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撮影会モデルに 恋して  作者: 真言☆☆☆
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撮影会デビュー

 僕が初めて撮影会デビューしたのは、三年前の三月であった。


 朝の一部、11時から12時半まで、モーメントさんによる名城公園で

開催された撮影会でした。

 前の晩、興奮して、可笑しいくらい眠れなかったのを今でも覚えている。


 名古屋はよく遊びに行くが、名城公園に行くのは初めてだったので、早めに部屋を出た。

 受付のジャニーズ風のおにいさんが、初心者の僕に優し接してくれて、安心。

 やはり、こういう仕事をしている人は違うんだなあ~と感動。

 ポイントカードなるものをもらって、ビックリ。


 開始時刻まで時間があるので、暫しベンチでくつろぐ。 

 「マジで、いい公園だ。 」

 仕事を忘れて、開放感を味わう。

 カメラマンが花を撮影したり、老夫婦が散歩をしていたり、カップルが手をつないで歩いたり、

家族連れがチャリで走ったりしていた。、

 どこかのサークルが、ラダーをしていたっけ。

 ついつい、僕も、ランニングしたくなるのを、こらえた。


 春の心地よい風の中で、ふと桜の花びらに頬をなでられたような感じを受け、視線を向けると、

ある綺麗な女性が歩いてくるのを、発見した。

 マスクをしているが、あの大きなキラキラ輝る瞳、長い髪をたなびかせ、颯爽と歩く姿、

全身からオーラを感じた。

 後でわかったけど、やはり、その女性は、彼女の今日の相方さんでした。

 彼女のことは何でも知りたくて、前もって予習しといて良かった。

 この相方さんは、写真で見るより、ずっと素敵だった。


 この瞬間、彼女目当てに来たのに、相方さんに魅かれる僕がいたのであった。


 時間になって、彼女と相方さんが、フラワープラザの前に光臨。

 初めて会えた、やっと会えた。

 嬉しくて、嬉しくてたまらなかった。

 生で見る魅力に、ピカチューの10万ボルトよりしびれたよ。


 相方さんが、こいクリーム色のジャケットにジーンズに対して、

彼女は何か春っ!!て感じで、カラフルで薄い素材にショートパンツ、

最初は黒いジャケットをひっかけていた。

 ファッションセンスの良さにため息が出る。


 スタッグのおにいさん二人を先頭に、最初の撮影場所に向かう。

 社長さん、先生方と呼ばれるお客さん、カメラマン10数人は、移動した。


 僕の目の前を、夢に見た彼女が歩いている。

 思ったより、背が高い。 ハイヒールも履いている。

 歩く姿も流石プロ、正中線がぶれることなく、颯爽と歩く。

 それだけで、胸がドキドキした。


 撮影の前に、簡単な挨拶があったけど、ちょうどその時上空を飛ぶヘリの音でよく聞けなかった。

 その時、本気でヘリを撃ち落とそうと思ったぞ。


 初めて、生で聞く声は、表現できないほど素敵だった。

 期待感が嫌でも高まる。


 いよいよ、戦闘開始じゃなくて、撮影が始まった。

 彼女と相方さんが、離れて立つ。

 スタッフのお兄さんも、反射板を手にし、分かれる。

 そこへ、カメラマンが分かれて、一列に並ぶ。

 僕は当然、彼女の列に並んだ。


 みなさん、慣れたもので、きちんと挨拶していた。

 そして、「お久しぶり。」とか、「最近、どう。」などとおしゃべりしながら、

色々ポーズに注文し、『カシャ!カシャ! 』って、シャッターをきる。


 いよいよ、僕の番が来た。

「 宜しく、お願いします!」これだけは、頑張って言えた。

 心臓がバクバクしたけどね。

「おねがいしま~す!」って、彼女が挨拶をしてくれた。

 嬉しくて、もう最高。それだけで、来た甲斐があった。

 緊張で、上手くおしゃべりできず、写真も撮れず、また、列の後ろに並ぶ。

 僕は、全然あかんたれだった。


 彼女は、凄いよ。

 ちゃんと、カメラマンのリクエストに応え、ポーズを決めていた。

 何と言っても、あの目線。目力がある。

 日頃の絶え間ない努力、研究の成果が、出ている。


 二回目の僕の番が来た。

 何をしゃべったか、覚えていない。

 ファインダーを通してでも、あの視線で見つめられたら、もう心臓がバクンバクン。

 僕は、彼女の魅力にハートを撃ち抜かられた。


 時間が来て、二人は、ローテーションしたけど、僕は彼女の列に、並んだ。

 僕の番が来て、かろうじてバスケットのポジション、センターだったことだけ、聞きだした。

 下手な写真を撮るより、彼女の心に触れたかったから。


 二回目の撮影場所は、小高い丘の木立の中。

 僕の番が来た。

 僕が三重県から来たことを聞いて、それだけで僕のハンドルネームを当てた。

「私の勝ちね。」

 僕は、彼女に負けました。

 でも、とっても嬉しい負けでした。

 本当、ファンになって良かった。

 こつこつ、ブログにコメントを書いた甲斐があった。

 良く気が付き、心の優しい女性であることを、再認識したのである。


 相方さんにも挨拶しようと、そっちにも並んだ。

 間近で見ると、ますます素敵だったよ。

 初心者の僕にも、優しく接してくれた。


 12時くらいに、サイン会になった。

 二人の前に、別れて、一列に、並ぶ。

「オオッ!これがサイン会か。握手してもらえるのか。」

 心臓が、バクンバクン、ドクン、ドクンした。

 色紙を渡して、書いてもらった。

 そして、握手をしてもらえました。

 彼女の誰に対しても、優しく接する人柄、一生懸命に書いてくれるその姿勢に、

涙が出そうになった。

 『ごめんね、上手くしゃべれずに。僕、口下手で、人見知りするから。』

 心の中では、もっとお話ししたいと叫んでいた。


 相方さんにも、サインしてもらった。

 僕と同じで、寒がりであることを、教えてもらった。

 ウサギの絵がとても、可愛い。


『二人とも、僕、家宝にするからね。 』

 二人が、今よりもっと大ブレイクして、パリコレやハリウッドに行っても、

絶対に売らないことを心に固く誓いました。


 その後、壁の所で撮影会があり、アッという間に、12時30分が来て、終了。

 僕は、1部だけの参加。

 僕は、スタッフさんに、お礼を言った。


 彼女と相方さんにも挨拶したら、「気をつけて、帰ってね。」と言ってくれた。

 本当来て、よかった。 来たかいが、あった。

 僕は、両手を廻しながら、スキップをしながら公園を出た。



 僕は写真を撮りに行って、心を盗られたのである。




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