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夢にまで見た異世界でのんびり冒険者をやりたい人生だった  作者: りるお
第1章 - 初級冒険者編 -
26/142

第26話 - 予兆 -

5000PV、ありがとうございます!!


書き始めた頃はこんなに多くの方に見て頂けるとは思っていませんでした。いつも本当にありがとうございます!


面白い小説を作れるよう、今後も努力を続けていきたいと思ってます。よろしくお願いします!


では26話スタートです!



モンスターフェスティバル3日目。





「お昼ご飯も食べ終えたし、午後は時間までもう少し進んでみましょうか!」


「そうしよっか」



 モンスターフェスティバルでは参加者は夜間の狩猟は禁止されている。


 もちろん通常の冒険者業務で夜間狩猟する事は問題はない。


 そもそも狩猟クエストが少ない今、わざわざ危険度の高まる夜間に狩りをする者は少ないのだが。




「リエル、この先に少し大きめの魔物…いる?」


「おお!正解っ!さっきから全然時間経ってないのに分かるようになってきた?」



「うーん。なんとなくそうかな?程度なんだよね」


「その調子で良いと思うよ!それじゃあとりあえず、向かおうか!」


「うん!」












「いやちょっとどころか、めちゃくちゃ大きかったな」


「そう?世の中にはもっと大きい魔物は沢山いるよ!」




木々の隙間から見えるのは体長4m程の一つ目の巨人


「あれがサイクロプスか」


「ええ、ソロならランクはBよ。だけど群れだとランクAまで上がるよ」




「…群れてるよな」


「群れてるね」


「こういう場合はどうするのが良いんだ…?」


「幸い付近に冒険者はいなそうだからこの距離から魔法を撃ち込むのが良いかな。理想は1撃で倒せるような魔法を。数が減ったら接近戦で良いと思う!」




「よし、撃ち込むぞ!」


「頼んだよ!」


ベルゼはまだこちらに気がついていないサイクロプス4匹に向けて魔法を放つ!



地獄の霆(ヘルスパーク)




「「「「 グォォォォオオオオオ!!!!」」」」




「リエル!すまない!1匹まだ倒れてない!」


「まかせて!」


そう言うとリエルは颯爽と木々をすり抜け、サイクロプスに駆け寄る。

なんとか立ってはいるが、意識は朦朧としている最後のサイクロプスは、リエルの剣によって生涯を終えた。




「すまない、1匹倒しきれなかった」


「1番後ろにいたからね。他の3匹が盾みたいになったんだよ。ああいう時は満遍なくダメージが入るような魔法が良かったね!」


「うん、今後気をつけるよ」


「さて、剥ぎ取りしよっか!」


「そうだな!」










「よし、とりあえず全部の角が取り終えたな」


「サイクロプスって一つ目だし角があるし、人間と少し似てるのに面白いよね!」


「そ、そうか…? まあとりあえず証明部位が角だけど、ギルドの人も間違えないのかね?」



「角のある魔物は沢山いるけど、ここまで大きい角はサイクロプスくらいだもん!」


「なるほ…………リエル!」


「うん!これはもしかしたらヤバいかも!」





 サイクロプスよりも大きい気配を察知したのだ。こちらに向かってきているのは間違いないだろう。



「ベルゼ、今度は私が!と言いたいところだけど、これは私1人だとちょっと厳しいかもだから連携しよ!」





「リエルが厳しいって、なかなかヤバいんじゃ…?」


「どうだろうね!来るよ!!」




 木々をなぎ倒して姿を現したのは、またもサイクロプスだった。たが、先程のとは大きさが違う。恐らく5mは超えてるんじゃないか。


 それに普通のサイクロプスは棍棒を持っていたが、今現れた奴は大きな斧を持っている。




「………キングサイクロプス!」



「強そうだなあ…」



「私1人だったらギリギリだと思う。サイクロプスの親玉で、強さは格段に上よ!油断しないでね!」


「そうだな!気を引き締めていこう!」



 2人は頷き合い、リエルはそのまま走り出す。ベルゼはその場で魔法を発動する。





焔闇(ダークフレイム)





