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夢にまで見た異世界でのんびり冒険者をやりたい人生だった  作者: りるお
第2章 - 中級冒険者編 -
43/142

第43話 - 転生冒険者の変化 -

17000pv!

ありがとうございます!!


投稿時刻が普段より遅くなってしまいました…



「じゃあ俺たちはこれで」


「またね!ティアちゃん!」


「今日は本当にありがとう。もし良かったら明日以降もお願いしたい…」


ベルゼとリエルは顔を見合わせる。

ダンジョン52階層で助けた女剣士ティアと倒した蟹を食べた後、その先の様子を少し見てから地上に戻り解散という流れになっていた。


「私達は構わないんだけど、ティアちゃんは良いの?」


「今や私は目的を果たしたようなもの。この先どうしようかと考えていた。2人がこの先もダンジョンに潜るのならもし良かったらその間、私も同行させては貰えないだろうかと…」


勘違いされやすいのだが、ティアは偉そうに話している訳ではなくこの口調なのだ。今のベルゼと同じくらいの身長なのだが、ベルゼよりも年上、リエルよりも年下。その低身長、言動がツンツンしている訳じゃないからそういうキャラクターなのだろうなとベルゼは思った。


寝取られの八つ当たりにダンジョンに潜ってはいるが、純粋な剣士スタイルで人当たりも悪くない。断る理由は今の2人には無かった。


「私達はダンジョン攻略が目的じゃないんだ。魔物をこの世界から居なくする事、最終的にはその根源の魔王を倒す事を目標にしてるの。」


「もちろんダンジョン攻略が出来るなら、それに越した事はないけど、いつまでもダンジョンにいる訳にはいかないから、急にダンジョンに潜るのをやめて、他所に行っちゃうかもしれないけど…」


「それでも良い。私は目標も目的も無く、ただ八つ当たりに魔物を倒していただけ。それに…助けてもらっただけじゃなくてご飯まで。2人は温かかった。」


「「温かかった?」」


「最近は1人で冒険者をやってた。たまに声をかけてくるのは下心しかない人達ばかり。そういうのは突っぱねてきたけど人の温もりを2人に感じた。嬉しかった。その2人とダンジョンに潜るのは楽しいだろうなと思う」


しばらく他人と接する事なく生活してると、たまに人の温もりを感じたくなる時ってあるよなあ…

前世の事を思い返したベルゼだった。


「そっか!なら明日からもよろしくねっ!」


「こちらこそ!」


昨日より進行度は低かったものの、女剣士ティアの臨時加入というイベントもあり、2人はダンジョン攻略2日目を終えたのだ。







「ベルゼさ、最近ちょっと変わった?」


「なんで?」


ティアと別れて宿へと向かう道中、

リエルが口を開いた。


「なんとなくだけど、前までだったらティアちゃんの誘い断ってそうだなって」


「あぁ…変わったっていうかもう気にしなくなったって感じかなぁ。前までは俺1人で生きて行こうと思ってたけど、リエルと一緒にいる時間が増えてから、人と一緒に行動するのも悪くないなって思ったからかなぁ」


「そっか!でも嫌だったら言ってね!」


「うん、リエルも深く考えなくて良いからね。」


「分かったっ!」



確かに少し前までのベルゼは頑なに他人と行動するのを嫌がった。


というのも前世の経験から人間は出会いがあれば別れもあるのは分かっていた。ベルゼは別れを酷く嫌った為、それならば最初から他人と仲良くならない事を選び、一線を置き距離を取っていたのだったが…


その一線を軽く踏み越えてきたリエルによって考えを改める事になったのだ。




「とりあえず、明日から3人でダンジョン攻略を頑張ろう。」


「うんっ!あ、ベルゼ。ティアちゃんに手出したら本気で許さないからね」


そう言ったリエルの顔は本気で笑っていなかった。


「あ、あぁ…。そのつもりはないよ…」


「女は怖いからね。ベルゼにその気が無くても既成事実を作られたら終わりだからね?」


「リエルが言うと説得力があるな?」


「うふふふ…」


そんな話をしながら宿へと帰り着く。

今日も充実した1日だったな。


明日からはティアを含めて3人でのパーティになる。この世界に来て初めて3人以上での活動。

慣れない事はまだまだ多いけど、毎日が充実し、楽しんで生きてられる。

ベルゼの心は穏やかな幸福感に包まれているのだった。








「おばちゃん!行ってくるね!」


「はいよ!アンタたち今日も頑張っておいで!」



2人が泊まっているここ"夕焼けの洞窟"は名物の女将が先陣で切り盛りしている。

元は旦那が切り盛りしていたのだが、数年前に病死してしまってからは女将が一念発起。


現在では数名の従業員を雇い、街でも人気宿として度々商業ギルド紙で特集を組まれるまでに成長した。

遠く離れた地から出てきた冒険者達にとっては、その母親を感じさせる言動に懐かしさや安心感を与える事も人気の一つだ。



立ち並んだ屋台で朝食を買い、食べながらダンジョンの入り口へ到着する。


「ティアちゃーん!おはよう!」


「おっす」


「んっおはよう」


「今日から3人パーティだけど頑張ろうね!」


「がんばる」


「朝はテンション低いのか」


「朝は苦手。もう少ししたら元気になるから」


「低血圧かぁ大変だな…」


「無理しなくて良いからねっ!お姉さんに任せなさい!」


「…よし、じゃあ今日も命を大事にガンガン行こう!」


「おー!!」


「よろしく頼む」


ティアと合流し、"記録の杖" で昨日攻略した52階層の終点まで飛ぶ。今日は53階層からスタートだ。


昨日は進みが遅かった上に、ティアを助け、蟹料理を堪能してしまった為、進行度がかなり悪かった。

今日は3人パーティとなり、進行が遅かった最大の原因である、石の回廊タイプのダンジョンでは無いからかなりの進行度が見込める。低血圧でテンションの低いティアと違いベルゼとリエルの気合は十分だ。





ご覧頂きありがとうございました!!

次の投稿は明日の予定になります。

次話もよろしくお願いします!


高評価、ブクマ等して頂けると筆者もやる気に満ち溢れます。それはもうモリモリと。合わせてよろしくお願いします。


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