表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ちくわ  作者: ピリ辛
1/1

ソレを覗いてはいけない


――――――――――――――――――――――――――――


ちくわ(竹輪)


(切り身が竹の輪切りに似ていることからいう)

魚肉をすって、竹または真鍮しんちゅうなどの

金属の串に塗り付けて棒状にし、あぶりまたは蒸した食品。

(広辞苑より)


――――――――――――――――――――――――――――





―――――これは、

ある日、ちくわを覗いてしまった少年と、

ちくわ取締委員会の、長い一日の戦いである






――その日、国会で新たなる5つの法案が可決された



「午後ティー午前摂取禁止法」


「プッチンプリンぷっちん義務化法」


「即席麺待機時間遵守法」



そしてそれに続く法の名が――――



「ちくわ取締法」



それは、ちくわの穴を覗いてはならず、

覗いた者は、「ちくわ取締委員会」に連行される、


というものである。



これに対し、記者団や、政治マニア、一部の団体などから



「罰則が明示されていないのはどういうことか」や、


「この法律を決めた理由がわけわかめ。」、


「私たちのちくわライフを返せええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!」



などといった反発リペリング怨嗟リゼントメントの声が挙がったが、

結局は、その声もむなしく、法律は強制的に可決されてしまった...





………………………


……………







――僕の名前は、『蒲鉾かまぼこ K輔けいすけ


いたって普通の高校1年生だ



今は、公園で“親友”の待ち合わせをしている




「おーい('ω')ノ」




向こう側から、手を振りながらこっちに向かってくる男がいる





「こいつの名前は、『藻風もぶう 湧薬わきやく』。僕の…“親友”だ……(キメッ)」


「…いつも思うんだが、

それ、誰に対して言ってるんだ(。´・ω・)?」


「お前こそ、その、

(。´・ω・)?

とか、どう発音してんだよ?(笑)」


「ケースケも十分言えてんじゃねーかΣ(゜Д゜)」


「ハハハ」


「( ̄∇ ̄;)ハハハ」






――――こうして、僕たちの何気ない日常が…続くハズだった……



が…………そんなモノは、ある時突然に、崩れ去る―――――






視界の端に僕の“レーダー”が反応した




「ム…あれは……」




公園の木々の影に隠れている、

あの“円柱形”は……!!!




「“ちくわ”じゃねーか!!しかもビッグサイズの!!!


天然のちくわでも今では珍しいっつーのに、

このサイズのがこんな公園なんかに生えているなんて!!!!


ラッキー!!!!」




僕は瞬時に、木々の影に存在している

ちくわに飛びついた



その速度…、『無影』……!!!!



そこには…………




「うおおおおおおお!!!!??

最初の一個の近くに隠れていたちくわがさらに出てきただとおお!!」


「お前さっきからうるさい( `ー´)ノ」



(´Д⊂ヽアタッ



「ちくわぐらいテキトーに持ち帰ればいいだろ

少しは黙れよ」


「…ああ。



僕は、ばつが悪そうに謝った…」



「いやwどう考えても微塵も謝ってねーだろwww


『僕は、ばつが悪そうに謝った…』

とか自分で言うなしww(=゜ω゜)ノ」


「ハハハハハ」


「( ´Д`)=3 フゥ

お前のツッコミも、毎回疲れるぜ...


それと、お前ホントにちくわ大好きだな」



「…まあな



僕は、ちくわを摘みながら言う」


「(#^ω^)ピキピキ」


「すいませんでした(ガチ謝り)」




謝った後、僕は突然、ある“衝動”に駆られる……!!

すなわち、!!!





「――――ちくわをッッッ!!!!!!!!

“覗きたい”ッッッ!!!!!!!!!!!」




「Σ(・ω・ノ)ノ  !!!?

おい、ケースケ!!!(; ・`д・´)

やめろ!!!!それは“禁忌タブー”だぞ!!!!( ゜Д゜)」


「ダメだ…理性では覗いてはいけないと分かっていても……

体が……!!!勝手に………!!!!


うおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!

おおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!?????

おおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!」




――――僕の両手は、キレイな弧を描いてちくわを持ち、


――――僕の両腕は、流水の如く自然な動きで僕の目の前にちくわの穴を持ってきた




「―――――その見た目!

双眼鏡を覗く、子供の如く!!!!



そう言いながら、僕は次々と摘んだちくわを覗いていく」




「な、何をヤっているんだケースケ!!!?(;゜Д゜)

いつにも増して、頭がおかしいぞ!!!?(0H0)」

……いや、そんなことより、これが他の人にばれたら―――」





「ふっ

今の行動、見させてもらった……」





「く…ち、ちくわ取締委員会……(;´Д`)」




気づけば、いつの間にか7、8人の黒服に囲まれていた




「気づけば、いつの間にか7、8人の黒服に囲まれていた」


「お前マジでなんなんだよ(。-`ω-)」


「そういうお前こそ、こういう状況でだって

ツッコミを忘れてないじゃないか」




「……おい、そこのお前…

今、ちくわを覗いたな?

(わざわざ会話が終わるまで待ってくれてた優しい黒服)」




「僕は無言でうなずく」



「(無言……?)

ちくわ取締委員会本部につれて行くぞ…」



「再び僕はうなずく」


「おいまて ケースケ!!

お前は今、とてもおかしい状態なんだ!!目を覚ませ!!!

こんなところで…終わっていいはずがないッッ!!!!!!!!!!!(# ゜Д゜)ウガーー」



「そう言って、俺は黒服の一人に襲い掛かった!!!!!」


「台無しだよおめー!!!(`^´)


うおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!」



そう言いながらも、

俺は黒服を一人…殴り飛ばすッ!!



「」

ほう…素晴らしい……

何とも勇敢なんだ、君は…



「急に、黒服と黒服の間から

ムキムキな上裸の漢が現れた……!!」




「」

私は、ちくわ取締委員会幹部、

『』ちくわ使徒 の、縞島()じまじま だ!!!!




「どうでもいいけど、「」とか()とかから

はみ出さないで話してくれます?(*´Д`)」



「」

ああ…



(だめだこいつ…

こいつに対してもツッコむのはやめとこう(´・ω・)



「」

それはそうと、我らが用があるのは、そこのちくわを覗いた少年だけだ…

今なら、先程我らに歯向かったのは、その度胸に免じて許してやってもよい…



(殴ったのを許す理由が

殴った度胸に対してとか(笑)

殴り放題じゃねーかww( ´∀` )



「」

さあどうする?


友を捨て、逃げるか…

それでもなお、我らに対抗するか…




「俺は…ケースケを……

俺の“親友”を助けるために……

お前らを倒すッッ!!!! <(`^´)> 」




「」

ふっ、いいセリフだ、感動的だな (^U^) だが無意味だ…

()このままでは物足りないと思ってたところで

来るとは、この青年、中々わかるではないか




「心の声漏れてんぞ (^O^)/」



「」

では、こちらも敬意を払って、

全力で叩き潰すッッ!!!!



「そう言って抜いたるは

30cmサイズの天然ちくわ2本の先端を

輪切りちくわの鎖でつないだ最凶の武器――――」



その名も―――!!!!





ちくわヌンチャク!!!!!!!!!!!





――――その武器はまず、モブウの視覚に強烈な衝撃を与える!!!!



「ぐぅッッ!!! Σ(>□<;)


な…なんだ……あのちくわの先端の綺麗なきつね色はッッ!!!!

なんだ……胴の部分のムラのない純白色はッッ!!!!


しかも、きつねと純白の境界にある、

あの…あのッ……


究極のコントラストはッッ!!!!!



……目が焼けるッッ!!!!!」




――――次にモブウに強烈な衝撃を与えるは……


嗅覚ッ!!



