第73話 - 闇×闇 -
突然ですが、小説を書くにあたって題材をどうしようか。と考えた時に、色々考えたのですが昔見て好きな映画の世界観を取り入れたいと思いました。その映画を今日たまたま見ていたので、前書きに書かせて頂きました。
その世界観は現段階では分かる人には分かるかな?程度にしか書けてないつもりですが、物語もそろそろ動き出したいところです。
今後ともよろしくお願いします!
それでは73話です!
解放された魔力によって空気がひり付く。
最近気がついたけど、普段魔力を抑える事によって解放した時の魔力が緻密になっている気がする。
魔力を練る時も以前より隅々までコントロールできている気がするし、良い練習になってるのかな?
そんな事を思いながら、発動する魔法をイメージする。
今回は以前のスタンピードより数が圧倒的に多い。
冒険者側には負傷者も出ていて、これ以上戦闘が長引くと更に増えるだろう。ここは質より量だな。
削り切れなくても動きを鈍らせれれば、他の冒険者も楽だろう。
「と、なるとアレだな。前から試してみたかったし。」
そう言うとベルゼは目を閉じ、魔力の流れに集中する。全身を駆け巡る魔力を感じるとそれをイメージと組み合わせて魔法にする。
これがベルゼの固有スキル"創造具現化"だ。
イメージが固まったら最後に放出するだけだ。
タイミング良く発射の合図の閃光魔法が空に打ち上げられる。
「冥闇星雲!!」
ベルゼから放たれた闇魔法。
それはベルゼの中で闇属性最強の魔法、"常闇の流星群"から発想し、新たにアレンジした魔法。
「ほお!出来るかなとは思ってたけど実際出来ると良いね。」
ベルゼが組み合わせたのは闇属性魔法に闇属性魔法を組み合わせたものだった。
ブラックバレットと言っても普段使う弾のサイズでは無くかなり大きい。例えていうなら、ボーリングの球ほどの大きさだろうか。
突如上空から暗黒の塊が無数に降り注ぐ。
これが光属性だったらさぞ綺麗だろう。
残念ながらベルゼは光魔法が使えないので見る事はできないのだが…。
降り注いだ暗い塊は地上に直弾すると雲の様に広がっていく。そして次第に暗黒の霞が辺り一帯を包む。
直接被弾した魔物はその姿を消失させ、当たらなかった魔物は黒い雲海に飲み込まれていく。
おおよそ3000ほどいた魔物がすっぽり雲海に覆われたところで、ベルゼはとどめの一撃を加える。
「地獄の闇炎」
ベルゼから放たれた漆黒の炎は広範囲に広がる。
そして、黒い雲海と交わる事でその火力が増し、その炎は生き残った魔物を全て燃やし尽くすまで消える事は無かった。
その光景を後方の陣営から見ていた冒険者達は口々にあの日、地獄を見たと言う。
♢ ?
