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夢にまで見た異世界でのんびり冒険者をやりたい人生だった  作者: りるお
第1章 - 初級冒険者編 -
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第5話 - パルミュラーテ -

5話目です!よろしくお願いします!



 結果から言うと図書館みたいな所がこの世界この街にもあったのだ。

 宿から出た俺はまずギルドへ向かった。昨日と同じ愛想の良い受付嬢が対応してくれる。



「おはようございますベルゼさん!今日はどんなご用ですか?」


「おはようございます。良い宿を紹介して下さってありがとうございました。今日は、この街にきたばかりだから、どんな街なのか知りたくて図書館みたいなのを探してるんですけど…」


「いえいえ、喜んで貰えて良かったです!図書館なら東地区にありますよ!ここなんですけど」



 そう言って地図を指差す。その地図は観光パンフレットみたいで名所や特筆する場所の記載もされている。

 転生系のお話は紙が貴重そうな感じだったけど、この世界はそうでもないんだなあ。


「ありがとうございます!今日は街をふらふらしてみます。明日からクエストを受けようと思います!」


「分かりました。それでしたら、ベルゼさんはEランク冒険者さんなのでE~Dのクエストを受注できます。あの掲示板の右から1つ目と2つ目ですね!」


「ありがとうございます」



言われた掲示板を見てると、まあそうだよな。というレベルのクエストばかりだ。


・薬草の採取手伝い (E)

・隣町まで買い物 (E)

・コボルトの狩猟 (D)

・ゴブリン討伐 (D)



 Eランクの依頼は雑務が多く、Dランクからは狩猟系が登場してくるのか…

 と、思いながらDランクの掲示板を見ていると


・フリークエスト (D)

エリース周辺での魔物討伐

報酬 銀貨5枚

回数 無制限


こんなクエストが貼られている。


「すいません、これってどういうクエストなんですか?」


「ああ、これはですね。街の治安を守る為にある常用クエストなんです。無くならないクエストって事ですね。魔物を倒したら1匹につき銀貨5枚、それがずーっとなんです。ただし、どんなモンスターを狩っても銀貨5枚の報酬にしかならないのでご注意ください。低位ランク者がランク上げをするのに一番手っ取り早いのがこのクエストですが、報酬が低いためDランク以上の冒険者にはあまり人気ではないんですけど…」


「分かりました。このクエストって今受注して明日討伐に行く事とかってできるんですか?」


「出来ますよ。完了報告をするまでずっと受注してるような感じになるので大抵の人はこれを受けっぱなしになってますけど!」


「なるほど、じゃあこれ受注をお願いします!」





 受付嬢さんから受け取ったエリースの街のパンフレットを見ながら東地区にある図書館を目指す。この街は東西南北の4地区に分かれている。

 あ、受付嬢さんの名前聞くの忘れてたな。








東は商業が最も盛んな地区

西は住宅街が多い地区

南は街の入り口の方

北は領主やえらそーな人が住む地区



 とりあえず北に行く機会はなさそうだな。面倒そうなのは避けて通りたいもんね!



 この街の入り口が最南部、街の中心部にギルドがあり、西の住宅街に泊まっている "夜明けの宿" がある。通りであの辺は宿屋が多いと思ったんだ。

 今向かっている東地区は図書館の他に市場や武器屋、とにかく商売が盛んな地区のようだ。武器屋は行ってみたいよね。ロマンだよね。うん!





 マップのおかげで迷う事なく図書館に着くことができた。

 入り口で身分証を提示、図書館利用について案内される。



「図書館では色々な方が利用されてますので、他の方の迷惑にならないようお願いします。図書館の利用料は銀貨1枚です。本の破損は金貨5枚の弁償、盗難は2級犯罪者になるのでご注意ください。貸し出しも行なってますが3日間で無傷での返却が条件になります。本をお探しの場合はあの魔道具で検索ができます」



 ひえ…2級犯罪者って相当極悪人なのでは……本は好きなだけ読んでいいけど壊したり盗んだら容赦はしないよって感じなのか。気をつけねば。



「分かりました」



 司書に礼を言い、"検索の魔道具"と呼ばれた装置に触る。

 この世界に来て魔道具は初めてだな。調べるのはこの世界の情報、次に魔法や魔物についてだな。幸いそういう本は多くありそうなので困る事はなさそうだ。



















 この世界は "パルミュラーテ" と呼ばれている。前世でいう"地球"的なところか。3つの大国があり、現在俺がいるのは人間の王が統治している "ガヤート王国" と呼ばれ、このエリースの街はその中でも中規模の比較的辺境地方である事。



