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私と心と障害  作者: 和泉 稀癒
9/12

勤続10年





「今月いっぱいで辞めます」


 勤続10年を迎え金一封を貰った私はすぐ主任に伝えた。

主任はやっと厄介者が居なくなると安心した表情をした。


「今までお疲れ様」


「皆にはまだ伝えないでください」


 心にも思ってないことを言う主任に私は無表情で言った。


 私は辞めることを決めた時から少しずつ私物を持ち帰っていた。

そして専務が来たときに事務所に呼ばれ話した。


「知り合いの弁護士に確認したら会社の対応に問題は無いから、小野さんが弁護士に相談するのは構わないけど自分が辛いことを思い出して苦しむよ」


 専務は脅しとも取れることを言った。

すでにボロボロだった私は専務の言うことを素直に聞くしか無かった。

後々後悔することになるとは思ってもみなかった。


「今までお世話になりました」


退職の日、仕事が終わると遅番メンバーと主任と部長に挨拶した。


「何か困った事があったらいつでも連絡しな」


 部長は今までの退職した人と同じ言葉をかけた。


「ありがとうございます(絶対何があっても頼らねーよ)」


 私は心の声とは裏腹に笑顔でお礼を言った。




 辛く苦しい三年間が終わった。

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