「……っ!東の魔物が全滅した。」
少年のような姿をした男がそう呟く。
「本当に!?結構数いなかったかしらぁ?」
「最後に見た時は1万近くいたはずだけど。」
「と、なると…Sランクが出てきましたか」
「…多分そうねぇ。」
そこに集まるのは4つの影。
一人は筋肉隆々の大男。一人は少年のような面影を。一人は真っ白な髪と素肌に染まる女。一人は寡黙な執事の服装。
「だから言ったであろう!我輩が直接出向くと!それを魔物なぞ使ったからこうなるのだ!」
筋肉男が吠える。
「アガレスうるさい!東は陽動だから良いの。本命は西。」
アガレスと呼ばれた大男の声に対して少年が苦言を呈す。
「Sランクは久しいですね。ちょっと行ってきても良いでしょうか?」
「ここで万が一でも私達が削れられるような事があったら困るわよぉ。」
「ならば我輩も行くぞ!」
「それはダメだよ。アイツに怒られる」
「パディンの言う事なんて気にしなくても良いじゃないかしらぁ。」
「陛下のお気に入りだからなあ…後々面倒になるよきっと。」
「じゃあどうするの?Sランクはほっとくのかしらぁ?」
「それなら私の部下を向かわせましょう」
「それが良いかな。時間稼ぎ程度が出来る部下でお願い。」
「ぐぬぬ!我輩部下はいないのだ!」
「人徳が無いからよぉ〜」
「リノラス貴様!…くそう!」
男は怒鳴りながら拳を振るう。
近くの大岩が粉々に粉砕された。
「アガレス。落ち着いてください。私達の部下を向かわせますが、貴方には陛下から直々のご命令で西を落とす任務があるじゃないですか。」
「分かっておるのだが!強い者と闘いたいのは性なのだ!」
「そろそろ私達も動きましょうよぉ〜」
「そろそろ囮も潮時だし、こちらも作戦に取り掛かろうか!」
「そうねぇ〜」
「畏まりました。」
「ふんッ!」
「では」
「「「「全ては魔王陛下の為に」」」」
そこにいた4の影は一瞬にして消え去った。
♢
「いやー!魔物倒したのに逃げる羽目になるとは思ってなかった!」
「もう!ベルゼが言い出したんでしょ!」
「もっと戦いたかった。」
「ごめんごめん!」
魔物のスタンピードを全滅させたベルゼだったが、現在パーティメンバーのリエルとティアと一緒に森を走っていた。
最後の魔法、「地獄の闇炎」を放ち、魔物が消失した直後の事だ。
まさかクロが血相を変えて来るとは思っていなかった。
『主、例の女に動きがあった。猛スピードでこちらに向かっているぞ!』
「え、なんで?」
『おそらく主の異混魔法を感知したのだろう。混織霊気を発動した瞬間から動きがあった』
♢ ー少し時を遡るー
リエルが魔物の動きを止める魔法 "硬結の真価を発動し、冒険者達が退いた後のこと。クロはサラの様子を影から覗いていた。
サラは陣営の奥まで下がった後、1人で魔法陣を展開しながら混合魔法研究の成果について、ぶつぶつやっていた。
「うむ…ここを弄ると火力に繋がりはするが…発動時間が長くなってしまい…更に魔力ロスも増える…か…ではこちらを弄ると…ふむ…うまくいかんな。」
どうやらスタンピードへの初撃に使った魔法を再構築しては、消してを繰り返していた。
「……っ!!!」
クロがベルゼの混織霊気を発動を感知した瞬間、それはサラも感じ取っていた。
「この魔力!まさか魔族………いや、この感じ。あの少年か!!!」
サラは今まで再構築していた魔法陣を非展開し、魔力感知に集中する。
「なんだこの魔力の流れは…」
ベルゼとサラの距離はかなり有り、隔てる物も魔力を持った冒険者も2人の間には当然いる。
それでもベルゼの魔力をピンポイントで感知できるのはSランクたる所以だろう。
「私が今まで視た事のない魔力、あの時視ておくべきだったか。あの少年は一体何なのだ。」
ベルゼが混織霊気を発動し、魔力を高めイメージ通りに、闇属性魔法と闇属性魔法の複合魔法を繰り出す。
「これは…単純な闇属性魔法ではない…?闇と闇を重ねた魔法だと…?ばかな!複合魔法…だというのか?」
複合した魔法である。
ただし、普段使っていた別々の魔法ではなく、今回は同じ属性魔法の組み合わせなのだが。
「私が長年研究して辿り着いた魔法をあっさりと…一体何なのだあの少年は!彼を研究したら私の欲求が満たされるのは間違いない…!」
そう言うとサラは周りの目など気にする様子もなく一目散にベルゼの元へと駆け出した。
『む、動いたか。しかし主の魔力をあそこまで感知できるとは。主が警戒するのも分かる。それに確かにあの眼は……いかん、こうしてはおれぬ、あの女は主の元へと向かっているだろうから我も急ぐとするか』
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