第69話 - 異名 -
投稿頻度が落ちてしまって大変申し訳ありません。。
小説とは関係ない本業の方が全く落ち着かず、年末まで忙しそうです…
少なくとも2日に1回、もしくは3日に1回程度には投稿したいと考えています。
楽しみにして下さっている方には、本当に申し訳ありません。。
「あれ…?思ったより人少なくない?」
「そうね…?」
ここはミオドアルのギルド支部。
スタンピードがこちらに向かっているとの事で、王都から飛んできたのだが、思っていたより閑散としている。
ギルド本部の長、Sランク冒険者のウォーデンは、確か王都周辺から冒険者が向かっていると言ってたが…まさか…
「街、間違えた…?」
「そんな事はないと思うけど…」
「とりあえず聞いてみるか…」
思っていた以上に閑散としていたギルドの入り口で立ち尽くしていた3人は、受付窓口に向かっていく。
「こんにちは〜。ここってミオドアルのギルドであってます…か?」
「はい!そうです!どのようなご用件でしょうか?」
「あ、合ってるんだ。スタンピードの対応で王都から来たんですけど…思ってたより人が少なかったんで…」
「王都周辺の街から冒険者が向かっていると通達はありましたが、まだあまり到着はしてませんね。それと現在スタンピードの対応で職員が出払ってしまっているので閑散としていますね」
「そうなんだ。とりあえず依頼という形になってるって聞いたけど、ここで受けれるのかな…?」
「あーその…お気持ちはありがたいのですが、今までのスタンピードとは比べ物にならない数なのです…なのでBランク以上の冒険者か、Bランク以上のパーティしか依頼を受けられないんです…」
「え、俺らってBランクパーティだったよね…?」
「え??」
この世界のパーティランク数値は、所属メンバー全員の中間の値となる。
ベルゼのパーティ"冥府の使者"の所属は現在3人。
順にリエル(A)、ベルゼ(B)、ティア(C)なので、Bランクパーティとなるのだ。
「大変失礼ですが…念のためギルドカードを見せて頂けますか…?」
「私はAランクよ!」
そう言いながらリエルは受付嬢にギルドカードを手渡す。
「こ、この紋章は…アルスロー家の…!!お名前は…リエル…さん…?もしかして……無詠唱の輝姫…!!?」
「あはは…そんな呼ばれ方した事もあるかなぁ…」
照れ臭そうに頬をかくリエル。
ベルゼにとっては初めて聞く名前だ。
「なにそれ?」
「ベルゼ…まさか…知らないの……?」
「え?知らないけど…??」
「リエルは異名持ちの冒険者。ずっと一緒にいたのに本当に知らなかったの?」
「異名持ち…???」
「あきれた。冒険者の中にはその功績や、経験から異名を付けられる事がある。リエルは実績と、その戦闘スタイルから"輝姫"と呼ばれる事がある」
「へー!初耳なんだけど!なにその厨二感満載の呼び名!リエルさん、姫なの???くっくっくっ!」
「もー!笑わないでよ!自分で名乗ったんじゃないから恥ずかしくて嫌なんだからぁ!」
「ごめんごめん、1年近く一緒にいるのに初めて知ったし、リエルが厨二のイメージがなかったからさ!」
「ベルゼは相変わらず」
「ん…?」
「いいから、ベルゼもギルドカード渡してみて」
ティアに言われるがまま、少し唖然としている受付嬢にギルドカードを手渡す。
「ベルゼ…さん…?うそ…ですよね……まさか…"驟雨"?…そんな…あなたが、アルスローでのスタンピードを悪魔の様な笑みを浮かべながら殲滅したという……そして竜を地面に引きずり下ろした後、地獄の雨を降らせ討伐したという…」
「おいおい、そんな事誰に聞いたんだよ…」
「以前王都からミオドアルに来た冒険者さんからです…。アルスローのビエラさんが王都のギルドで凄い新人がアルスロー家に付いたと自慢してたそうです…」
「ビエラ……?」
「アルスローのギルド長よ!」
ベルゼの脳内で、ほわんと浮かんできたのは、男勝りなギルド長。
「あっ…あの人か。」
「何となくだけど、ベルゼのイメージするビエラさんが想像できたよ?」
「あの人さ!俺たちが旅立つ時に王都に行ってたよな…?王都まで行って何してんだよ……」
そう。ベルゼ達がアルスローを経つ数日前から王都に行っていたビエラ。結局、挨拶も出来ずアルスローを経つ事になったのだが、そんな事をしてたとは。
「まって。それより"驟雨"ってなによ…俺の事なの…?」
「もちろんベルゼの事。貴方も異名持ちの冒険者。」
「なにその厨二の中でもちょっと渋い感じの異名…」
「私はゴルティアにいたから見てないけど、竜を倒した時の様から付けられたと聞いてる」
「あの時わたしはアルスローから見てたけど、竜がいきなり地面に叩きつけられたと思ったら、急に超高火力の魔法が空から連発してて、まるで雨みたいだったよ?」
「うわぁ……街から見えてたのか…」
あの時はベルゼが混織霊気を使える様になったすぐ後で、己の持てる全てを出し切って竜を倒したのだ。それが街から見たら雨の様に魔法が降っている様に見えたとの事だ。
「俺も厨二名をつけられていたとは…」
「自分の異名まで知らないとは」
「だって呼ばれる事ないじゃん!それに知ってても恥ずかしくて言えないわ!」
「恥ずかしい…?格好良いだろう!私が異名持ちにどれだけ憧れたと思ってるの!」
「ええ………」
そういえば、ティアの必殺技"夢想一閃"や、"紅天十字斬り"などと厨二っぽい技名を思い出すベルゼ。
ああ、この子はそういう病に侵されているのか。
半ば可哀想な人を見る目でティアを見る。
「なにその目は」
「いや、なんでもないよ。」
「なんでもある目。私もいつか異名持ちになる」
そう言いながら自分のギルドカードを窓口に叩きつけるティア。
「あ、ティアさんは普通なんですね。」
「どうせ普通」
「まあまあ…将来異名持ちになれるといいね…」
「くっ!くやしい。ベルゼには負けたくない」
「もぉ!2人とも!スタンピードが来てるのに緊張感なさすぎるよ!」
「「はーい…」」
大事な事を忘れる所だった2人だった。
早々に依頼を受けて、スタンピードの対応に向かわねばならないのだった。
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