撮影会デビュー
僕が初めて撮影会デビューしたのは、三年前の三月であった。
朝の一部、11時から12時半まで、モーメントさんによる名城公園で
開催された撮影会でした。
前の晩、興奮して、可笑しいくらい眠れなかったのを今でも覚えている。
名古屋はよく遊びに行くが、名城公園に行くのは初めてだったので、早めに部屋を出た。
受付のジャニーズ風のおにいさんが、初心者の僕に優し接してくれて、安心。
やはり、こういう仕事をしている人は違うんだなあ~と感動。
ポイントカードなるものをもらって、ビックリ。
開始時刻まで時間があるので、暫しベンチでくつろぐ。
「マジで、いい公園だ。 」
仕事を忘れて、開放感を味わう。
カメラマンが花を撮影したり、老夫婦が散歩をしていたり、カップルが手をつないで歩いたり、
家族連れがチャリで走ったりしていた。、
どこかのサークルが、ラダーをしていたっけ。
ついつい、僕も、ランニングしたくなるのを、こらえた。
春の心地よい風の中で、ふと桜の花びらに頬をなでられたような感じを受け、視線を向けると、
ある綺麗な女性が歩いてくるのを、発見した。
マスクをしているが、あの大きなキラキラ輝る瞳、長い髪をたなびかせ、颯爽と歩く姿、
全身からオーラを感じた。
後でわかったけど、やはり、その女性は、彼女の今日の相方さんでした。
彼女のことは何でも知りたくて、前もって予習しといて良かった。
この相方さんは、写真で見るより、ずっと素敵だった。
この瞬間、彼女目当てに来たのに、相方さんに魅かれる僕がいたのであった。
時間になって、彼女と相方さんが、フラワープラザの前に光臨。
初めて会えた、やっと会えた。
嬉しくて、嬉しくてたまらなかった。
生で見る魅力に、ピカチューの10万ボルトよりしびれたよ。
相方さんが、こいクリーム色のジャケットにジーンズに対して、
彼女は何か春っ!!て感じで、カラフルで薄い素材にショートパンツ、
最初は黒いジャケットをひっかけていた。
ファッションセンスの良さにため息が出る。
スタッグのおにいさん二人を先頭に、最初の撮影場所に向かう。
社長さん、先生方と呼ばれるお客さん、カメラマン10数人は、移動した。
僕の目の前を、夢に見た彼女が歩いている。
思ったより、背が高い。 ハイヒールも履いている。
歩く姿も流石プロ、正中線がぶれることなく、颯爽と歩く。
それだけで、胸がドキドキした。
撮影の前に、簡単な挨拶があったけど、ちょうどその時上空を飛ぶヘリの音でよく聞けなかった。
その時、本気でヘリを撃ち落とそうと思ったぞ。
初めて、生で聞く声は、表現できないほど素敵だった。
期待感が嫌でも高まる。
いよいよ、戦闘開始じゃなくて、撮影が始まった。
彼女と相方さんが、離れて立つ。
スタッフのお兄さんも、反射板を手にし、分かれる。
そこへ、カメラマンが分かれて、一列に並ぶ。
僕は当然、彼女の列に並んだ。
みなさん、慣れたもので、きちんと挨拶していた。
そして、「お久しぶり。」とか、「最近、どう。」などとおしゃべりしながら、
色々ポーズに注文し、『カシャ!カシャ! 』って、シャッターをきる。
いよいよ、僕の番が来た。
「 宜しく、お願いします!」これだけは、頑張って言えた。
心臓がバクバクしたけどね。
「おねがいしま~す!」って、彼女が挨拶をしてくれた。
嬉しくて、もう最高。それだけで、来た甲斐があった。
緊張で、上手くおしゃべりできず、写真も撮れず、また、列の後ろに並ぶ。
僕は、全然あかんたれだった。
彼女は、凄いよ。
ちゃんと、カメラマンのリクエストに応え、ポーズを決めていた。
何と言っても、あの目線。目力がある。
日頃の絶え間ない努力、研究の成果が、出ている。
二回目の僕の番が来た。
何をしゃべったか、覚えていない。
ファインダーを通してでも、あの視線で見つめられたら、もう心臓がバクンバクン。
僕は、彼女の魅力にハートを撃ち抜かられた。
時間が来て、二人は、ローテーションしたけど、僕は彼女の列に、並んだ。
僕の番が来て、かろうじてバスケットのポジション、センターだったことだけ、聞きだした。
下手な写真を撮るより、彼女の心に触れたかったから。
二回目の撮影場所は、小高い丘の木立の中。
僕の番が来た。
僕が三重県から来たことを聞いて、それだけで僕のハンドルネームを当てた。
「私の勝ちね。」
僕は、彼女に負けました。
でも、とっても嬉しい負けでした。
本当、ファンになって良かった。
こつこつ、ブログにコメントを書いた甲斐があった。
良く気が付き、心の優しい女性であることを、再認識したのである。
相方さんにも挨拶しようと、そっちにも並んだ。
間近で見ると、ますます素敵だったよ。
初心者の僕にも、優しく接してくれた。
12時くらいに、サイン会になった。
二人の前に、別れて、一列に、並ぶ。
「オオッ!これがサイン会か。握手してもらえるのか。」
心臓が、バクンバクン、ドクン、ドクンした。
色紙を渡して、書いてもらった。
そして、握手をしてもらえました。
彼女の誰に対しても、優しく接する人柄、一生懸命に書いてくれるその姿勢に、
涙が出そうになった。
『ごめんね、上手くしゃべれずに。僕、口下手で、人見知りするから。』
心の中では、もっとお話ししたいと叫んでいた。
相方さんにも、サインしてもらった。
僕と同じで、寒がりであることを、教えてもらった。
ウサギの絵がとても、可愛い。
『二人とも、僕、家宝にするからね。 』
二人が、今よりもっと大ブレイクして、パリコレやハリウッドに行っても、
絶対に売らないことを心に固く誓いました。
その後、壁の所で撮影会があり、アッという間に、12時30分が来て、終了。
僕は、1部だけの参加。
僕は、スタッフさんに、お礼を言った。
彼女と相方さんにも挨拶したら、「気をつけて、帰ってね。」と言ってくれた。
本当来て、よかった。 来たかいが、あった。
僕は、両手を廻しながら、スキップをしながら公園を出た。
僕は写真を撮りに行って、心を盗られたのである。