 他の2大王国のうち1つには、お馴染み獣人族の王が統治する、エクロンと呼ばれる獣人の王国がある。

やっぱり身体能力が高く、武力が正義で王を決めるのも王位決定戦で勝ち残った者だそうだ。


 最後の1つは魔族の住む大国。

 魔族と呼ばれる種族はこの世界にもいるが、現在内戦中であり、魔王プルフラスが勢力を増しているようで、国の名前が安定していないが、こちらが大国である。あんまり情報が多くない。魔王はさいつよって光る人が言ってた。





ーーーーーーーーーー

めも


パルミュラーテ ←"地球"的な名称

エリースは田舎地方

東に王都がある 都会らしい


【3大王国】

ガヤート王国 人間 ←今ココ

エクロン 獣人 ←野蛮そう こわい

?? ?? ?? 魔王 ←さいつよ ぷるふらす



他には妖精やドラゴン等の種族も色々いるそうだけど数は多くないっぽい


ーーーーーーーーーー




 ざっくりだけど世界観は掴めたかな。さいつよ魔王は今内戦で頑張ってるのね…という事はすぐに戦争ってわけではないのか。強くなる時間はまだあるって事か。






 この図書館には魔法の書物も充実してた。


魔法入門指導書

誰でも分かる!基礎魔法!

魔法の上達への近道!

明日から賢者!魔法修行教本

中・上級魔道書




 等々、前世にありがちなインパクト重視なタイトル本!みたいな書物も目立つが、とりあえず読み漁っていく。




 この世界の魔法は基本的に体内にある魔力を高めながら詠唱を行う。それがトリガーとなって魔法が発動するらしい。

 …所謂、聞いてる方が恥ずかしくなる厨ニ感満載の長々ったらしい呪文のことだろう。

 基本的ではないものに無詠唱というのがあり、これを使える者は多くなく、この世界に3人いるのが確認されているらしい。1人はガヤート王国の宮廷魔導師として活躍し、もう1人はAランク冒険者として活動していて、もう1人はかなりの老齢でどこかの国に仕えてるそうだ。…え、俺も詠唱しなかったよな?





「たった3人しかいないの……?」




 それもそのはず。

 俺は昨日から魔法を発動する時に詠唱なんてしなかった。つまり4人目の無詠唱魔法使いとなるのか。

 これこそ転生の特典なのだろう。そういう特典かあ。小っ恥ずかしい詠唱が無しで良いのは有り難いけど、随分とテンプレだよな。



 下手にパーティとかで狩りに行くと絶対騒ぎになるよなあ。下手するとお偉いさんに目をつけられて取り込まれてしまう。みたいなのはよく前世で読んだなあ。

 そういう作品を読むたび、冒険者としてゆるゆるのんびり暮らせないのかなと思ったものだ。俺は抗って悠々自適生活を送るぞんだからね!!





 とりあえず詠唱系や魔法入門編の本はスルーしてどんな魔法があるのか、使う為にはどんなことが必要なのかを読み漁る。




(魔力について)

・魔法には魔力が絶対必要になる。

・魔力が不足すると魔法は発動しない。

・魔力残量が0に近くなると倦怠感が襲う。

・魔力などのステータス値を知りたい時は教会で見てもらうか、専用の魔道具を使用する。



(魔法について)

・魔法は火、水、風、土の4元素を主軸とする。

・上記を元に雷、氷、光、闇、時、無、の派生属性が存在する。

・無属性魔法とは身体強化や生活魔法などの総称

・上級者になると5種から6種は扱える




 ステータスって分かるのか。可視化できる人が教会に勤めてるのかな…?

 あとは魔法と少し異なるが、固有スキルなるものもあるらしい。固有スキルは全ての人が持っているわけではなく、むしろ持っている者はスキル持ちとして重宝されているらしい。


 図書館の本で得られた知識はこのくらいだ。あとは、この魔法はこの詠唱で〜とか今の俺にはあまり役に立たない知識ばかりだった。



 時刻は昼過ぎ。腹も減ったが、思ったより時間が余ってしまったから街をふらふらして、少し魔物狩りにでも行ってみるか。そう思い図書館を出る事にした。



 

ご覧頂きありがとうございます。

次話もよろしくお願いします。

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