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 月曜日



美里と夜にテレビを見ていると、急にニュース速報に変わった。


――ん?


深夜のバラエティとは言え、通常の番組を中断してまで割り込んでくるということは、これは大事件なのだろうかと見ていると、大事件だった。


俺の住んでいる隣の市のマンションで、住人全員が殺されたと言うんのだ。


十二世帯にわたってその数十五人。


ワンルームのマンションなので一人住まいの部屋が多かったためにこんな数字になったのだが、それにしても一度に十五人とは、おだやかでない。


そのまま見ていると、美里がぽつりと言った。


「あいつよ」


「えっ?」


「あいつがやったのよ」


「あいつって、誰。知っているのか?」


「ううん、知らない。でもあいつがやったのよ。間違いないわ」


美里は本人曰く霊感のようなものがあるということで、たまに不思議なことを言うのだが、今回はこれまでの中でも一番奇妙な内容だった。


――知らないのに、あいつだってわかるって……。


でも俺は反論も質問もしなかった。


俺には霊感など皆目ないから、その世界のことは見当すらまるでつかないからだ。


それに美里は普段は自己主張などしないものだが、一度断言してしまったことは、たとえないがあってもそれを曲げないところがあり、俺はそれで何度か痛い目にあっている。


痛い目にあうことがわかっているのに、余計なことを言うわけがない。


そのまま二人でテレビを見ていると、やがてニュースの分だけカットされたバラエティが再開された。

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