パスタ、パスタ♪
著者の好物はパスタです。と、いうか、イタリアンフード全般です。よく、不思議がられますが、その理由は著者の家に関係しているので、個人情報流出を防ぐため、ここでは書きません。因みに、YouTubeでも明かしてはおりません。
第九章
「美味しいっ!!」
ミートソースのパスタを頬張ったディケは思わず、そう口に出した。
「こんなパスタ、初めて食べたよ!ぼくいつも、ボルチーニとか、アッラビアータしか食べてなかったから…」
「……ええ、よかったです。」
ノイもカルボナーラを口に運びながら微笑んだが、その心の中では、
ーその様なパスタは聞いたことも見たこともないんですが?!!やはりディケは何処かの貴族の令嬢なのでは?!
と、またもや葛藤が繰り広げられていた。
「そのパスタも、美味しそうだよね!かる…なんだっけ?」
「カルボナーラです。しょ…あ、いえ、良ければですが、シェアしましょうか?」
ノイは、思い浮かんだ、『庶民の間では定番ですよ』という言葉をつぐんで、そう提案した。
「いいの?!じゃあ、ぼくのもあげるね!これ…取り皿?かな?」
ディケはそう言ってテーブルの端に置いてあった皿を取った。
二人はトングを使ってお互いのパスタを別の皿に取り分けた。ディケはそれをノイに手渡す。
「ありがとうございます。」
ノイはそれを受け取ると、自分もカルボナーラを取り分けた皿をディケに渡した。
ディケは目を輝かせてパスタを受け取ると、早速フォークでパスタを口に運んだ。
「美味しいっ!!ちょっと辛いけど、これも良いね!!」
ディケは嬉しそうな顔で笑った。ノイも釣られて笑顔になり、ディケから渡されたミートソースパスタに口をつけた。
「…そういえば、なんであの変な人たちに追いかけられてたのか、まだ詳しく聞いてなかったね。」
ディケがパスタを口に運びながらノイにそう聞いた。
「そう言えばそうでしたね。話せば長くなるのですが、私はこの街に、父の情報を求めてやって来たんです。私はここから少し離れたブルーファウンテンという街に、母と二人で暮らしているのですが、3年前まで父も一緒に生活していたんです。」
ノイは言葉を切った。一瞬躊躇したかの様に見えたが、再び口を開いた。
「ところが3年前のある日、父は出かけると行ったきり戻って来なくて…金銭でも特に困ったことはありませんでしたし、それに何より父は私たちを捨てて逃げるような人ではなかったと、母も私も承知しています。では何故突然姿を消したのか。私は父の行方を探すため、3ヶ月に一度ほど短い旅をして、聞き込みをしていたのですが…何の成果も挙げられてはいませんでした…ですが!今日、父の手がかりとなることが、立て続けに!!」
「立て続け?一つはぼくとして、もう一つは?」
「はい。実は、あの黒服の集団の後をつけていたところ、父と共に行動していた鷹の姿を確認したんです。」
「鷹?…そう言えば、ルイさんが大きな鳥を連れて歩いてる所を見たことがあるような…」
ディケが言いながらパスタの皿を空にした。
「その鷹はクレヴァーというのですが、対話を試みようとした結果、飛び去ってしまって…あの集団にも見つかり、絶体絶命の所で貴女が助けて下さったんです。」
「なるほど…でも、どうしてあの人たちの後なんてつけたの?」
ー興味本意で、なんて言えるわけがない…ここは…
「いえ、少し危険な雰囲気があったもので。」
ノイが盛大に格好つけて言うと、ディケは
「すごい!!ノイ、かっこいい!!」
と目を輝かせて言った。
「ま、まぁ…結局見つかってしまったんですがね。」
そう言ってノイは立ち上がった。
「そっかぁ…クレヴァー、もう一度会えたら良いんだけどね…」
ディケも立ち上がってそう呟いたのと同時に、店の外から悲鳴が聞こえた。二人が驚いてガラス越しに外に目を向けた刹那…大きな鷹が、沢山の鳥たちを引き連れて、ディケたちの方へ突っ込んで来たのだ。
「え、ええっ?!」
「な、なんだっ?!」
二人が目を見開いた瞬間、目の前のガラスが一斉に跳び散った。
なぜこの時間に投稿なのかは、著者がアメリカ住まいで、この時間が都合が良いからです。でも、冬休み終わったらどうなるかな…あ、YouTubeにアメリカ生活とか、たまに上げてるので、良かったら見てくださーい☆