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夢にまで見た異世界でのんびり冒険者をやりたい人生だった  作者: りるお
第1章 - 初級冒険者編 -
36/142

第36話 - 酔っ払いの告白2 -

11000pv ありがとうございます!

見て下さる方やブクマ数が日に日に増えると筆が進みますね。

何分初めての小説なので、誤字脱字や文章構成に難があるかもしれませんが、どうぞ暖かい脳内変換でご覧頂けたら幸いです。


第1章は次話で完結となります!




その日、街では後夜祭が行われていた。

無事祭りが終わった事に、竜から救われ無事に今を生きている事に、人々は感謝し朝まで飲んだ。




そしてこの男はと言うと浴びるように酒を飲まされ地獄を味わっていた。



「うあーやばいー死ぬ…」

「何言ってんだベルゼ!竜を倒す男が酒に負けるなよ!」

「あはははは」

「可愛そうですよぉ、強い魔法使いだと言っても子供なんですよぉ」

「助けてーリエルー」


「ベルゼったらちょっと飲んだだけですぐコレだもんね!お姉さんが介抱してあげる!」

「あら〜リエルったらぁ〜!介抱は私がしますわよぉ〜」

「ユミール!俺も介抱してくれえ!」

「あら〜マークスは大人だから介抱はしませんわよ〜」

「そんなあー!」



(うわぁ…気持ち悪い…頭痛い…)

「大丈夫ですかベルゼさん!お水持って来たので飲んでください!」

「ありがとう…ヘレンさん…」

「皆さん!いくら強い魔法使いのベルゼさんでも、まだ子供なんですから飲ませちゃダメですよ!」


「うぅ…流石にヤバイから部屋戻るよ……」

「ヘレンにそう言われたんじゃ仕方ねえな!またなベルゼ!」

「じゃあ私も戻るね!」

「ずるいですわよ〜リエルちゃん(・・・)〜!」

「「またな〜!」」




うぅ…飲まされ過ぎた…

酒だけは相変わらず好きになれないな…

もう二度と飲まないからな…




「はぁ…はぁ…やっと着いたぁ…」

「ねえベルゼ、大丈夫?」

「大丈夫じゃない…」

「お酒だけは本当弱いよねぇ」

「昔からだからな…」

「そんなに弱いなら断りなさいよ…」

「無理矢理飲まされたんだもん…気持ち悪いけど眠くなってきちゃった…」

「横になって吐かなそうなら寝ちゃいなさいよ」

「うん…大丈夫…多分…おやすみ…」

「おやすみなさい」

「すぅ…zzZ」














「……なんか目が冴えちゃったなぁ。ベルゼってこうして寝てると女の子みたいで可愛いなぁ」



いつの間にか黒髪に赤のメッシュが増えているベルゼの髪を撫でる


「zZ………」


「私ね、前にも言ったけどベルゼとずっと一緒にいたいの。助けてもらったからって訳じゃないけど、ベルゼはかけがえのない人なの。私はベルゼのことが好き。ベルゼと一緒に冒険したいし、どこまででもついていくよ。」


「………」


「モンスターフェスティバルが終わったらベルゼ、私を置いてどこかに行くつもりだったでしょ?私はどこまででもついてくからね!……本当は起きてる時にパーティとか今後の事を話したかったんだけどね」


「……俺ね、前の世界で彼女がいたんだ。最後は喧嘩ばっかで最終的に別れたんだけど。それからなんかこう、自分に自信がなくなって、リエルもいつか他の人の所に行っちゃう日が来るのかなって不安だった」


「起きてたの!?」

「今起きた…頭痛い…」


「もぅ!…大丈夫ならちょっと話そうよ」

「うん…リエルは前にも俺を好きと言ってくれたけど、実際リエルは実力もあるし、可愛いから俺じゃなくて他にも引く手数多だろうし。俺なんかより他の人の所へ行っちゃうかもしれないならここでお別れした方が良いのかなって思ってた。」

「そんな事ないよ」

「そんな事あるよ」


「臨時でパーティを組む事は沢山あったよ。正式にパーティにならないかって何度も誘われた。でも全部断ってきたの。」

「なんで…?」

「前にも話したけど、前世で私も両親も魔物に殺された。今世ではその魔物達を討伐して、根源の魔王を倒す為に生きてるの。…でも他の冒険者は生活する為に魔物を討伐してる。魔物を討伐する目的が私とは少し違うよね。何度かそれでぶつかった事もあるの。それ以来正式には組まないって決めたの」


「俺も生活の為に魔物を狩ってるけど?」

「そうね。でもベルゼは圧倒的に強いもの。それこそ私なんかより遥かに。魔王を倒すのに強いメンバーがいた方が良いでしょ?最初、ベルゼとパーティを組みたかったのはそれが理由ね。」

「そうなんだ」


「でも改めて言うけど今は、ベルゼが強いからパーティを組みたい訳じゃないよ。あなたの事が好き。だからどこまででも一緒について行きたいと思ってるの」

「ありがと。こんな流れになっちゃったから言う訳じゃないんだけどさ、リエルが良かったら正式にパーティになって欲しいな。」

「いいの!?」

「うん」


「なんで急に?前までどうしても臨時でって言ってたのに」

「リエルがキングサイクロプスの攻撃で気絶した時があったでしょ?その時に思ったんだ。」

「なんて?」

「リエルが死んだら嫌だって思った。傷つけられただけでも怒りが収まらなかったんだ。リエルは俺の大事な人なんだなって。 それに、一生パーティになるって竜退治の前に言ったでしょ?」


