第24話 - 魔法研究 -
思ったより予定が短かったので、いつも通りの時間に投稿できました。
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今後ともよろしくお願いします!!!!
「リエル!そっちの2匹を頼む!俺はこっちを片付けるから!」
「うん!わかったよ!」
2人も他の冒険者と同じく森に入っていた。
鬱蒼とした木々は日中にも関わらず秋の日差しを遮り、森の中だという事を実感させる。
今回、ベルゼは探知魔法を使用しない縛りを自らに課していた。
そもそも探知魔法が使える冒険者は世界中でもごく僅かなので、このアルスローでは使用者がいない事から、魔物の位置を察知できるとなると優勝が間違いない。
だがベルゼの意図は、その縛りというよりも魔物や周囲の状況に敏感になれるよう察知能力の向上の為の練習を目的としていた。
Aランク冒険者になると、自分の周辺の些細な気配も察知出来るようになる。というか、それが出来ない冒険者はAランクまで登り詰めることが出来ない。
Aランク冒険者であるリエルに、そう言われてしまっては練習せざるを得なかったのだ。
「リエル、なんとなく周囲の魔力を感じる事ができるようにはなったんだけど、この先に人が7人いる…?」
「残念!3人と4匹だね、これは4匹の方は魔物かな!」
「うーん人と魔物の区別が難しいな…」
「そこは慣れだよ!でも普通に動いてる魔力を感知出来るまでに何年もかかるんだけど、ベルゼはすごいよ!」
「そうかな?えへへっ」
昨日までの頑なな意志はどこへやら……
男なら可愛い女の子に褒められるのは嬉しくない訳がない。
(ベルゼのこのたまに見せる年相応な感じ可愛いなあ…)
「なにジロジロ見てるの?」
「なんでもないよっ!」
「??」
「とりあえず、この先で戦ってる様子でも見に行こっか!」
「そうだな、他の冒険者の様子も気になるし!」
「こいつらフレイムジャベリンでも歯が立たないぞ!」
「どうする!ハイク!!」
「ちっ!俺の剣でも歯が立たないなら退くぞ!リーナ!俺に強化魔法を!」
「わかった!」
ハイクと呼ばれた少年に付与されるのは総合強化魔法。
身体能力と装備している武器の攻撃力を上げる魔法だ。
「うおおおおおお!!!」
ザシュッ!ザシュッ!
いける!!!
そう確信したハイク少年。
「地に集いし魔よ!汝は硬くなりて、彼の者の盾となれ!サンドウォール!」
「ハイク危ねえ! ぐっ!!」
「後ろから攻撃だと!? 助かったバナード!! リーナ! !!」
「はぁ、はぁ…よかった!!」
3人は一旦距離を取る
「どうするハイク!俺が盾になりながらお前が攻撃に専念するか?」
「いや、1匹ならまだしも4匹もいるんじゃ、厳しいだろうな…」
「私も魔力がもうそんなに無いわ! バナードも流石に4匹を相手に盾役になるのは厳しいでしょ?」
「そうだな…流石に4匹相手じゃきついな。」
「退こう!」
「わかっ…ハイク!回り込まれてる!!」
「くそっ!!」
「どうする!!?」
「おーい!助けいるかーい?」
3人はどこからか聞こえた声に顔を見合わせ同時に叫ぶ。
「「「 助けて!!!」」」
「だ、そうよベルゼ。お姉さん達がお助けしましょ!」
「ああ、撤退は悪くない判断だったが、少し遅かったな」
ようやく戦闘だ。
気を引き締めていこう。
こいつらは"ラビットタートル"というCランクの魔物。Cランクなのは単体での話しだ。群れるとBランク相当になる。
群れで生息していて、とても好戦的だ。
兎の俊敏さと亀の甲羅のような装甲を持っている。
それに加えて群れでの狩りを得意とするため、厄介な相手なのだ。
お前ら徒競争する仲だったのが、いつの間にか、合いの子になってんのかよ!