黒の闇と紅の炎が混ざり合い、渦となってキングサイクロプスに向かう。






「なっ!!」





キングサイクロプスが、持っている巨大な斧を一振りすると、渦はかき消されてしまった。



「私もいるんだからねっ!!」



 キングサイクロプスが魔法を消すために斧を振り切った瞬間を狙ったリエル。タイミングはバッチリ。右腕を大きく切り裂く。





「 グォォォォオオオオオ!!!!!」





リエルはすぐさま離脱する。


「あの斧はマジックアイテムかもしれないね」


「マジックアイテム?」


「魔道具とも似てるんだけど、マジックアイテムは、魔物を倒したらたまーにでてくるドロップアイテム。あとはダンジョンとかで手に入れられたりするけど、数は少ないからね」


「なるほど。」


「多分ベルゼの魔法を消したのはその効果ね。ベルゼには悪いけど、今みたいに魔法を囮にして、私が直接攻撃で倒しきるのが良いと思うの」



「その作戦で行こう!」


「頼むわね!」









地獄の霆(ヘルスパーク)




闇を纏う稲妻が再びキングサイクロプスに向かう!


それを見てリエルも走り出す。

が、一瞬戸惑った。








キングサイクロプスという高レベルの魔物を相手に、周囲の気配を察知する余裕がなかったのだ。

自分の前方から飛び出てくる者達に目を奪われてしまった為、戸惑う事になった。





「この俺様が相手だ!」

「モール様!格好良い!」

「やっつけちゃってください!」




謎の3人がキングサイクロプスの目の前に現れた。



なんだ?あいつらは。

見た感じ、冒険者か?

だが、あんな無謀な戦い方をするなんて。





「 グォォォォオオオオオ!!!!!」


「「「ひいいいいいいいいい!」」」






登場から1秒も経たず戦闘が困難になる3人。


キングサイクロプスは3人に目もくれず、迫り来る稲妻と、走り来るリエルを見据える。




「くそっ!!!!」

「あなた達逃げなさい!!」







このままではベルゼの放った稲津が3人に命中してしまう。リエルは一瞬の判断の末、決断する。



「 聖霊の煌!」


リエルは優しい光に包まれながら、稲妻から3人を守るようにして体で受ける。




「リエル!!!!」


「大丈夫…!」


リエルは無傷だった。

だが、キングサイクロプスが振り上げた斧を避ける気力は無さそうであった。



「闇の障壁!!」



振り下ろした斧がリエルに当たる寸前、展開された障壁がギリギリのところでリエルを救った。

だが、直撃からは間に合ったものの、巨大な斧を振り下ろした衝撃がリエルを近くの木まで吹き飛ばした。




「リエル!!!!!大丈夫か!!」



転移ですぐに駆け寄るベルゼ。

意識はない。が、息はある。衝撃で気絶しているのか…?


すぐさまリエルを担いで、少し離れた所へ転移する。




(くそ!なんだあいつらは!!)


リエルが目の前で殺されかけた為、ベルゼは動揺してしまっている


(落ち着け!まずはあのデカいのを何とかしよう)



再び敵を目視すると、目の前の3人に興味は無さそうだが、俺たちを探している感じだ。


あの3人は放心状態になっている。

いきなり出てきて何がしたかったんだ!





「リエル。ちょっと待っててくれよ」


まだ気絶しているリエルを木の陰に寝かせる




「お前ら!早く逃げろ!」


敵の目の前で放心状態になられていても困るだけだ。死にたいなら勝手にすれば良いが、邪魔だけはして欲しくない。というか既に邪魔はされたのだが。


聞こえてはいるが、目の前の敵の強さを目にして腰が抜けてしまっているのか。いつ襲われてもおかしくない距離。






(ちっ!邪魔だな!)




