②
────『死体』が、見つかったって。
「転がってるんだってさ、この、『彼ハ誰』に」
「・・・そんなわけ、ない・・・、んじゃ、ないの?」
「ないもんな、『死体』って。死んだのに在るってヤツ」
「そう、だよ。だから・・・、ないだろ、言葉だけだよ、在るのは」
「・・・でもさ、あるみたいなんだよ」
「だからっ・・・!」
「『ない』モノが『在る』に変わる、そんな日が、来るんだよ。・・・いや、違うか。来るんじゃない、もう、来てるんだ」
ほら、行こう・・・、とまるで当然の結論のように告げたギンは、真っ直ぐに伸ばした手で手で勝手に僕の手を引っ掴むと、了承すら得ずに歩き出す。
揺れ動く動作は収まったものの、相変わらず芯を失ったままの身体は、他者から齎される力に弱く、引かれるがまま、何の抵抗もしないで歩いていた。覚束ない、足取りで。
手首に絡まる指は、白く、細く、滑らかだ。ただ、特徴などは見当たらず、僕の手ともあまり変わらず、一番・・・、というより、殆ど唯一親しくしている友の手である確信が持てない。見覚えが持てないほど特徴がない手でもあるから、仕方がないが。
少しだけ低めの体温。そもそも他者の体温を感じることが少ないので、こうして直接、熱を感じていること自体が不思議な感じがする。滅多にない、経験だ。
・・・滅多にない、経験?
何かが、また引っ掛かった。通り過ぎようと思えば簡単に通り過ぎられる、その程度の引っ掛かり。足を踏み出すごとに薄れるその引っ掛かりを、敢えて直視することはしなかった。
この程度の引っ掛かりを追求したところで得るものはない、そう・・・、自分で自分を言い聞かせて。そして追求の代わりにそっと先を行く横顔を窺い見るのだが、その顔は・・・、はっきり、しない。膜は、ギンと同化している。見分けることが、どうしても出来ない。
記憶の中の、ギンの顔。今、見ようとしている横顔が朧気な所為か、ほぼ毎日見ているはずのその顔ですら、曖昧になってしまっていた。ただ、髪と目の色だけが記憶に残されている。逆に言えば、その色さえ持っていればギンであると思えるほど、それだけが絶対だ。それだけが・・・、それ、以外は?
でも、語らう人が語らっているつもりの人と同じである保証がないなんて、この『彼ハ誰』では当然すぎるほど当然のことだ。
気にする必要も無いことなのかもしれない。小さく迷子になった果てに元の場所に出てしまったかのような、呆れのような諦めのような曖昧な気持ちになって、その果てにはどうでもよくなって瞬きを数回、繰り返した。
視界が鮮明になるわけでもないのに、何故か、何度か瞼を開け閉めしただけで見えない世界の一部が変化したのか、繋いでいる冷たい、覚えのない手の感触が馴染んでいる気がしてきた。
つまり、思考が違う場面に到達したということ。そしてその違う方向へ向いた思考は、ふいに湧き上がってくる疑問を見つける。沸き上がってきていることを、僕自身が見つけるより先に。
「・・・それって、さ」
「それ?」
「『死体』、見つかったってヤツ」
「あぁ、『死体』」
「どっちだったか、聞いた?」
「どっちって?」
「だから・・・、『女』か『男』かってことだけど」
「『女』か『男』かって・・・」
「どっちだか、聞いている?」
「聞いてない。・・・っていうか、どっちも有り得なくない?」
「有り得ないって・・・」
「いないじゃん。どっちも。ここは『彼ハ誰』だろ?」
目が覚めるように、ギンの声が鮮明に耳に飛び込んでくる。僕自身が発した、ギンへの問いを連れて。存在するわけがない『死体』、その『死体』が『女』なのか『男』なのかを問う、自分。
