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第1章 【森のゴブ】

豚鼻を鳴らしながらもがいてる緑の猿を見ながらスキルについて考える。

(労働契約が待機で契約期間が無期か・・・)

相手の意思関係なく言った事が全て強制的に労働契約になるなら使い方を考えないと人に会った時にまともに会話も出来ない。

相手が拒否したいような内容を言ってしまったとしても無理やり労働契約によって強制され、意志と反する行動を強制的に取らされるという事だ。

(そんな事になればやられた人間は俺の事を恐怖するだろうし、貴族かなんかに知れたらそれこそ討伐対象になりかねん・・・。何とか労働契約の発動を自分の意思で調整できるようにならないと人がいる所にも近付けない)

とりあえず目の前の泣き出した緑の豚猿で実験する事にした。

「とりあえずその木の棒を俺の所まで持って来て俺に渡せ。そして俺に危害を加えるな」

【既に締結した労働契約の契約期間が終了するまでは新たに労働契約を締結する事は出来ません】

(契約は複数結べないのか。なら契約を破棄すれば・・・)

泣き叫ぶ緑豚に近づき木の棒を取り上げ距離を取る。

「ゴブリンと締結した労働契約を破棄する!」

【契約途中での契約破棄は出来ません】

「へ?・・・そういえばLVMAX効果で破棄が出来ないんだったか」

(え?じゃあこのゴブリン一生ここから動けない訳?)

「すまんな・・・。元はと言えばお前が木の棒フルスイングするから悪いんだからな!」

そう言うと泣いているのか怒っているのか分からないぐらい取り乱しているゴブから目を反らす。

横目でゴブを見ると股間から何かを流しながら懇願している。

「悪かったよ・・・タイムとか言っちゃって・・・。もう待機しなくていいんだけどどうにも出来ないんだよ・・・」

【雇用主が契約内容達成を認めた為、労働契約内容を達成しました。双方に達成ボーナスが支給されます】

「おお?」

待機を解除されたゴブは地面に膝をつき涙を流しながらガッツポーズをしている。

「なるほど。雇用主が依頼達成を認めればいいのか」

(しかし強制力を制御するにはどうしたらいいのか分からんままだな。よし、もう一度ゴブ使って試すか)

そう思いゴブを見るとゴブと目と目が合った。

しばらく見つめ合い俺が微笑みを浮かべると慌てたようにゴブが仰向けに寝転がり完全服従ポーズを取った。

(なんかこいつ可愛いな。見た目はキモいけど)

「おい」

ゴブの体がビクッと反応する。

「今すぐ3回まわってワンと言え」

【労働契約を締結致しました】

契約内容:3回まわってワン!  契約期間:即時

何をしていいか分からないという風な顔をしていたが自然に体が動きまわっている。

3回まわった所で

「ゴブッ!」

そう叫ぶとまたゴブの体がまわり始めた。

2回をまわった時にゴブと目が合ったが既に泣きそうな顔をしている。

3回まわった所で

「ゴブッ」

そしてまた体がまわりだす。

笑いをこらえきれず吹き出してしまったが可哀そうなので依頼達成を認めてやる事にする。

体が自由になったゴブが何か言いたそうな顔でこちらを見ているが気にしない。

「次は2回ジャンプしてくれないか?」

しかし労働契約が発動せずにゴブは何か訴える目でこちらを見たままだ。

(命令すると強制的にスキルが発動するのか。これなら命令しなければ人との会話も出来そうだな)

一安心した所で改めてゴブを見る。

「お前と今から労働契約を締結するが今度は双方同意の上で締結したい」

ゴブに向かいそう言うとゴブは少し迷いながらも頷いた。

(え?言葉分かってんのかこいつ。まあいっか)

少し疑問に感じたが気にせず続ける。

「今後、お前は俺の護衛として俺に同行し、森の出口まで俺を案内する事。森の出口まで案内出来れば契約内容達成とし、その後については双方の同意があれば護衛の再契約を締結する。再契約時の契約期間は1週間の更新制とし、1週間後双方同意をすれば契約更新とする。また、報酬は契約達成ボーナスのみとする。」

「ゴブッ!」

【労働契約を締結致しました】

契約内容:護衛・森の出口までの案内  契約期間:無期

※契約満了後に再契約の可能性有

無事に契約が締結された事にホッとし、心の中で同意してくれたゴブにありがとうと伝えた。

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