「そう言ってたけど、私が泣き止むための口実かと思ってた。…って大事な人!?」

「俺は約束を守る男のつもりだよ。リエルは俺の大事な人。これからも一緒に過ごして、冒険して魔物を倒すの。」

「ゔぅ……ありがどうベルゼ…」

「すぐ泣かないの」

「だっでぇ……」

「分かったからローブで拭かないで…」

「えへへ」


「朝までもう少し時間あるから寝よっか。起きてから今後のことちゃんと話そっか。」

「そうね。私も眠くなってきちゃった」

「改めてよろしくね!」

「うんっ!!」



街の灯り、喧騒、そして温かさ。前世と違う事は多い。転生してから数ヶ月は経ち、この世界にも少しは慣れてきた。俺は転生する事が出来て本当に良かったと思う。この子だけはちゃんと守る。

そう固く誓ったベルゼだった。










秋の収穫祭(・・・)ことモンスターフェスティバルも終わり、街に平穏が戻っていた。

冒険者は狩猟に、商人は商売に精を出している。




「うーーーーん。やっぱこれも違うなあ」

「そうね、なかなかしっくりこないね…」

「主よ、そう煮詰めては良い案も出なかろう。一度休息がてら甘味でも食べに行かぬか?」

「クロ、尻尾振りながら言わないの」

「クロったら甘いもの食べたいだけでしょ」

「我は主の事を思って言ったゆえ…甘味も食べたいがな…」

「そうだな、一旦休憩にして気分転換に甘い物でも食べに行こうか」

「「さんせーい!」」






「いらっしゃいませー!お決まりですか?」

「シャンベリーのケーキ2つとルックロのケーキ1つと紅茶2つください!」

「ありがとうございます!少々お待ちくださいー!」


「ベルゼ、シャンベリー好きだよね!」

「ん、この酸っぱさと甘さが良いんだよねぇ」

「たしかにそれが良いよね!」


シャンベリーは前世でいう苺みたいな果物だ。

初めて食べた時は感動で泣いてしまったものだ。



「あっ!リエルさんとベルゼさんじゃないですか!」

「リエル姉さま」

「あら2人ともこんにちは!」


「お二人はデートですかぁー?」

「ヨルン、不躾」

「で、デート……!?」

「そうだよ」

「ベルゼ!?」

「え、違うの?休憩がてらだったけど、多少はデートのつもりで来てたんだけど…」

「うんんっ!デートよ!デート!!」


「姉さま可愛い」

「いいなあー!…私たちも素敵な男性見つけたいわ…」

「あれ、ガットは?」

「あんな脳まで筋肉なおっさん嫌ですよ〜」

「ガットは恋愛対象にあらず」


「…それで女の子2人で食べに来たって訳ね!」

「そうなんですよぉー」

「ならご一緒する?」

「良いんですか?」

「いいよね?ベルゼ!」

「問題ないよー」

「「ありがとうございます!」」


彼女らは以前リエルが臨時で入っていたパーティ、"大空の(いかづち)"のヨルンとカルラだ。

メンバーに斧使いの男もいるのだが、甘味処はパスだそうだ。まあ気持ちはわかる。

女の子かカップルしか来ないような所におっさんが来るのは気恥ずかしいもん。俺もこの外見じゃなかったら厳しい戦いになりそうだもん。



「それにしてもあのリエルさんが正式なパーティですかあ」

「そうなの!誘って貰ってたのにごめんね…!」

「ん、気にしないで。パーティは好きな人と組む。それが一番。」

「ありがとうカルラ!」

「んっ//」

「それで、そのパーティ名を考えといてくれって領主様から言われたのに全く思いつかない…と。」


「「そうなんだよぉ〜」」


「それなら手伝う」

「そうだね!私達も力になりたいですー!」


「「ありがとう〜泣」」





「ベルゼさんて戦ってる時、悪魔みたいな顔で笑ってるって聞いたんですけど…本当なんですか?」

「えっ…そんな事は無」

「そうなんだよぉ〜普段とのギャップが堪らないよ!」

「そうだったの……?」

「うーん、強い敵はだいたい笑ってるよ?」

「知らなかった…気をつけよう…」



「なら"悪魔の笑み"」

「いやぁそれはちょっと……」

「"リエルたんマジ天使"」

「それは無いだろ…ってかお前だったのか!いつも事あるごとに俺のリエルたんを天使と呼んでるのは!」

「んっ…//」

「んっ…// じゃないよ!その辺のおっさんが言ってるのかと思ってたわ!リエルたんは譲らないからな!」

「私も譲らない」


「もう!2人ともちゃんと考えるの!」

「だってぇ…」

「怒られた」


「まあまあ! そんなベルゼさんから"冥府の使者"とかどうですか?」

「物騒な名前だな…」

「格好良い」

「なんかベルゼっぽくて良いね!」

「(主、我も格好良いと思ったぞ)」

「えぇ………」



「ヨルンの案で良いと思う!賛成多数でけってーい!」

「えぇ……」

「じゃあギルドによってパーティ登録してから帰りましょ!」

「本当にそれで行くの……?」

「そうよ?嫌かしら?」

「嫌ってわけじゃないけど、随分大層な名前だなって」

「パーティ名は顔。大層な名前の方が良い」

「まあいいか……」


そんなこんなでパーティ名がようやく付いた。

まあとりあえず、あの領主にとやかく言われなくて済むか。そう思って納得してしまったベルゼだった。



なんとか明日の晩餐までにパーティ名が決まって一安心だ。

今日と明日の日中はのんびりするか、魔法研究でもするか。あー、久々にゆっくり読書も良いかな…?

そんな事を考え、ヨルンとカルラと別れ甘味処を後にするのだった。






ご覧頂きありがとうございました!!

次の投稿は明日になります。

第1章最後の次話もよろしくお願いします!


高評価、ブクマ等して頂けると筆者もやる気に満ち溢れます。それはもうモリモリと。合わせてよろしくお願いします。

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