二つに一つの選択肢として発したそれを、どちらも有り得ないモノとして問い返すギン。問い返してきたギンの声に、初めて自分が発した問いを知る僕。
有り得なかった。どれ一つとして、有り得るものは存在していなかった。
なんで、あんな意味不明な質問をしたのだろう? ・・・脳から零れる問いは、胸に溜まってそれ以上何処にも零れることが出来ず、形を少しずつ崩していく。
ただ、『死体』、『女』、『男』、今までもこれからもこれまでも、一切関係ないはずなのに、今、僕の何処かでこの単語だけが崩れないで残っていた。たぶん、『現在』ではない僕の中に。
ギンは・・・、ギン、だと判じている人は、相変わらず僕の手を引いて先を行く。横顔が微かに見えるが、容姿は見えないその人は、揺れる混じりけのない白の髪だけが確かだった。他には確かなものは何一つなく、踏み締めている冷たい人工の大地ですら、いまだに覚束ない。
でも、こんなこと、いつものことだった。いつものこと、そのはずなのに・・・、引っ掛かってしまうのは一体何故なのだろう? 誰が誰だか分からないのも、辺り一帯に何があるのか、誰がいるのか分からないのも、視界が不透明なのも、思考が曖昧なのも、全てはいつも通りで、それ以上でもそれ以下でもなく、気にすることも、気にする意思も、気にする必要も何もないのに。
誰も、気にしていないのに。僕だって、気にしていなかったのに。
ざわめいている、囁いている、絶え間なく、けれど、音ではなく、それは、言葉────、
なぜ、
じゅん、ばんですら・・・、
ないほうが、よ、
まち、だから、
あ、わ
あわ、
あわれ、
いえ、いえ、いえ、
・・・、ぎゃく、
ぎゃくの、ぎゃく、
み、ない、
しあわ、せ、し・・・、
ふふ、
あ、いえ、うふぅ、
ふふふ、
お、なじ、に・・・、ふふ、
うふふふふ、
────お、しあわ、せ、いに、
雑音、ただの、絶対の、雑音。
耳に入っていることすら認識ないほどの、音が全ての一塊になっているほどの、意味なんて存在しない、音の集合体。ずっと、途切れることなく充満しているモノ。この膜と同じくらい当然に充満し、みっちり詰まっている所為で誰一人として意識しないモノ。ましてや一つに固まっていて、既に解すことも出来ないほどなのだから、意識しろという方が無理なほどで。
無理な、ほど・・・、だったのに、『ソレ』は聞こえていた。聞こえていると、思ってしまった。
外に出れば、ずっと耳に入っていたのだ。ただ、今までは一切意識いていなかっただけ。そしてこれからも意識しないはずだったのに、唐突に意識されたそれは、あまりにも煩くて仕方がない。
密集しているわけでもない、点在しているのに、意識した途端にあまりにも煩い・・・、木々の、ざわめき。
煩かった。
はっきりと聞こえる反面、何を言ってるのか分からない、意味が把握出来ない、ざわめきであって言葉になってしまっただけのそれらは、あまりにも鬱陶しく、煩い。
頭を振って入ってきた声を身体から追い出し、耳を塞いでこれ以上入ってこないように塞いでしまいたいほどだが、片手は冷たい手に握り締められ自由にならず、もう片方の手は・・・、何故か、コートの端を指が掌に喰い込むほどきつく、掴んでいる。
まるで、縋るべきものを離すまいとでもしているかのように。
木々は、まだざわめいている。否、ざわめいている様をいつも通り聞き流せない。じっと、聞いてしまう。
でも、どれだけ聞いてもそれらのざわめきが一つの言葉に纏まらない。ざわめいている。聞き取れない人間を嘲笑するかのように、絶え間なく、延々と。膜の向こう側から、眺めている。何も分からず、曖昧なまま存在している人間達を、嗤っている。
