第76話 - 記憶 -
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それでは第76話です!
「リエル!逃げろ!!!」
突然聞こえた怒号のような、諭すような声。
辺り一面から火の手が上がり叫び声や呻き声が入り混じっている。
「おにいぢゃん…おどうさんどおがあさんが…」
「分かってる!俺たちを守ってくれたんだ!」
「な"ら"はやぐにげようよ…」
「だめだ!もうすぐ追いつかれる!俺が食い止めるからその隙にお前は逃げるんだ!!」
「やだよ…ごわいよ…」
「泣くな!父さんと母さんの分まで生きるんだ!」
「むりだよ…いっじょににげて…」
「このままだと2人とも殺されるんだ!お前だけは生きてくれ!頼む!俺の言う事を聞いてくれ!」
「ぐずっ…うぅ…」
「くっ!もう来やがったか!リエル!頼むから!」
リエルに気を取られていた彼は背後から急接近してきた魔物に一突きにされる。
「うああああああああああああああああおにいぢゃゃゃん!!!!」
「リ…エル…泣くな…にげ…ろ…」
その言葉を最後に彼は絶命し、その瞬間リエルの眼前全てがブラックアウトする。
「……っ!!はぁ…はぁ………」
布団からガバッと起き上がり、辺りを確認すると隣にはすやすやと寝ているベルゼがいる。
「よかった…」
あの悪夢はわたしの前世の最後の記憶。生まれ変わったのに、夢としてたまに見る事があるんだけど、いつまで経っても嫌な思い出。
「…ふぅ。嫌な夢見ちゃったなぁ。」
この嫌な思い出を断ち切る為に今世は魔物を、ひいてはその根源である魔王を倒す。そう決めたんだ。
そう思いながら布団に潜りつつ、ベルゼにぎゅっとしがみついて眠るリエルだった。
♢
「ぬぁあ…!すっかり寝てしまった…!」
朝飛び起きたベルゼはすぐさま探知魔法を確認する。
「おや…?サラはまだ範囲外か?」
サラのあの感じだと、一晩あれば余裕で探知魔法の範囲内に入っていると思ったのだが…
「べるぜー?おはよう?」
「おはよう、なんで俺のベッドの方にいるんですかリエルさん?」
「えへへー?」
全く!可愛いは正義だな!
嫌な気が全くしないどころか朝から色々冒険したくなるな!全く!
そんなリエルはあくびをしたのか、目が赤くなっている。金色の髪は陽の光に当たって輝いて見える。
「綺麗だなぁ。」
「もぅベルゼ、くすぐったい!」
お腹も空いたし、リエルの髪をわしゃわしゃするのをやめてご飯といきますか!
「というわけで今日は王城に行くよ!」
「もぐもぐ。(こくん)」
「というか(もぐもぐ)いきなり行って(もぐもぐ)王様に会えるの(もぐもぐ)」
「ティア!食べてる時に喋らないの!」
「もぐもぐ(こくん)」
ティアがリエルに注意される朝食は然程珍しくない。
ベルゼは以前リエルに注意されて以来、食事中に喋る事が少なくなった。特に口に食べ物が入っている時は尚更。
というより最近食欲が更に増した。
話しを聞くより目の前の食べ物に集中する事が多くなったのだ。
「実際行ってみないと分からないよね…わたしも王城の中に入った事は1度しかないんだけど…」
以前リエルは王城に入った事があるらしい。
なんでも、ある街に甚大な被害をもたらしていた魔物を討伐した際、王城に呼ばれて王と謁見したそうだ。
普通、冒険者が王に謁見する機会は極めて少ないらしいのだが、王都から送られてきた使者がその功績を褒めていたそうだ。
リエルは後になってから使者が来ていたのを知ったそうだが、リエルはその街で使者を見た覚えはないと言うが…
「まあとりあえず行くだけ行ってみてから考えようか。あとは消耗品とかの買い出しかな。ここ最近働きっぱなしだったし、サラが探知魔法に引っかかるまではのんびりしても良いなぁ。」
「賛成!ねぇ!ティアのお友達がやってるお店に私も行きたいっ!」
「一緒に行く」
「なら俺は魔法研究しようかな…いやでも2人と一緒にいた方が良いか…?」
こういう状況なのだが、ティアの知人がやっているお店と言うのは若い女性客が多いカフェなのだ。ベルゼは今でこそ幼いその見た目は女の子と言っても分からないが、それは見た目の話である。中身は前世でいうところのアラサーなのだ。
若い女の子ばかりのお店に行くのはどうも気がひけてしまう……
「えーベルゼも一緒に行こうよー!」
「ベルゼちゃんも見た目は可愛い」
「おいティア。」
「ふっ」
最近なんかティアに揶揄われる事が多くなってきたな?だが俺も揶揄うし、パーティメンバーとしてだいぶ打ち解けて来た感があって良いなぁ。
そんな事を思いながら仕方なくカフェに同行する事を決めたベルゼだった。
♢ 王城正門前
「ダメだダメだ!何度言ったら分かる!王城へ入るには事前に申請が必要なんだよ」
「そこをなんとか!」
「王様お付きの冒険者サラの事でこちらは被害を受けたんですけど。」
「ダメだ!お前の言う話が本当ならそれは申し訳ないが、それを証明する事もサラ様もここには居ない!お前の話だけで王に合わせる事はできないんだ!」
このおっさんの言っている事は真っ当である。
もちろんベルゼ達はギルドカードを見せて自分らの素性は明かしている。
王城に入るには事前に申請する必要がある。
どこの世界でもルールは守らねば。
「むぅ。ベルゼここは一旦退こう」
ティアの提案で一向は王城の正門を後にする。
「先にカフェに行って作戦会議」
「そうだなぁ。。」
そんな気はしていたが、やはり門前払いか…
このままじゃサラにつけ狙われるかもしれない恐怖と毎日隣り合わせか。それは面倒だしすごく嫌だなあ。。。
「新しいケーキを作ったらしい。人気で昼過ぎには完売するって」
「何か案があるのかと思ったら…」
そう。ティアは話題のケーキを心配しての事だった。
とはいえ、門前払いで妙案もないし、ここは一旦策を練りにカフェへと向かう事に賛成かな。糖分でも摂取して頭を切り替えようか。
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