「お前…この前のストーカー!」


「馬鹿!お前!冒険者!ミハエル様になんて失礼な事を!!」


「は?」


「お前知らないのか!冒険者やってたら普通知ってるだろ!この方は、数少ない宮廷魔法使い!その長だぞ!宮廷魔法使い長!ミハエル様だぞ!」


「え、ストーカー。宮廷魔法使いなの?」


「だから!お前!死にたいのか!!」


「いいよ。ところでここで騒いでどうしたんだ?」


「いや、騒いではないけど。あ、宮廷魔法使い長って事はサラの事は知ってるよな?」


「もちろんだ。」


「なら良かった。この前サラに会ったんだ。」


「サラに?確か、ミオドアルのスタンピード殲滅に行っていたと思ったが?」


「そうそう。そこで会ったんだけど、俺の事を気に入ったのか知らないけど、なんだっけ、捕縛魔法?半透明の立方体で閉じ込めるやつ。アレで俺を捕まえようとしてきたんだ。人が変わったみたいに。」


「! …人が変わったみたいに…」


「どうした?」


「いや、なんでもない。それで…お前は捕縛魔法から逃れて文句を言いにここまで来たと?」


「うーん。文句を言いたいっていうか、今後サラに怯えながら生活するのが嫌だから、俺に近づかないように上の人から言ってほしいと思って来たんだが…」


「なるほどな。アレからどう逃れたのかは分からんが、 S級冒険者に付き纏われる事を心配する気持ちは分かる」


「逃れた方法は企業秘密ね。」


「きぎょうひみつ?」


「あ、いや、何でもない。それより宮廷魔法使い長さんなら、どうにかしてくれないのか?」


「ふむ。…そんなお前に朗報だ。つい先程サラから通信連絡があって、魔法研究で彼女が使っている島に篭るから暫く戻らないと言っていたぞ。」



なんだ通信連絡って?

この世界に通信する手段があるのか?

魔道具とかなのかな?


「島ってどこなんだ?」


「さて、詳細な位置は分からんがルートニオンの北にある海に浮かぶ小島と聞いた事があるな。」


「王都の北か。ならつけ狙われる心配はそこまでしなくて良さそうだな。」


「お前…どんな魔法を使ってサラの気を引いてしまったんだよ。」


「内緒。」


「まあ、お前の事だから大層な魔……」


「…?どうした?」



















ベルゼは気がついていなかった。


ミハエルの髪の色が、ベルゼが1番好きな髪と同じ色だと言う事を。


ティアとリエルがカフェからこちらに向かっていた事を。


そして今世の生きる意味として、自身の命に変えても守ると決めたリエルとミハエルの顔が少しだけ似ているのを。


























「おにいちゃん………?」















お、義兄さん……!?




ご覧頂きありがとうございました!!


「続きが読みたい」「面白い」等、思って頂けたら感想やブクマ、高評価などお待ちしてます。とても嬉しい&やる気に繋がります!


それでは次話もよろしくお願いします!


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