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37話

 学園から出て、3人は駅前のカフェに集まっていた。


「さて、これより作戦会議を始めるぞ」


 そう亮が言うと、2人は同時に頷く。


「一番まずいのは智代ちゃんにバレる事だよね」


 麻奈美の言葉に2人は何度も頷く。


 確かに智代は男性嫌いだし、バレてしまえば、グループの力で社会的に抹殺されることは確定してしまう。


 そうなってしまえば、杏奈も学園に通えなくなるだろうし、ただではすまない。


「何とか、近づけないようにしないとダメだよね……」


 不機嫌そうに言いながら麻奈美は机を指で叩く。


 よっぽど智代が抱き着いてきたりするの快く思ってないんだろうか?


「そこは私が、怪我が悪化するからやめてくださいと言って押さえつけますから安心してください」

「なら安心だね!」


 サムズアップをして、麻奈美は恵梨香を賞賛する。


「後は唯なんだけど……」

「メアドなどを交換したいと言ってきたときに、どうにかすれば言いと思うよ?」

「そんな適当でいいのか……?」

「まぁなんとかなるでしょう……。3人で協力しましょう」


 3人で控えめに「おーっ!」と声を出して一致団結する。


(こんなんで大丈夫かなぁ……。バレたら終わりってわかってるのかな?)


 作戦会議は終了するものの、亮の心中は先行き不安のままであった。


 そんな中、亮達のいる机にウェイトレスがやってきて、注文した2人分のスイーツと亮のブラックコーヒが並ぶ。


 麻奈美はパフェ、恵梨香はクリームののったパンケーキをそれぞ手元に寄せた。


 すると、パフェを見た麻奈美は急に不機嫌そうな顔をする。


「ど、どうしたの? なんか変なのついてた……?」

「亮君ってさ、この前智代ちゃんにパフェをあーんしてもらってたよね?」


 膨れっ面になりながら、麻奈美はそう話す。


「ご、ごめんって……」


 申し訳なさそうに亮は謝ると、麻奈美はスプーンを差し出してきて、智代のようにやれと言わんばかりの目でアピールしてきた。


「わ、わかったよ……」


 亮はスプーンを渋々受け取る。


 慣れた手つきでスプーンパフェを乗せて麻奈美にあげると、不機嫌そうにパクっと食べた。


 そして、次は私の番とばかりにスプーンを亮から奪うと、今度は麻奈美からあーんされたので、亮はパクっと食べる。


(これで気が済んだかな……?)


 そう安心しきって、コーヒーを飲んでいると、なんと麻奈美が亮の隣へ至近距離で座ってきたのだ。


「え、ちょ、何? めっちゃ近いんだけど……?」


 焦る亮の心臓の鼓動は次第に早くなっていた。


(め、め、めっちゃ近い……。す、すごく良い匂いする……)


 焦る亮を見て、やはりと言わんばかりに、にっこりと笑うと、麻奈美からまたスプーンを手渡される。


「食べさせて?」

「!?」


 甘い声で、耳元で麻奈美は囁く。


 他のお客さんもいるし、まずいと思った亮は、恵梨香に助けを求めようとすると帰ったら覚えておけと言わんばかりの顔をしていた。


「ひ、ひぃ!?」

「どうしたの? 早く食べさせて?」

「ひゃ、ひゃい!」


 ぷるぷると手を震わせながら、パフェをスプーンですくって麻奈美の口へと運ぶ。


「うーん、おいしいー」


 ご満悦の表情で、麻奈美はさらに亮に密着し、今度は麻奈美からパフェの乗ったスプーンが差し出される。


「はい、あーん」

「あ、あーん……」


 しどろもどろしながも、亮はパフェを味わう。


 麻奈美に密着されながら味わうパフェはほとんど味がせず、ただドキドキしているだけだった。


「麻奈美様。そろそろお店の迷惑なるから離れた方がいいかと……」


 そう恵梨香が注意すると、麻奈美は素直に返事をして元いた席へと戻る。


「もしかして、私亮君にくっついて、やきもち焼いてるのー?」

「ッ!! そんなことはありません!!」


 からかうように麻奈美が言うと、恵梨香は顔を真っ赤にして語気を強くしながら拒否した。


「いや、絶対ヤキモチ焼いてるでしょ……」


 同調して亮もそう言うと、目の前に風を切る速さで、パンケーキを切るナイフを向ける。


「調子に乗るな」

「わ、わかりましたぁ……」


 注意された亮は、恐怖におびえながら頭を下げた。


「さて、亮様。お会計をお願いします」

「え、なんで?」

「すいません、財布を持ってくるの忘れてしまいまして……」

「ごめんー!実は私もー!」


 2人はにっこりと笑いながら、伝票を手渡してくる。


「お、俺も、こ……今月……」


 大量の冷や汗をかきながら、2人に伝票を返そうとすると、伝票を動かさないよう指の間にフォークが突きつけられてしまう。

 

「お願いしますね?」

「わ、わかりまひた」


 こうして、また亮はおごることになってしまうのだった。

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