たぶん、木々だけではなく、花も、草も、きっと、コンクリートに埋められた土ですらも。
・・・或いは、僕の中に埋まっている、まだ経験していない時間ですらも。
「あぁ、あそこだ」
「・・・あそこ?」
「ほら、あの、街灯の下だよ。なんか転がっているだろう?」
「でん、とう・・・」
「この辺りの街灯の下に転がっているって聞いてたんだけど、本当に転がっているな。ちょっと、大きめの人かな? あれ」
「街灯・・・」
「なに?」
「街灯の,下、なの?」
「そうだよ、だからほら、あそこだって」
ギンの足は、いつの間にか止まっていた。ギンに引かれて歩いていた僕の足も、当然、ギンの動きに従って止まる。そうして指し示されたのは、少し先に佇む、街灯。
薄い膜に覆われた国は街灯の明かりで照らせるような類いではないし、そもそも佇んでる街灯は、積極的にこの国に鮮明さをもたらそうとは思っていないらしく、とてもぼんやりした明かりしか灯さないのだ。
白に、月日が経ちすぎて汚れが滲んでしまったかのような黄色が混ざった色。光量もなく、時折、点滅までしている。今にも、消えそうなそれは、しかし辛うじて踏み留まり、足下に転がるモノをぼんやりと映していた。
明かりの中にソレを同化させてしまうほど頼りない明かりではあるが、ギンが告げるように、確かにそこに、ソレは在る。
・・・のに、やはり何かが引っ掛かる。『街灯』の下にある『死体』、『街灯』と『死体』、この二つの単語が近づいていることに、違和感を覚えているのだ。近づく、単語ではなかったように思う。組み合わされるような単語でもなかったと思う。
違うのだ。違う、そう、違う・・・、違う、のは・・・、『街灯』、これが、違う。これは、『死体』と近づく単語ではない。そうではなかったはず。
────『死体』は、そんな目印のようなものがある場所にあるモノじゃなかった。
止まっていたギンの足は、止まった時と同じようにいつの間にか動いていた。繋いだままの手はギンの動きに合わせて引かれていき、当然、手だけではなく、身体ごと引かれていく。
街灯の下で、身体を丸めるようにして横向きに倒れている、この国で見る一般的な体型よりは大柄な、その『死体』に向かって。
丸めているのも、横向きになるのも、違うのに・・・、再び抱く、そんな違和感。否、違和感を通り越して、既にそれは確信か。固く、強く、それでいて脆い確信。
足を踏み出す度にいっそう強く固まるのに、近づく度に脆く崩れそうになるそれを深く考えることは出来なかった。混乱は、もう目の前まで迫っていたから。
あと一歩踏み出せば何処かしらか踏みつける、そんな位置まで近づいたところで、動いていた足は止まる。僕の足も、ギンの足も。視線は静かに落ちていき、止まった自分の爪先を見て、それから並んでいるギンの爪先を見て、同じようなブーツだなと分かりきった感想を抱いた後、ゆっくりと前方へ向かっていく。
転がっている『死体』、照らしている『街灯』、立ち並んでいる『友人』、立ち止まっている『僕』。
脈絡なく、ふと思う。どれが、本物なのだろう、と。どれか一つくらい、本物があるのだろうか、と。それともどれ一つとして、本物ではないのだろうか、と。
脈絡なく浮かんだ疑問は、浮かんだ次の瞬間には霧散して、しかし脈絡のない答えを勝手に思いつく。幾つも思いついた、『どれ』の答え。・・・永遠に、『違う』が分かることはない、と。
「死んでるのに・・・、生きていないのに在るって、凄いな。なんか、転がっているだけだけど凄いなって感じない?」
