第65話 - 魔力低下症 -
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それでは第65話よろしくお願いします!
武器の強化が出来るという"ファイスト"なる人物を訪ねる為、王都郊外まで来た"冥府の使者"
ファイストの店と思しき建物は確かに武器屋の面影はあったのだが…埃に塗れ、人の出入りを感じられない所だった。
探知魔法で反応があったのは店の裏側。
ファイストかもしれないが、こんな人気の無い所だ。昨日魔族に襲撃された事もあり、ベルゼは慎重に接触を試みたのだった。
「なんですか!あなた達は!!」
「わっ!すいません!わたし達ファイストさんを訪ねて来たんですけど…」
店の裏側は住居部分となっていた。
店を出て裏側へと駆け出したリエルを止めたのはこの女性である。
「ああ、父の客ですか。…申し訳ありませんが父は病床に伏せてますのでお会いできません。。」
「えっ!?ご病気なんですか…?」
「ええ。数年前に王都で流行った魔力低下症にかかってしまって…」
「魔力低下症?」
初めて聞くその病気の名前に首を傾げるベルゼ。
「魔力低下症は、身体の中の魔力が制御出来なくなる病。発症したら、魔力が使えなくなって身体が自由に動かせなくなる。と、聞いた事がある。」
「ちょっと前に王都で流行ったって聞いてたけど…」
どうやら彼女はファイストの娘のようだ。
そのファイストは魔力低下症という病に伏せているらしい。そんな病気があるのか。
「そうなんだ…」
「魔力低下症は魔力回路の異常らしいんだけど、そもそも身体の中にある魔力回路と呼ばれてるものを見れる人がいないから、不治の病なんだよね。」
「魔力回路…」
「魔力の流れる道。本当にそんな物が存在するのか分からな……待って。」
「どうしたティア?」
「ベルゼ、貴方その眼…」
「魔力の流れ見えてるよ?」
「「「 !!! 」」」
「待ってください!魔力の流れが見えてるってどういう事ですか!身体の中ですよ!?」
「……この眼のおかげで魔力の流れが見えるんですよ。」
そう言いながら、破源の瞳を元に戻して再び発動する。
「流れが見えるなら診てあげてほしい。」
「いや見えてるけどさ、実際に診てみないと本当に魔力回路が原因なのか分かんないよね。しかも本当にそうだったとしても、どう直せば良いか分かんないし…」
「確かに。」
「でも、魔力低下症の原因が何か少しでも分かるかもしれないし、治せなくても損はないんじゃないの?」
「私からもお願いします!!…あ、私ファイストの娘でエリーと言います。皆さんは冒険者の方ですよね…?」
「そうです!これでもAランク冒険者やってます!」
そう言いながらギルドカードを見せるリエルだが、実際にAランクなのはリエルだけなのだ。
今まであまり気にしてなかったが、リエルがAランクなのにリーダーの自分がBランクのままなのは格好悪いし、ティアもCランクだし、落ち着いたらAまで上げたいな。と思うベルゼだった。
「お父さん、今お父さんのお客さんでAランク冒険者の皆さんが来てくれたのよ。事情を話して帰ってもらおうと思ったんだけど、こちらのベルゼさんが魔力の流れを見る事が出来るんですって。お医者様じゃないけど、魔力のどこが悪いかだけでも分かればと思ってお連れさせて貰ったの…」
「そうか…こりゃすまねえな」
病床に伏せているファイストの元へと案内してもらったベルゼ達。
ファイストは外傷こそないものの、やはり魔力低下症のせいで身体を思うように動かせない為か、衰弱しているように見える。
「初めまして。我々はファイストさんのお噂を聞いて王都までやって来た冒険者です。ご事情を知らずに大勢で伺ってしまいすいません。」
「なぁに気にすんじゃねえ。お前さん、小さいのにやけに立派な喋り方じゃねえか…」
おっと。つい前世の癖で話してしまっていた。
意味も訳も分からずクソ上司から無駄に叩き込まれた、お外用のお飾りの喋り方。
意味も訳も分からず、ただ言葉だけを教え込まれたから、当時は果たしてこれが正しい喋り方なのか分からなかったが…報われたな。正しい言葉使いなのか分からんけど。
そんなクソ上司は置いといて、とりあえず今は目の前のファイストだ。
寝込んでいると言っても、昔から鍛えてきた肉体、険しいその顔。元気な頃はバリバリ活躍していたんだろうな。あと、想像してたより小柄だな。
「では失礼しますね。」
