第68話 - Sランク冒険者 -
この世界で初めてのSランク冒険者が登場します。
今後行くであろう街の名前が少し出てきます。
古い地図と照らし合わせてご覧頂けたら幸いです。
それと、そろそろもう少し冒険者をやろうかなと思います。
♢ギルド 本部
「うーーーん。王都なのに討伐依頼って思ってたより少ないな。」
「それもそうなのよね…王都周辺は治安維持のため騎士が定期的に討伐してるから!」
「むう。残念。」
王都に設置されたギルド本部に足を運んだのはこれが2度目だ。1度目は、ギルドの本部がどんなものか見たかった為、王都に来てからすぐに顔を出したのだが、その時はあまり依頼ボードを見ていなかった。
王都の一等地に建てられたギルド本部は、王都で依頼された地方の依頼を、対応する各支部へと振り分けたり、逆に達成依頼の報告を纏める業務が主である。また、冒険者が王都へ来る道中の小遣い稼ぎや、騎士の王都周辺の治安維持活動が盛んである為、王都近辺での討伐依頼は少ない。
「参ったなぁ。どこか違う街に行くか…?」
「そうね…それも考え」
「大変だ!!!東の辺境"フロンターナ"より通達!魔物のスタンピードが西へと進行しているとの情報だ!」
「なんだと!」
「西へと向かってるって、こっちに向かって来てるのか!」
「おい!その前に"ミオドアル"を通るんじゃないか!?あそこは俺の地元なんだ!」
「ミオドアルは酒の名産地だ!こうしちゃいられねえ!今から向かうぞ!!」
「ね、ねえベルゼ!」
「ああ、新しくなった武器の試し斬りには丁度良さそうだね。」
「魔物たくさん」
「そうじゃなくて…」
呆れ顔のリエルさんである。
「待て!話を最後まで聞いてくれ!確かにフロンターナ方面から西となると、ミオドアル方面で間違いないが…数がやばい!」
「やばいって、どの位の数なんだ!」
「すでに5000は優に超えているらしい!!」
「なん…だと………」
「終わったわ」
「それは流石に難しいでござる…」
「馬鹿な!通常のスタンピードより何倍も多いじゃねえか!」
「ああ、なんでも進行しながら周囲の魔物も取り込んで大きくなっていってるらしいんだ!」
「マジかよ…」
「ね、ねえ!もしそのままミオドアルが飲み込まれて…そのままこっちに向かってくるとしたら……」
「おいおいおい!そいつはやべえ!」
「その前に叩くしかねえ!」
「で、でもっ!5000もの数なんて!!」
「聞けーお前ら!!!」
「なんだ!?」
「うるせーぞ!誰だてめー!」
「お、おい!」
「まさかあの人は…」
「ああ。Sランク冒険者で現ギルド総長の…!!」
「あれがウォーデン様…?」
「うそ、初めてみた!!」
「イケおじ…」
「お前らギルド長の顔くらい覚えとけ!…よく聞け!魔物のスタンピードが発生したという情報は間違いない!だが、すでに王都周辺の街からBランク冒険者200名、Aランク冒険者50名、S級ランク1名が向かっている!」
「おお!!」
「Sランク冒険者が出張っているのか!?」
「助かったあ!」
「で、でも本当にそれだけの人数で勝てるのか…?」
「そうだ!Sランク冒険者も出張っているが、魔物の数があまりにも多い!そこでだ!王都からも冒険者を出す!これは依頼という形での参加になる!国から補助も出るから依頼料は高いぞ!力のあるヤツは参加してくれ!」
「おお!!!」
「やったぜ!!」
「私ちょうど稼ぎたかったのよねー!」
「だが!油断するなよ!もちろんお前らの力を信じていない訳じゃねえが、これほどまでの数はそうない!無理だけはするなよ!!」
「「「「「「「「おおう!!!!!」」」」」」」」
「なんだ?あの人?」
「彼は"ウォーデン" 数少ないSランク冒険者で今は、このギルド本部のギルド長をやってるの!」
「へえ。初めてSランク冒険者見たな。」
「Sランク冒険者の数は本当に少ないと聞く」
「どうりで見ないわけだ。…Sランクってどのくらい強いんだろう?」
「Sランク冒険者の力量はそれぞれだけど、彼から滲み出る魔力からなんとなく強さは分かるでしょ?」
「ああ…強いな。」
「彼は若い頃に下位の竜を討伐したって噂もある人よ!」
「それは凄いな…人間辞めてるな…」
「「……………」」
「え、なに…?」
「なんでもないよ…さあ私達も行きましょ!」
「そうだね、しかし5000って凄いなあ。」
「がんばる」
「(ほう。アイツがミハイルの言ってた若造か。なかなかやりそうだな)」
一向はスタンピードの討伐依頼を受けた後、王都と東の辺境の街"フロンターナ"とちょうど中間にある街、"ミオドアル"へと向かったのだった。
♢
「スタンピードはミオドアルまで到達してなくて良かったー。」
「そうだね!」
「魔物は徒歩。私達は空も飛んだし…」
青ざめた顔をしているのはティアだ。
一向はスタンピードの報せを聞いた後、すぐにミオドアルを目指した。
ミオドアルは王都から馬車で1日半の距離だが、彼らは最速を目指した。
王都より東は街道が一部整備されているものの、未だ森や丘が現存する。
馬車を使うとなるとどうしても遠回りやペースダウンが起こる。
そこでベルゼは人目が無くなるまで走り、飛行魔法で王都から半日でたどり着いたのだ。
「私達はベルゼの手に捕まってただけだから疲れてないけど、大丈夫?」
「も、もう空を飛ぶのは嫌…」
「ああ、大丈夫だよ。身体強化魔法で腕を強化してたから腕も問題ないし!」
そう言いながらMP回復薬を飲むベルゼ。
彼らは最速でこのミオドアルに着くために腕を身体強化したベルゼが2人を掴み飛ぶという荒技を使ったのだ。
「転移が行った事のある所限定ってのが面倒だよなあ…」
それでも通常よりかなり早くたどり着けたのだから文句はないのだが…
「まずはこの街のギルドに行こっか!」
「そうだな。」
「うん…」
未だ飛行酔いのティアを引っ張りながら3人はミオドアルのギルドを目指して歩き出すのだった。
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