0.5
これは物語とは関係ない話だ。
読み返して、書き加えて、書き直してをしている為、話が飛んでいるかもしれない。
私が小説として、この話を書くに至った2つの理由について話そうと思う。
まず1つ目は、自分が存在していたという爪痕を残したかったというものだ。
私は...というよりもほとんどの方が人知れず亡くなって行くだろう。
友人や恋人、家族といった親密な関係の人には多少なりとも覚えておいて貰えるだろうけど、それで満足出来るのか?私は出来ない。
どこでもいいから[私の人生の記録]を残して誰かの記憶に爪痕を残したい。小説家になろうを選んだのも、ただ目がついたからに過ぎない。
私がいつ、どこで、なにを、どうしたのか、顔や名前も知らない読者達に知って貰いたい。
2つ目の理由として、私の記憶から消えて欲しくないという物がある。
私は若い割に物覚えが良くない。1ヶ月に1度、昔の記憶を思い浮かべないと忘れてしまう程に。
忘れる事は必ず避けたいし、記憶が曖昧になるのも正直嫌である。
忘れる前に大切な記憶を、思い出せる限りでいいからどこかに書いて置きたい。
これらの理由で、私は小説として私の記憶を書き残している。
いや...読み返して考えたが、一貫して言える事がある。
私は怖がっているという点だ。
誰の記憶にも残らずに人生を終えるのが怖いし、楽しかった思い出が消えてしまうのが怖い。
恐怖を安心に変える為に私は小説を書いている。
読者の方々も1度くらいは考えた事があるかと思う
「このまま死んでいくのは嫌だ」「私の人生録を残したい」「忘れられたくない、忘れたくない」
これは偏見となってしまうが...1年、1ヶ月、1日、1時間、誰しもアニメや漫画で夢見た青春・偉業の一コマがあると考えている。
「そんなものは無い」と思った人もいるだろう...ではここで例を出してみよう。
一人で街頭に照らされながら夜道を歩く、よくある事に見える物でも、それは子供の頃に想像した「大人っぽい」という夢だ。
授業中に寝たり、ノートの隅で落書きをしてみる...これも見方を変えれば青春の一コマとさえ言える。
1度でもある・よくしているその物事は、誰かが想像している夢かもしれない。
長々と話してしまったがまとめると、私は自分の記憶を形にして、忘れても良いように...そして誰かに見て貰う為に小説を書いている。このまま自分で忘れ、他人にも忘れられ、記憶すら残らない人生が怖いからだ。
私は何も成し遂げられないと分かっているから、ここで悪あがきをしている。