第64話 - 王都のはずれ -
本当は昨晩投稿しようとしていたのですが、投稿寸前で落ちてしまいました…
第64話よろしくお願いします!
「て、事があったんだよ。2人は大丈夫だった?」
「ええ!ベルゼ大丈夫だったの!?」
「まぞく…が王都に…」
"冥府の使者"3人は、王都で最近人気が出始めていたパンケーキ屋さんで朝食がてら、パンケーキを食べていた。
いや、3人と2匹というのが正解だろう。
そこは昨日クロが見つけた甘味処と言っていた場所なのだ。
昨日リエルとティアと分かれた後、魔族2人に襲われたものの撃退した事、その直後に透明化できる謎の男と会った事を伝えた。
本当ならば昨夜のうちに伝えたかったのだが、ベルゼが宿に帰った時、リエルは既に寝ていて、ティアは酔っ払って帰ってきたため、今朝の報告になった。
「ああ、実際そんなに強くはなかったんだけど…次会う時は強くなってるんだからね!みたいな事言ってたし、用心した方が良いかなって。」
「魔族なんてそうそう出会わないのに、まさか王都にいるなんて…」
「普通に人間に変装してたからな。あの2人の他にもいるかもしれないしなあ。」
「ベルゼ、探知魔法はずっと使い続けられるの?」
「ああ。2人と別行動してる時は見とくよ。でも気をつけてね。」
探知魔法の魔力消費はかなり低い。
それでなくても魔力の多いベルゼなのだから、支障をきたすまでは使い続けられる。
「2人はどうだったの?」
「私は何軒か武器屋を回ったんだけど、ある鍛治師だけが、武器の強化ができるみたい!」
店員が運んできた、生クリームが山のように盛られたパンケーキを食べ始める。見るだけでも胸焼けしそうだ。
「さっき言ってた鍛治職人か。んっ、これ甘くて美味いな…!」
『主っ!我にも我にも!』
影の中で尻尾を振り回しているクロにも切り分けてあげる。
「うん! "ファイスト"さんって言うらしいんだけど、王都のはずれの方に住んでるらしいの。今日の午後、その人を探しに行きたいんだけど…」
「それならみんなで行こうか。ティアもひとまず用は済んだんだろ?」
「私は昔知り合った冒険者が、王都でカフェを始めたって聞いて昨日行ってきた。王都ではもう他に用はない。」
「なら3人で行こうか」
「うん!」
「りょうかい」
♢?
「無様ですね」
「申し訳ありません。自分でもそう思いますが、あの人間は強かった。」
「人間如きに遅れを取るなぞ許し難しッ!」
「私なら恥ずかしくて外に出られないわぁ〜」
「………」
「まあまあ皆さん。私の配下のおかげで王都にもそこそこ強い人間がいる事が分かっただけでも良いではないですか。…この者らの処分は私にお任せを。」
仄暗い部屋。そこにいるのは6人。
その1人は昨日、付け狙った人間に手も足も出ず気絶させたれた男。もう1人は腹部に重傷を受け、巻かれた包帯も血で滲んでいる。
残る4人。
1人は筋肉隆々の大男。1人は執事の様な格好。1人は女のように見える。最後の1人は少年のような出立ちだが、喋らずに場を眺めている。
「人間なんぞ我輩が一捻りにしてくれるわッ!」
「私にも殺させてよねぇ〜!そろそろ疼いてきちゃって仕方ないのよぉ!」
物騒な事を口走っているが、女は頬を赤らめる。
「くれぐれも油断はしない事です。出会ったら全力で叩く事にしましょう。」
執事が纏める。
「わーってるよ!」
「もちろんよ!」
「主ら、あのお方の御前でそのようにはしゃぐ事のないようにな」
少年はそう言い残すとその場から消え去ってしまった。
♢
「で、なんだっけ…ヘパイスト…だっけ?」
「ファイストさん!」
ああ、そうか。
ん…なんか昔に似たような名前を聞いた気がするな…?
「それにしても中心部からかなり遠い。」
「ああ、結構歩いたよなぁ。」
王都の中心部よりかなり離れ、賑やかだった喧騒も無くなっている。
「なんかね、この辺でひっそりと武器屋をやってるって話しなんだよねー!」
「こんな所で商売できるのか…?」
王都で武器屋をやるならどう考えても中心部でやった方が儲かるだろう。
それにこんな街の外れで営んでいても客が来るのか…?
「ここね!」
「やっと着いた。」
「えぇ…本当にここなの…?」
見るからに繁盛していなそうな店構えである。
それにこの辺の寂れた雰囲気に悪い意味でマッチしている。
「ごめんくださーいっ!」
「え…本当に武器屋なの…?」
店内に至っては繁盛している、していないの問題では無さそうだ。棚はあるがホコリにまみれている。
商品もほぼ置いてはないのだが、極々少ない店頭商品にも大量の埃が積もっている。
「武器屋どころか、人が居るのか…?」
「随分店内に人が入った形跡がない。」
「ごめんくださーいっ!!!」
「っ!いや人はいるな。店の裏だ。」
ベルゼが探知魔法を発動した瞬間に引っかかった。
だが、それが誰なのかまでは分からない。
昨日の事もある。ここは慎重に………
「誰かいますかーー!!!」
「リエル待っ」
駆け出したリエルを追うベルゼとティア。
反応があったのは2人。
それがこの店の人間なのか、どんな人物なのか…もしかしたら魔族がこの廃墟と化している店を根城にしているのかもしれない。
念のため戦闘も視野に入れ、"破源の瞳"と混織霊気を発動させ、リエルを追うのだった。
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