そう突っ込まずにはいられなかったベルゼ。
そして冒頭へと話は戻るのだ。
「リエル!そっちの2匹を頼む!俺はこっちを片付けるから!」
「うん!わかったよ!」
それだけのやり取り。
リエルは2匹に向き剣を抜く。
「ライトニングスプリット!!」
リエルの剣に付与した魔法が発光し、2つの斬撃となって放出される。
「ウガァァァア!!」
同時に放たれた斬撃によって甲羅をカチ割られる。
決して紙装甲な訳ではない。先の3人がギリギリ傷をつけられる程度には硬いのだ。
丸裸になった亀兎はリエルの追撃により絶命する。
「ふう。あっちは大丈夫かしら?」
「こっちももう終わったよ」
「あら早かったね?思いついた魔法を試すとか言ってなかった?」
「ああ、十分試せたよ」
リエルが放った斬撃。と同時にベルゼも魔法を放っていたのだ。
冒険者達の"誰かさんに負けない"という頑張りによって、モンスターフェスティバルの直前は討伐クエストが、かなり少なくなっていた。
よってベルゼ達はあまり討伐に向かわず、休養や準備を進めたりもしたが、ベルゼは魔法の研究もしていた。
生活魔法である洗浄を使った時のことだ。洗浄は、この世界で最も使われている魔法。汚れや体を洗う時に使う、要はシャワーと同じ魔法である。
だが、難点が一つ。
ウォッシュを使うとずぶ濡れになる。もちろん衣服を身につけていたら濡れてしまう。
普通はその後に乾燥の魔法を使って乾かす。
のだが、ベルゼは2行程の手間が面倒という事で、何の気なしに左手にウォッシュ、右手にドライをイメージし、発動のタイミングを若干ずらし自分にかけた。
結果、同時に発動した魔法はそれぞれの効果を発揮し、手間なくその両方を終える事が出来たのだ。
ベルゼはこの魔法をクリーンと名付けた。
これは画期的な発見だった。
もちろん無詠唱に限らず詠唱する者もそれは行える。
魔力を込めながら文字を書きつつ、口で詠唱をするのだ。
だが、どんなに器用でも非常に高度な事である。
故に詠唱する者にとっては、ほぼ不可能なのだ。
無詠唱のベルゼは、2つのイメージができてさえいれば特に問題もなく魔法を発動する事ができる。
そこからヒントを得たベルゼは、
休養期間に考えていた魔法を今回、実践初投入するのだった。
「 地獄の霆」
左手から放たれる闇の渦。右手からは雷。
2つは放たれた直後合わさり黒い稲妻へと変わる。
「「 ウギァァァア!!」」
黒い雷に打たれた2匹のラビットタートルは、たとえ甲羅のような装甲に隠れていたとしても絶命せざるを得なかっただろう。
なにしろ身体中に闇を纏った電気が走って感電死していたから。
「「「す、すげえ………」」」
「うん。上手く行ってよかった!ガード無視の攻撃って強いなあ!」
(リエルも問題なく終わったようだし)
「試した魔法は……成功のようね!」
黒焦げになったラビットタートルを見たリエルは満足そうに頷く。
「ああ、他にも色々出来るかと思うから楽しみだよ!」
「ふふっ!それは良かった。 さて…」
「あ、あのぅ…」
「「「 ありがとうございました!!!」」」
「無事で良かったわ!私はリエル。こっちはベルゼよ」
「リエルってあの Aランクの!?」
「そうよ? ふふ、私も有名になったのかしら?」
「アルスローで知らない冒険者はいないですよ!」
「良かったなリエル、念願の人気者だな」
「もう!ベルゼったら!すぐおちょくるんだから!」
「あの!改めて助けて下さってありがとうございました!俺たちは疾風の翼というCランクパーティです!俺がリーダーのハイクです!」
「バナードだ」
「リーナです!」
(なんだろう。凄くモヤっとするんだけど。このパターンって、よくも俺の獲物を!みたいな感じで来てくれた方がしっくり来るんだよな…)
「気にしないで!それより先輩から忠告させてもらうと、ラビットタートルは群れだとBランク相当になるから今後気をつけなさいよ。それと、撤退する判断は良かったけど、フレイムジャベリンが効かない段階で撤退するべきだったわね。ハイクが攻撃に特化していても、2人が同等の攻撃を持ってる訳じゃないなら、少しでもリスクは抑えるべきよ」
「リーダーの俺の判断ミスです……」
「「すいません……」」
(ええ!!!リエルさんすげえ真面目なんだけど!!!それにハイクもしおらしくなってないで、お前に何が分かる!とか言わないと違和感が仕事し過ぎだから!)
「今回は助かったから良かったけど、次は分からないからね。そうやって死んでいった冒険者を…私はたくさん見てきた。命を大事に頑張ってね!」
(…今の言葉には含みがあったな。命に関してリエルは人一倍の思いがあるからそりゃそうだよな)
「ところでこの魔物は私達が貰って行って良いかしら?」
「そういうところはちゃっかりしてるのな……」
ーーー登場人物メモーーー
- 疾風の翼 -
Cランクパーティ
・ハイク イケメン 逆テンプレ C
・バナード 盾役 ごつい C
・リーナ 魔法職 C
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