ep.39 顔合わせ
昼飯を済ませて集会所受付へ赴く。
確か会議室だったな…
「すみません、招集を受けたアインです。会議室って…」
「!しょ、招集を受けられた方ですね。あちらのと、扉から中へどうぞ」
若い受付嬢は驚きながらも丁寧に案内する。
「わかりました」
裏に行くときは普通こうだよな…昨日のはびっくりしたなぁ。
扉を開けると待っていた先程の受付嬢に先導されて会議室へ向かう。
「失礼します」
会議室では10人ほどが掛けられる大きさの机があり、すでに2人が腰掛けていた。
「見ない顔だな」
机に脚を乗せて座っていた男は威圧的な眼を向ける。
Aランク相当と思われる奴の討伐だから多分集められるのはみんなAランクだろう。つまりこの二人は…
「ヴァロウったら、せっかくカッコいいんだからそんな怖い顔しちゃダメよ?」
その隣に座っている妖艶な雰囲気の女性は男をなだめる。
「黙れ」
「もーカリカリしないの。ほらキミ、こっちおいで?」
女性がアインを隣の席へ手招きする。
すごい恰好の人だな…
とりあえず誘われるままに隣の席に着く。
「アタシはナーニャ、キミは?」
ナーニャはアインの肩に手を触れると眉をピクリと動かす。
「アインです」
「…アインくんは何で呼ばれたのかしら?」
「例の長生個体との交戦経験があるため招集されました」
「ふうん…ね、普段は何してるの?」
「普段は…探索したり魔法で遊んだり美味しいご飯屋さん探したり…ですかね」
「なんだ同業なのね。でも理由が分かったわ」
ナーニャは何かに納得した様子だ。
「理由?何のです?」
「その魔力よ。さっき勝手に調べたんだけど軍の精鋭魔法隊くらいあったから何者かと思って」
調べた?魔法の気配しなかったぞ?いつ…?固有魔法だろうか?
「ほう。それほどの実力者なら他の街から呼ばれるのも納得か」
会話に横入りしてきたヴァロウは感心したような顔をしている。
他の街?
「いえ、この街に滞在してます」
「む?しかしこの街のAランクは皆顔見知りなんだが…」
「僕Bランクなので…」
「「は?」」
2人は声をそろえて驚く。
「おいナーニャ、調べた魔力に間違いはないんだろうな?」
「あるわけないじゃない」
「…何者かにランクアップを妨害されてるとかか?心当たりは?」
「いえ全く。というかBランクになってまだ一月も経ってないんでランクアップはまだまだ先かと…」
「なんという…」
「世界は広いわね…」
2人は若干引いている。
アインは訳が分からず2人の顔を交互に見る。
「分かってないみたいだから教えてあげるわ。その魔力量ならAランク魔域でも全然渡り合えるのよ。なのにまだBランクになって間もないってんだから…」
もうAランク魔域に行けるくらいには魔力あったのか!ランク上がったらすぐAランク魔域行けるな。教えてくれて助かる。
「よう!バッチシ時間通…ん?どういう状況だ?」
トレンチコートを着た大男が勢い良く部屋に駆け込んできた。
「あー…とんでもない新人が現れたってとこよ」
「ほほお…俺はデモニス!よろしくな」
男は嬉しそうな笑みを浮かべアインに握手を求める。
「アインです」
デモニスと握手を交わす。
「仲良く出来ているようで結構結構」
デモニスの背後から女性の声がしてデモニスが退くと、そこには年端もいかない少女が腕組みをしていた。
女の子…?
「おう!久しぶりだな副所長」
この小さな子が…副所長!?