「この距離からでも十分に伝わる…

この…“薫り”はッッ……!!!!∑(>艸<)


山の河川付近で魚を栄養にして

育ってきたことがよく分かるッ!!


養殖では再現しきれない、絶妙な

匂いと臭いのぶつかり合いッッ!!!


ただ“匂い”が良いだけではないッ!

“臭い”も混ざり合ってこその“良さ”が……

そこにはある…………!!」




「」

ふっ説明ご苦労……

では…行くぞッ!


喰らえッッ!!!



『』空間断裂ちくわファイナル鎮魂歌()レクイエム ッッッ!!!!!



フッ、地獄を楽しみな……




「ぐああああああ!!!!!! ;つД0) ドゴォッ!!!


こ、これは……なんという…………

“弾力”なんだッッ!!!!


硬いのか、軟らかいのか…

一口では表現しきれないッッ!!!!( ゜Д゜)


こんなのって、こんなのって………

……………有り得ない……(0言0)」




俺の足は、がくがく震え、今にも倒れてしまいそうだ


……だが、倒れないッッ!!!




「……俺の…親友を……

守る……ために……

こんな所で………倒れるわけには……………( ー`дー´)キリッ

いかねえんだよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!

(ノ0ω0)ノ オオオオォォォ-」



「」

フン…この攻撃を受けてもなお

立っているとは……なかなか骨があるやつだ…

ならば、こちらも最終必殺技ファイナルデスブローを使ってやらねばなあぁ!!!




そういうと、ジマジマは、

口でちくわヌンチャクの先を咥え、


大きく息を吐く!!!!!




「………すると、何やら“歌”が聞こえてくる……」




『さかなっ♪さかなっ♪さっかっな♪』

『ちくわっ♪ちくわっ♪ちっくっわ♪』


『さかなっ♪さかなっ♪さっかっな♪』

『ちくわっ♪ちくわっ♪ちっくっわ♪』


『さかなっ♪さかなっ♪さっかっな♪』

『ちくわっ♪ちくわっ♪ちっくっわ♪』




「こ……これは一体……

幻聴か………!!!?(*´Д`)

頭がおかしくなるッッ!!!!!(@_@)」



俺はついに、立っていることすらままならなくなり


その膝を、地べたにつけてしまった…………




「」

ふんっ…

やっと跪いたか………


では…仕上げだ………




「よせッッ!!!来るなッッ!!!!

Σ(゜∀゜ノ)ノ キャー」


「―――しかし、ジマジマは、来るのをやめないッッ!!!」



「」

さあ、おいしく召し上がれ……



「ジマジマが、俺の口に、

ムリヤリちくわヌンチャクをねじ込んでくる―――!!!」



「ぐッッ!!!やめろッッ!!!(# ゜Д゜)」



「しかし、俺の抵抗もむなしく……

俺はそのちくわを食べてしまった………」



「~~~~~~~~~~~!!!!!!

(声にならない叫び)


この味は………………

この………!!!味は……………!!!!!!(◎_◎;)


お、俺の語彙では、説明することさえ出来ない……




“究極”のうまさだああああああああああああああああ!!!!!!!




……………………………


………ァァ……」





「( ゜д゜)ハッ!


モ、モブウウウウウウウウウウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!!!!!!!!

ウウウウウウウウウウウウウウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!!!!!!!!

ウウウウウウウウウウウウウウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!!!!!!!!



ぼ…僕は何を……

目の前で………“親友”が戦っていたというのに……

何もできなかった………

いや………何も…


“しなかった”!!!!!


クソオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!!」




「」

よし、お前ら。

こいつを本部につれ行くぞ…


「「「「「「「はっ!」」」」」」」




慟哭どうこくしている間に、僕は黒服たちに意識を刈られ、

『ちくわ取締委員会本部』に運ばれた……





……………………………………



……………………



2025年追記

この作品は打ち切られました

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