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escape
夢が好きだった。
普通だったらできないことが、夢の中ではできる。
私の逃げ場だった。
なのに、あの時から、私は夢を見れなくなった。
−小学5年生−
「おはよう。夢乃さん。」
「おはようございます。丸谷先生。」
今日の先生は機嫌が良さそうだった。
今日は誰も怒られないといいな。
毎日毎日先生は機嫌が悪くなるとすぐに怒る。
最悪なときは生徒に暴力だって振るう。
もうあんなのは嫌だ…
「最悪…思い出した…」
私はそう呟きながら布団に入り、
また夢を見ようと眠りにつく。
また夢の中に逃げれるように…