「・・・まぁ、そう、だね」
「これって、ずっとこのままなのかな? 今より前にも後にも、何処にもいけないのかな?」
「・・・死んでるから、ね」
「何処にも、いけない?」
「・・・まあ、生きていないから・・・、無理、なんだろうね」
「無理、かぁ・・・」
見下ろしている耳に、溜息を混ぜ込んだ声が聞こえてくる。僕に分かるわけがない問いを幾つも重ねてくるそれに、分かるわけがないと思っているにも関わらず、適当な答えを重ねていく。
頭で考えたわけではなく、口が零しているだけの答えを耳で聞いて、初めて零された答えが知る、という繰り返し。自分の身体の一部だからといって、一枚岩なわけではないらしい。それぞれの部位が、それぞれ好き勝手な行動ばかり取っている。
そんな僕とは違い、転がっている『死体』の部位は、何処までいっても一枚岩である気がした。どの部位も互いを裏切ることなく、行動を共にしている。皆が揃って・・・、『死んで』、いる。一枚岩も何も、死んでいるのだから動けないというだけなのに、そのはずなのに、初めて見る存在に、勝手な想像が走ってしまう。
初めて、見る存在・・・、のはずの、『死体』に。
転がっている『死体』が纏う服は、あまりこの辺りでは見かけないスーツで、これまた滅多に見かけない革靴共々、全て黒一色だった。艶々に磨かれている爪先が、頼りない街灯の明かりすら反射させ、自身の黒を撥ね除けているが、黒である事実も革靴である事実も消えずにこの場に残っている。
スーツの下に着ている白いシャツは明かりの所為か、元々薄汚れていたのか、白から黄色味を帯びて黒の間から覗いているし、その白の間から覗いている肌は、肌色という単語を忘れて久しいほど、奇妙な黒みを帯びていた。
柔らかそうな部分など一つもない、全てが硬く、乾涸らびてしまっているソレ。死んでしまった人は、すでにモノでしかなく、生きていないのだから存在するはずもない。
それでも存在するモノがどれだけ不自然で気味が悪いモノであるのかを改めて突きつけてくる『死体』は、やはり存在しない方が自然なこと、当たり前のことなのだと訴えかけてきているような気がする。
・・・では、何故そんなモノが、こんなところに転がっているのか? あらゆる、不自然さや引っ掛かりを巻き散らかして。
「これって、さ・・・」
耳に滑り込んできた声は、あまりにも現実味を失っていた。この『彼ハ誰』でそんなモノを求めるなんて愚かしいと分かっているが、日付も時間も分からない状態で微かに残っていたはずのモノすら失えば、聞こえてくる声は遠く、意味すら把握が難しくなってしまう。
耳に入っているその声が、誰のものであったのかすら、遠くなるほどに。
「どっちでも、ないよね」
「・・・どっち、って?」
何を、言っているのか・・・、分からない。全く、分からない。何も、分からない。分からないし、何も考えられなくて、自動的に疑問符だけを付け加え、聞こえてきた台詞を繰り返す。
耳に入ってきた自分の声ですら自分のものと思えないほど、全ては希薄になっている。耳に入ったと思えたそれも、本当に形になっているのかどうか疑わしいほど希薄だったが、しかし一応、現実的な形にはなっていたらしい。
再び、自分以外の口が開かれる気配がした。同時に、予感がする。何かの予感が当たる、そんな予感が。
「『女』か『男』かって、聞いてたじゃん」
「・・・なに、が?」
「これ、どっちでもないよな。でも、『彼ハ誰』の人間でもない」
「・・・ぎ、ん」
「なぁ、灰茶。これってさ、この『死体』って・・・」
────もしかして、『シコウ』の人なのかな?