地形変動(テランチェンジ)!」

キングサイクロプスの足元が沼のようになり、巨体がズブズブと沈んでいく。

これは土と水魔法で作ったオリジナル魔法だ。

地形操作と言っても、地面を沼のようにするだけなのだが…



「転移!」

すかさず、3人の元へ転移し、確保する。


3人は、腰を抜かしていたり、目を開けて気絶していたり本当に何をしに来たのか分からなかった。



再び3人と転移し、リエルの側へと戻る。



「お前ら!人が戦ってる所に割り込んできてどういうつもりだ!」




意識のあった腰が抜けていた男がハッとして



「あれは俺様の獲物だ!」


「先に戦闘していたのは明らかに俺たちだっただろうが!」


「貴様!ふざけるな!俺様に文句を言うな!」


「ふざけるなはこっちの台詞だ!お前らのせいで大事なパーティメンバーが死ぬ所だったんだぞ!」


「パーティ?たった2人で?それに女じゃないか!非力な女にアイツが倒せる訳ねーだろう!死んだって構わないだろう!」



その瞬間ベルゼの纏う闇が増幅する。



「女だからなんだ?魔物を前に腰が抜けて動けなかったのを助けたのはリエルだぞ!!」



「誰も助けてくれなんて言ってないだろう!」









ぷっつん








なんなんだコイツは?

リエルはこんな奴らの為に死ぬかもしれなかったのか!!! !!!

なんでこんな奴らの為に!!!!!!!







怒りがトリガーとなり

抑えていた魔力が溢れる。

精神が闇に支配されていく。

目の前の糞野郎を殺したい。







「わあああああああああああああ!!!!!」

魔力を纏った左手で少年をぶん殴る。








『そっかぁ。なら逆に打ち負かしちゃえば?』



闇に支配されゆく中で

リエルが言っていた事を思い出す


(リエルは…なんて…言っていた…?)



『私が知ってるベルゼは誰にも負けないし、あっさり倒しちゃうはずだよ』



(ごめんリエル。さすがにこれは無理だ…よ……)







「ベルゼ!私は平気よ!!負けちゃだめ!!!」


朦朧とした意識の中で近頃良く耳にする声が届く。

視線を向けると体を起こしたリエルの姿が写る。




闇に支配された意識が急に晴れて行くのを感じる。

ベルゼはぶん殴った男に魔法を展開する。

「闇の…障壁!」




殴られた男は木にぶち当たる寸前、障壁によって受け止められた。




「ベルゼ!!」



「リ…エル…ごめん…大丈…夫?」



「私は大丈夫!ただ、魔力使い過ぎてちょっとしんどいだけ!」



「良かった……」








不意に溢れた雫

彼女と知り合ってまだ日も浅い

それについこの前まで避けてきたのだ

なのに何故こんな感情になってしまうのだろう

胸を締め付けるような不思議な感覚。



慣れない感覚に戸惑いながらベルゼは微笑む


(きっとこれからも沢山助けて貰うんだろうな)






「リエル。ごめん。呑み込まれる所だった。ありがとう」


「だから言ったでしょ!ベルゼなら誰にも負けないし、あっさり倒しちゃうんだって!」




「リエルには敵わないなあ。……ちょっとアイツを倒してくるから待っててね」


沼から這い出ようともがいているキングサイクロプスを見る。




「お姉さんには敵わないのよ!あの人は私が見てるから行ってらっしゃい!」


ベルゼにぶっ飛ばされ、気絶している男を見る。







「ありがとう…!」


溢れた雫を拭い笑いながらリエルに礼を言い、遠くでもがいているキングサイクロプスに向き直る。





身体中から魔力が溢れる。

それは、いつもの闇オーラとは違い、闇の中に真紅のオーラが混ざっている。





纏ったオーラを収束する。

収束した瞬間に浮かび上がったイメージと共に魔力を放出する。










地獄の強襲(ヘルストーム)










言うなれば

闇の渦、炎の渦、雷の渦が一同に会している光景。

まさに地獄の嵐とでも言えよう。








だがベルゼは放出したその魔法を

すぐ再収縮し、キャンセルする。



キングサイクロプスは

たった10秒も嵐に飲み込まれていないにも関わらず、身体の所々を消失していた。もちろん命などとうに消えている。




「やり過ぎないで良かった…あ……」





ベルゼは急速に薄れゆく意識の中そんな事を思うのだった。









ご覧頂きありがとうございました!!

次の投稿は明日になります。

次話もよろしくお願いします!


高評価、ブクマ等して頂けると筆者もやる気に満ち溢れます。それはもうモリモリと。合わせてよろしくお願いします。

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