元気な人間なら魔力の流れは、心臓から左回りに頭の先から足の爪先まで巡って再び心臓へと戻る。そう、まるで血液のように。これはリエルやティア、街の人間で確認済みである。ちなみに検証した際、魔物であるクロやカノミンも視たのだが、驚いた事に魔物は人間と真逆、つまり右回りで流れているのだ。
ベルゼは破源の瞳を発動させる。
さて目の前の病人ファイストはというと、魔力の流れ自体は見える。だが、正常な人間に比べてかなり弱い。
「なるほど……」
「ベルゼ!どうなの!?」
「うーん。ここまで流れが弱いのは初めて見たな。もうちょっと待って。」
不安そうに尋ねてきたリエルを宥め、ファイストの魔力の流れに集中する。
「ファイストさん、少し身体を触りますね。」
ベルゼはそう言うと魔力の流れ沿って身体を触る。
心臓から流れ始める魔力はスタート地点では普通なのだ。だが、心臓から少し経って、ある部分から急に弱くなる。その部分がここだ。
「ゔっ…」
「ここ、触ると痛いですか?」
「あぁ…触ってなくてもそこが体で一番痛ぇ…」
「なるほど。。」
暫し考える素振りを見せるベルゼ。
ふと思いついたようにリエルに聞く。
「リエルってさ、光属性の上位回復魔法使えるよね?」
「うん…使えるけど…さっきエリーさんに聞いたら光属性の回復魔法も試したって言ってたよ?」
「ああ、それは良いんだ。もしかしたらどうにか出来るかもしれないんだけど、万が一の為にと思って。」
ベルゼは、頭に?を浮かべたリエルから、2人に向き直ってゆっくり話しだす。
「ファイストさん、エリーさん。魔力の流れから恐らく原因が分かりました。分かったんですけど、多分普通の回復魔法では治らないです。。」
「そうですか……」
「ただ一応言いますが、俺にはその原因を倒す事が出来ると思います。出来ると言っても可能性で」
「本当ですか!!!?」
「え、ええ…。ただ俺は医者ではありませんし、それが確実に原因なのかは分かりません。」
「そうですか……」
「お前さん…俺の身体に何を見たんだ?」
「…正直あんまり言いたくはないんですけど…と言うか聞かない方が良い気がするんですけど……ここまで言って言わないは無いと思うので、覚悟して聞いてくださいね。」
「お、おう…」
「さっき触って一番痛かった場所があるじゃないですか。」
「おぅ…」
「あそこに魔物が巣食ってます。」
「「「「 ええええ!!!」」」」
そう、ファイストが一番痛がった場所。
それは心臓より流れ始めた魔力が身体の上下に流れる為に分岐している部分。
そこに魔物特有の魔力の流れをした"何か"が巣食っていたのだ。人体の中だと言うのに。
「正直、原因を取り除くといっても100%安全とは言えません。ですが、体内の魔物はファイストさんの魔力を吸って生きているように見えます。恐らく取り除かない場合はこのままか、最悪衰弱して死んでしまう可能性も…」
「ベルゼ。魔力低下症になった人はみんな衰弱して亡くなっている。」
「そうなのか…」
「父も発症した頃は今よりもまだ元気でした。。日に日に弱ってしまって、何も出来ない私は。。うぅ。。」
娘のエリーは泣き出してしまう。
しばしの沈黙と鼻を啜る音がその場を包む。
暫くたった後、ファイストの口が開かれる。
「お前さん……その魔物は倒せるのか?」
「倒せるか倒せないかでは答えられません。俺も初めての魔物です。ですが、魔力量から考えても倒せる自信はあります。」
「そうか………」
「倒せると思いますが、ファイストさんの身体の中での事です。もし倒せてもファイストさんが亡くなってしまう可能性もあります。正直、こんな話をして言うのは申し訳ないんですけど、俺としてはこのまま静観して娘さんと一緒にいる時間を」
「ならやってくれ」
「おどゔさん!」
「今死ぬか、もう少し苦しんで死ぬかだ。どの道死んじまうなら可能性にかけてみるってのが男だろが」
「そうだげど…ゔぅ…」
「先に言っとくが、もしダメでも恨む事はない。それは娘も同じだ。お前さんに縋らなくてもどうせ死ぬ運命なんだからな。」
「はぁ…俺からまあ言い出したので断りはしませんよ。でも覚悟はしてくださいね。それと相手は病気じゃ無くて魔物なので、治療ではなく討伐になります。」
もちろん前世も含めて治療や手術の経験は無い。
無いのだが、言い出してしまった以上、目の前で助けられる可能性がある以上、全力を尽くしたい。
これは治療ではなく魔物の討伐なのだ。
そう考える事によって幾分か気が楽になるのだった。
ご覧頂きありがとうございました!!
次話もよろしくお願いします!
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