「『誰ソ彼』の人間は、絶対に来られないもんなぁ・・・、やっぱり、『シコウ』しかないんじゃないかなって思うんだけど・・・、なぁ、そう思わない?」
「し、こう・・・」
「そう、『シコウ』」
「しら、ない・・・、見たこと、ないし」
「俺だって見たことないよ。でもさ、見たことなくても、話に聞いた『女』とも『男』とも違う感じなんだから、残りは『シコウ』しかないだろ? それに・・・、『死体』だよ? これ」
「『死体』、だけど・・・」
「そんな有り得ないモノ、普通の国の人間で出来るわけない気がしない? でもさ・・・、『シコウ』なら・・・、何でも有りな気、しない? するだろう?」
「わっ、からないって・・・!」
「分からなくても、そう思うだろ?」
聞こえてくる声は、とても理論的な話をしていた。頭の片隅の理性的な部分は、当然、その理論的な話を支持している。目に映る現実を唯一、何とか出来る説明だと思う。
思うが、しかし・・・、その理論的な部分を理解出来るほどのスペースが、脳に残っていない。何かが、もうこれ以上、何も詰められないと訴えるほど詰まっている。耳に押し込まれる理論的な力を持つ言葉が、もう入りきらないのに押し込まれて、こめかみに痛みが走る。脳が、今にも爆発しそうなほど軋んでいる。
何が、入っているのか? こんなにもスペースが確保出来ないほど、何が、詰まっているのか? 「そう思わない?」「そう思わない?」「そう思わない?」、何度も何度も、繰り返される、それ。
でも、本当に繰り返されているのか? 耳の中で反響しているだけじゃないのか? そもそも何が詰まっているのか? 痛む、とても、痛む。こめかみが、骨が、脳が、何が、入っているのか?
・・・うふ、
うふふふっ、
な、また・・・、
わすれ、
うふふ・・・、
とっ、どか、
おろか、
ゆび、
あ・・・、すこし、だ、
・・・ふふ、
うふふ、もう、
もう、て、おく、
のば、す・・・、ふふ、
うふふふ、
『煩い,煩い、煩いっ!』
何かが、強く手に当たる。耳にも、当たる。目の前が真っ暗になって、何が起きたのかが分からなくなる。心臓が、脈が、あまりにも煩くて、何かを考えようにも煩くて考えられない。
いつの間にか瞑っていた瞼の裏に、形の掴めない何かが映る。煩い諸々の音、映り込む諸々の映像に惑わされながらも、辛うじて分かったことは自分が掴まれていた手を振り払い、掌を耳に押し当ててきつく、きつく塞いでいるということだ。
『死体』を目の当たりにした所為で認識が遠退いていたざわめきが、再び耳に煩く入り込む。入り込んでいたからこそ目を瞑ったのか、目を瞑ったことによって煩く耳に入り込んでしまっているのか、どちらが先なのかは判別がつかず、ただひたすらに煩かった。
この身体の外からも、中からも、瞑った瞼の裏も、外も、何もかも。
煩くて、煩くて、煩くて、外から入り込む全てを拒絶する為、中からの全てに堪える為、塞げるだけの全てを鬱ぎ、小さく、小さく、小さく・・・、ふと気がつけば、外部から自分を守るように、その場で出来うる限り身体を丸めてしゃがみ込んでいた。
腹に抱え込むようにして折り畳んでいる両膝に顔を押し当て、両手を耳に押し当てたまま、両肘もまた腹に抱え込むようにして折り畳んでいる。
静か、だった。とても、静かだった。
あれほどに煩かったのが嘘のように、何故か静まり返っている。外も、中も。音も、聞こえない。何も、見えない。一体、いつの間に静かになっていたのか、全く分からない。頭が割れそうな痛みを伴う煩さをあれほど拒絶していたというのに、唐突に気づいてしまった静けさが、今度は全身に微かな震えが走るほど怖ろしかった。
どうして、こんなにも静かなのか? 自分が拒絶した外は、拒絶している間に何か起きたのか? 中は、何故こんなにも静まり返っているのか? 心臓の音も、脈の音も、何故聞こえなくなってしまったのか? 音が、なくなるわけがないのに。
だって、生きている。僕は、生きている。生きているのだから、音が、中の、僕の中の音が、全て失われることなんて有り得ない。・・・その、はずなのに。
『それとも、僕はもう、生きていないのだろうか?』




